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鈴木隆之 院長の独自取材記事

ベルヴェット動物病院

(世田谷区/用賀駅)

最終更新日: 2023/01/22

犬たちの憩いの場である砧公園にほど近い、用賀の住宅地に1996年開業した「ベルヴェット動物病院」。大の犬好きで、獣医臨床のジェネラリストを目指す鈴木隆之院長は、獣医内科学・外科学はもちろん、犬の行動学にも力を入れており、「犬とどう付き合うべきか」ということに関してのプロフェッショナルだ。「犬は言葉を話せないから、ボディランゲージから状況を把握することが大事」と話す鈴木院長は、犬の競技であるアジリティーにも注力。犬との共存文化が根付いている海外を参考に、犬との正しい付き合い方を飼い主にアドバイスしてくれる点も魅力の一つだ。鈴木院長はどのような経験から開業に至ったのか。そしてどのような考えを持って、日々動物たちに接しているのかをじっくりと伺った。 (取材日2012年7月23日)

子どもの頃から、親が心配するほどの動物好きがこうじて獣医師に

獣医師になった理由を教えてください。

僕は小さい頃から親が心配するぐらいの動物好きでした(笑)。幼稚園に入る前に初めて犬を飼ったのですが、父がその犬を連れて帰って来た時、すごくうれしかったことを今でもよく覚えています。そのほかにもいろいろな動物を飼っていまして、部屋の中だけでなく、ベランダや廊下などいたるところに水槽がありましたね。とくにベランダは鳥小屋のようになっていました。最後はレース鳩を飼っていましたから。そんな状態だったので、親も心配になるわけですよね(笑)。動物も大好きでしたが、その他にも手先を使ったことや絵を描くことも好きで、将来どちらの道に進もうか悩んだのですが、親に勧められた日本大学の付属中学を受験し、最終的には日本大学の農獣医学部から臨床獣医師の道に進みました。子供の頃ははただ「勉強しなさい」とだけ言われて従っていましたが、親は芸術の道ではなく、獣医師の方に行かせたかったようです。実は中学受験の直前に志望校が急に変わったんですが、今考えてみれば、日本大学には獣医学部がありますので、いずれはその方向に進めるよう親が考えていたんですね(笑)。

大学病院に勤務してらっしゃったそうですが、開業を決めた理由は何ですか?

大学卒業後に都内の動物病院で勤務医をしていましたが、大学の恩師から大学病院を作り直すことになったので、戻ってこないかという話がありました。大学時代は画像診断を専門にしていましたので、新しい大学病院に日本で初めて動物専用のMRIを入れるのでオペレーターをしてみないか?ということだったんです。画像診断が好きだったので大喜びで戻ったまでは良かったのですが、年数を追うごとにポジションが上になり、現場から遠くなってしまい僕にとっては苦痛だったことが開業を決めた理由の一つです。常に動物に触れていたいんですよね(笑)。さらにもう一つ開業を決めた理由に、大学病院では二次診療となりますので、高度獣医療として様々な重病患者を扱いましたが、究極の治療は予防ではないか?もっと一次診療にウエイトを置くべきではないかと考えるようになりました。偶然かもしれませんが、動物が飼い主と似たような病気になることが増えていると感じたことがありました。これには何か背景的な問題があるのではないかと思ったんです。病気が発生するには、犬の行動面や飼育環境などいろいろ原因や状況が関係してきますので、そういったことの関連性を調べて、日本の犬たちにフィードバックしていきたいと思っています。

動物のボディランゲージを理解して、状況をしっかりと把握

開業の場所に用賀を選んだのはなぜですか?

勤務していた日本大学の病院が三軒茶屋にありましたので、この地域の方々も多くいらっしゃっていました。この辺にお住まいの方々は動物を家族として扱う人の比率がとても多いんです。家族として扱うということは、愛玩として自分が癒されるために飼うのではなくて、動物の特性も理解して家庭の中でポジションをきちんと作ってあげて共に暮らしていこう、と言う生活スタイルです。そういう考え方が自分に合っていました。それから、妻が用賀に住んでいたのでなじみがあったこと、夫婦で大の犬好きなので、散歩に最適な砧公園が近いということがここを選んだ理由です。この辺りは面積に対して動物病院の数が世界一多く、「動物病院銀座」と呼ばれているんですよ(笑)。

飼い主の年齢層、動物の割合はどうですか?

独身の方は少ないですが、最近は比較的結婚して間もない20〜30代の飼い主さんが増えていますね。この近くには砧公園のほかに、駒沢公園、馬事公苑、芦花公園がありますので、来院されている飼い主さんがお散歩で知り合った犬仲間に紹介してくださることが多く、約9割はそういったご紹介で来院されています。多くの動物病院では犬と猫の割合は半々のようですが、当院は犬が7割、猫が3割なんです。僕が犬好きということが関係しているのかもしれませんね。

飼い主や動物に接する際に気をつけていることは何ですか?

一番気をつけていることは、飼い主さん自身を安心させることです。犬や猫は飼い主さんの行動や態度を見て状況を判断していますので、まずは飼い主さんにリラックスしてもらうようにしています。とは言っても、始めて来院する時は緊張しますし、ペットが病気になって不安を抱えたり、パニックになったりしますので、飼い主さんに話しかけて、ペットから意識を離すことが大事ですね。日本人は優しいので、動物の擁護者になりがちです。不安がる動物に「大丈夫、大丈夫」と声をかけることが逆に動物に不安やストレスを与えることになってしまいますので、飼い主さんに落ち着いた状態でいてもらえるよう、心がけています。動物とのやりとりは人とは異なり、動物は言葉を話せませんので、彼らのボディランゲージを理解することが必要です。例えば、診察室に入って来て、クンクンといたるところの匂いを嗅ぎ出すのは、ストレスや高ぶっている気持ちを落ち着かせるための行動ですし、体を掻くのも同じです。そういった行動や動作がどういった気持ちから来るものかを知っていると、動物に対する理解が深まりますね。僕だけでなく、スタッフ全員が犬を飼っていますし、動物のボディランゲージをわかっていますので、しっかりと観察して動物の状況を把握するようにしています。

休日はアジリティーの訓練。仕事でも休日でも犬と一緒の毎日。

力を入れている分野はどういったことですか?

一次診療を行う病院ですので、すべてに対応できるジェネラリストでありたいと思っていますが、その中でも力を入れているのは最も来院数の多い皮膚、内分泌と歯科ですね。診察と治療はもちろんですが、飼い方の指導も大事だと思っていますので、動物たちとコミュニケーションを取ることに不安があったら、何でも相談してください。犬を飼いたいと思っている方であれば、飼う前にどういった準備が必要か、どういった環境を作るべきか、その人の生活スタイルにはどの犬種がいいかということも重要ですので、ぜひ病院の扉を叩いてください。それから今後は高齢化した動物の取り扱いにも力を入れていきたいですね。寝たきりにならないで、最後まで歩けるよう、自宅で普通に生活をして最期を迎えられるよう、お手伝いをしていきたいと思っています。

お忙しい中、ご自身の健康のために行っていることはありますか?

毎日犬たちと砧公園を散歩やジョギングすることですね。僕の担当、毎日出勤したり連れ歩いている子は6頭いるのですが、若い子もいれば、障害を持っていたり高齢でお散歩がちょっとしかできない子もいます。必ず1頭ずつ連れて散歩やジョギングしているので、夏は朝4時半に起きて散歩を開始し、終わるのが7時ぐらいになってしまいます(笑)。犬にとって散歩は飼い主の時間を独占できる特別なもの、それぞれの犬がその時間をとても楽しみにしているんです。ですので、時間はかかりますが、1頭ずつとの時間を大切にして散歩するようにしています。犬の健康に一番必要なものは運動です。十分に運動することによって問題行動も減りますよ。飼い主さんの都合で、お散歩は夜にしか行けないとか、猫を飼っているけれど、いつも窓を閉めっぱなしにしているといった状況では動物は体調を崩してしまいますので、気をつけてほしいですね。

お休みの日はどうお過ごしですか?

アジリティーってご存知ですか。人と犬が調和を取りながらお互いの意志のやりとりをし、コース上のハードルやシーソーなどの障害物を走りながらクリアしていくタイムトライアル競技なのですが、ここ数年お休みの日はこの訓練をしています。今飼っている6歳のミニチュアプードルが日本代表に選ばれたので、10月にチェコスロバキアで開催されるFCIアジリティー世界大会に参加します。開業当初から「もっと犬の勉強をしよう」と思ってドッグショーから参加し始め,骨格の勉強はもちろん血統・交配や遺伝疾患を学び,そしてショーマナーの訓練から警察犬訓練とやってきましたが、この数年は犬達が大喜びで走って興奮している状況下でも、人間と意思の疎通をとらなければならないアジリティーにとても興味を持ち、自身の犬達とのコミュニケーション能力と対話技術向上のために参加、大いに成果を感じています。なによりも犬達が楽しそうですし。開業当初から、仕事でもお休みの日でも犬と一緒ですね(笑)。

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