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田部久雄 院長の独自取材記事

駒沢どうぶつ病院

(世田谷区/駒沢大学駅)

最終更新日: 2016/01/24

駒沢大学駅を出て、国道246号線沿いを二子玉川方面に歩くこと10分。気持ちよさそうに目をつむるワンちゃんマークが目印の「駒沢どうぶつ病院」を訪れた。「動物とはいろいろ話しているんですけれど、インタビューは緊張しますね」と、柔和な表情で迎えてくれた田部久雄院長。どんな質問を投げかけても、答えのひと言ひと言に、動物への愛が滲み出ていた。

動物、飼い主、獣医師。みんなが幸せになれる病院を目指して。

どんな病院づくりを心がけていらっしゃいますか?

「動物が喜んで来てくれる病院」です。よく、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーみたいな大きな子になると、病院のドアを自ら開けて入ってきて、一目散に診察台の上に飛び乗っちゃうんです。そしてしっぽを振り続けている(笑)。あと、他の病院だと3人がかりで押さえつけて治療されていたような子がうちでは静かにしてくれて、飼い主さんにびっくりされたり…。これといった理由はわからないのですが、「怖がらせないように」ということは、スタッフ全員でいつも注意しています。やさしく触れて話しかけるとか、注射をするときは極力細い針を選んでそっと打つとか。そして終わった後には、うんと褒めてあげます。動物だって、表情や仕草でちゃんと自分の意思を示してくれるのですから、そういうサインを見逃さないことも大切です。逆に、病院で苦い思い出をつくってしまうと、次に来るときも怖がってしまう。飼い主さんも、ぶるぶる震える子を無理やり連れて来るのは楽ではありません。それを見ている僕だって辛い。だから動物に苦痛を与えず、飼い主さんも安心、治療している僕も嬉しい。そんな風に、みんなが幸せになれる病院にしたいと思っています。

これまでに、印象に残っている動物との出会いはありますか?

うーん…。いや、毎日がね、ドラマみたいなものですから。死にかけてフラフラになって来た子が手術を終えて帰るとき、ちゃんと目を見てしっぽを振ってくれるとか。それと今から10年以上前ですが、ラブラドールのお産に立ち会ったときのことも鮮明に覚えています。夜中の12時から始まって、最後の11匹目を産み終えたのは、翌朝7時。最後は立つこともできない状態で、横になったまま頑張ったんです。一晩中、飼い主さんの家族全員が声をかけ続けて。とても感動しました。結局一睡もしないまま、出産を終えたその日も夜まで仕事をしたのですが、まったく疲れることなく元気でしたね。毎日いろんな出会いがある度に「この仕事ができて本当に幸せだなぁ」と思っています。

普段は何かと慌しいので、休日は静かにゆるりと。

休日はどのように過ごされていますか?

運動不足の解消に、30代の頃から水泳をやっています。この仕事をしていると、空いた時間にパッと一人でできるスポーツがいいんですね。その他には、陶芸をやっています。普段、動き回る動物を相手にしているので、土と向き合う静かな時間というのが、すごくリラックスできるんです。実は数年前に、病院の屋上に陶芸ルームもつくったんですよ。最近は忙しくて物置化してしまっているのですが(笑)。長い休みがとれたら、バリ旅行。これまでにも何度か行っているのですが、きれいな海を見てのんびりと過ごすのが好きです。

獣医になろうと思われたのは、いつ頃ですか?

高校生の時です。うちの病院は昭和30年に父が開業したのですが、僕は三男だったこともあり、小中学生の頃は獣医になることを考えたことがなかったんですね。でも大学の進学を考える時期になると、すでに長男は建築系、次男は機械系に進んでいまして。正直、「誰も継がないのはなぁ…」という気持ちで、この道を選んだんです。そして大学から臨床の場に進んだ後は、みるみるはまってしまったというわけですね。

大学卒業後、現在に至るまでの経緯を教えてください。

卒業した年の3月に父の勧めで、当時世田谷にあった獣医が9人いる大病院に入りました。その中に、カナダで9年ほど診察していた小沢己久朗先生がいらしたんですね。その先生の治療は、何から何まで驚きでした。動物の膝の十字靭帯や脊髄の手術を日本に持ってきた方で、これまで誰にも治せなかった病気を治してしまうんです。先生のもとには山形や大阪から駆けつける飼い主さんもいました。そこで4年半勉強した後、その先生が働いていらしたカナダ・アルバータ州の病院へ、修行に出してもらったんです。そのときかかった費用もすべてその先生が面倒みてくださいました。カナダには半年間いたのですが、最新の技術や価値観の違いなど、本当にたくさんのことを学びました。日本に戻る前、バスでゆっくり一人旅をしたのも楽しかったですね。カナダの大自然を眺めながらバンクーバーに向かい、それからロサンゼルスやサンフランシスコをまわりました。そう、カナダでコテージに泊まっていたときに、いろんな動物が挨拶しに来てくれたんですよ。人間をまったく怖がっていない。本当に穏やかな環境ですよね。そして帰国後、父の病院に入りました。そして15年目を迎えた頃に院長を引き継ぎ、今に至っています。

苦しめることなく、「治ろうとする力」をサポートしたい。

往診、送迎サービスも行っていらっしゃるのですよね?

はい。よく伺うのは、六本木とか麻布の飼い主さんからの依頼です。英語が話せる関係で、そのあたりに住む外国人の方から連絡をいただくことも多いんです。外国人の方の場合、東京の道に慣れていないことが多いし、かといってタクシーを手配して来院するのも大変ですよね。そんな時は前々から往診をしていたのですが、実際、病院の外で行なう治療には限界があるんです。そこで、車でお迎えに行って病院での治療が終わったらお戻しする、送迎サービスも始めたんです。

外国人の方の問診の際に、考え方の違いを感じることはありますか?

そうですね。たとえば安楽死について、向こうの方は決断が早いんです。以前、アメリカ人の飼い主さんがワンちゃんと一緒に来て、「これから1ヶ月間、母国に帰ろうと思うのだけど、湿度や温度が高いところには連れていけないの。離れているのは可哀想だから、楽に死なせてほしい」と頼まれたんです。その方としてはワンちゃんのことを真剣に思って出した結論。でもそんなこと、できないじゃないですか。結局「お金はいいから僕が預かってあげる」と説得しました。今でもそのワンちゃんは元気ですよ。

治療のこだわりを教えてください。

苦しめることのない優しい治療を心がけています。これからはどんどん高齢化が進みますし、癌も多い状況です。そうしたときに、他の細胞まで死んでしまうような強力な薬を無闇に使うのではなく、免疫療法などによって動物が元来持っている「治ろうとする力」をサポートしてあげるような方向で元気にしてあげたいと思うんです。治療法を決める際には、「こういう治療をしたら、こんなメリット・デメリットが出てきます」といった事例を説明した上で、最終的にどんな状態にもっていってあげたらいいのかを飼い主さんとじっくり話します。そして治療内容、現在の問題点と改善方法、料金明細などを記した書類を作成し、インフォームドコンセントを徹底しています。

この先の展望をお聞かせください。

スタンスは今のまま。一方で、技術や機械は常に新たなものを取り入れたいと思っています。最近CTやMRIを希望される方も増えているのですが、これを大学病院で申し込んだら1ヶ月待ちとかですよね。でも具合の悪い子をそんなに待たせられないじゃないですか。より早く診てあげられるのも、町に根付いた小さな病院だからこそできること。一匹でも多くの子を救えるよう、アイディアはどんどん形にしていきたいです。

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