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長谷川 承 院長の独自取材記事

アルマ動物病院

(世田谷区/上野毛駅)

最終更新日: 2023/01/22

世田谷の住宅街にある、お洒落な動物病院。「アルマ動物病院」の第一印象は、そんな表現がぴったりの動物病院だ。院内には、飼い主の方から頂いたという手描きのイラストや、こちらに通っているペットの写真入りのカレンダーが飾られ、気持ちを和ませてくれる。院長の長谷川承先生は、日本獣医畜産大学大学院を卒業後、勤務医として働きながら、東京女子医大糖尿病センターで研究を行った経歴の持ち主。糖尿病をはじめ、内分泌疾患のクッシング症候群、アジソン病等の治療にもあたっており、院長を頼って遠方から来院する飼い主も多いという。少し離れた場所には、椎間板ヘルニアなどの外科手術後のリハビリテーションを行う「CLUB ALMA」という施設を併設している。「専門的な治療も行いますが、まずは町のかかりつけ医というジェネラリストとして、診療の質を高めることが第一」と語る院長に、お話を伺った。 (取材日2015年7月10日)

糖尿病をはじめとする内分泌疾患の治療と研究がライフワーク

院長先生の経歴を拝見したところ、東京女子医科大学で糖尿病の研究をなさっていますね?

はい。私は大学院の時に、糖尿病をはじめとする内分泌疾患が専門領域でしたので、その研究を続けるために獣医師として働きながらですが、東京女子医科大学の糖尿病センターで3年間研修を受けました。糖尿病というと人間だけの病気のように感じるかもしれませんね。でも、犬や猫も発症します。内分泌疾患の中で犬に発症することが多い副腎皮質機能亢進症、いわゆるクッシング症候群は、病気が進行すると糖尿病を併発します。猫の場合は、クッシング症候群を発症することは稀ですが、これまでに2例だけありました。やはり糖尿病を併発していましたね。水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、お腹が腫れてくるなどの症状があり、その猫は皮膚までボロボロになっていて……。私のところに来られました。これらの病気の原因は、人間と同じくストレスの多い生活。まさに動物たちの現代病と言ってもいいでしょう。糖尿病は、遺伝が関係する疾患ではありますが、予防としては食事管理が最も大切です。そのため、このクリニックを開院した時から栄養指導を大きな柱として行ってきました。もちろん、栄養指導だけでは運動不足による肥満症や関節疾患を治療することはできませんから、運動療法のハイドロセラピーも取り入れることにしたのです。

そのハイドロセラピーとは、あまり聞き慣れない治療名ですが……。

そうですね。まだ日本では一般的ではありませんが、アメリカなどでは動物理学療法として注目されています。その治療を専門的に行うために、このクリニックとは別の場所に「CLUB ALMA」という附属施設を作りました。ジェット水流を生み出すプールや水中トレッドミル、スパなどがあり、水の効用で整形外科手術後のリハビリテーションやヘルニアの治療を行っていますが、実は免疫や自律神経にも効果があります。関節リュウマチを患ったウェリシュ・コーギーの場合は、後脚が動かすことができないため、地上では上手に歩けませんが、水の中では身体の自由が利くようになるのでプールが大好きになりました。泳いだ後の顔を見ると、全然違います。私は子どもの頃からプールが大好きで、中学、高校は水泳部でした。高校時代には水球の選手で、大学入学後はスキューバダイビングが趣味。水の魅力を肌で感じてきましたから、その効用を犬の治療に活かしたいと自然に思うようになりました。

病を見るのではなく、動物を見ることの大切さを教えられた学生時代

大学、大学院と長い時間、学ばれたわけですが、どんな学生生活でしたか?

私の父も祖父も皮膚科の医師でした。父は勤務医で祖父は開業医でしたので、漠然と医療系の道に興味はありましたが、父は跡を継いで医師になれとは言いませんでしたので、獣医師を目指しました。子どもの時から身近に犬や猫がいたから、というのが獣医師になる典型的な動機だと思うのですが、私の場合は飼っていたのは小鳥くらいで、犬にも猫にも触ったことすらありませんでした。学生時代は、それを劣等感のように感じていたこともあり、3年生になった時に動物がたくさんいる研究室を選択したほどです。最初のうちは、病気探る、治すことだけが仕事だと思っていましたが、ある時に先生から「最初から病気を見ようとするな、動物を見ろ」と言われて、ハッとしました。そんなこともあり、当時、20頭くらい牛がいたと記憶していますが、一日中、牛の面倒を見ていました。当番になると朝6時に大学へ行き、帰るのは大体午前1時や2時。4年生から検査、5年生から診療の実習、6年生になってやっと人間らしい生活ができるようになりましたね。大学では、勉強する楽しさを本当に感じました。内分泌の研究の中で、まったく違う分野の勉強をしていたつもりが、ある日それが頭の中で繋がったり……。そういう経験をすると、自らどんどん勉強したくなりますからね。

院長は、とことんやらないと気が済まない性格でしょうか?

そうですね。結局、勉強というのは探究心を満たすことだと思うのです。まだ日本で馴染みのないハイドロセラピーに力を入れようと思ったのも、テネシー大学公式認定のCCRP「犬の理学リハビリテーションセミナー」の認定を受けたのも、今、理事をさせていただいている、TRVA夜間救急動物医療センターを世田谷の獣医師会の先生たちと開設したのも、やれることはすべてやろうという考えからですね。専門性をどれだけ高められるか、そうした高度な治療を求められる方にどう応えるか、というのも課題ではあるのですが、私は町で動物病院を開いているわけですから、地域に対してはジェネラリストであることが求められます。どのような症状の動物でも、診療しなければなりません。専門性が求められる病気は、2割とか3割。後は一般的な診療です。相反するようですが、どれだけ専門的な診療を究めたとしても、開業している獣医師としての立ち位置というのでしょうか、ジェネラリストとして質をどれだけ高められるか大切だと思います。

心の通い合う治療を第一に、町に溶け込んでいきたい

先生自身は、今は動物を飼っていらっしゃいますか?

うちには子どもがいないので、犬を3頭飼っています。ミニチュア・シュナウザー、チワワ、フラットコーテッド・レトリバーです。同じ犬種の飼い主さんも、自然に来院されますね。一昨年、先代のフラットコーテッド・レトリバーが腫瘍のために亡くなりました。一時は持ち直したのですが、悪くなって3日で死んでしまったのです。寝たきりの時間が少なくて良かったねと言われて、その時にすごく違和感を感じました。たとえ寝たきりになったとしても、その子と飼い主さんにとってはとても大切な時間。大変かもしれませんが、寝たきりの時間が長かったという飼い主さんには、良かったですねと言ってあげられるようになりました。結局、飼い主さんの気持ちにどれだけ寄り添えるかなのだと思います。私の場合は、子どもの頃にペットと暮らした経験がありませんでしたし、たくさんの患者さんや動物たちから教えられました。

クリニックの今後の展開など、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

クリニックの名前にある「アルマ」とは、スペイン語で「心」という意味で、心の通い合う診療をしたいという思いを込めています。高校、大学とずっとバンドを組んでパーカッションを担当しており、ラテン音楽が好きなことも影響しています。診察室などがガラス窓越しに見渡せるようになっているのも、診察や治療はすべて飼い主さんの目の前で、文字通りガラス張りの診察をしたいという考えに基づいています。医療が進んだおかけで、動物たちの寿命も長くなりましたが、昔と違って人間と同じような現代病を抱えている子たちも多くなっています。糖尿病は、それに苦しんでいる動物たちも多く、より専門的な治療を求める獣医師の先生たちもたくさんいらっしゃるので、今後もライフワークとして究めて行きたいと思っています。中には二次診療として、遠くは兵庫県や愛知県からいらっしゃる飼い主の方もいます。少しでも正しい知識を得て欲しいと考えて、ホームページでも糖尿病講座と銘打って情報を開示しています。ハイドロセラピーの方も、これから注目を集める分野だと思っていますので、もっと広げていきたいですね。また、しつけ教室や飼い主さんたちのフォーラムなどで、病気について、運動の仕方、ご飯のあげ方など、セミナーなども積極的に行うようにしています。町のかかりつけの動物病院として地域に溶け込みながら、診療だけでなく、よろず相談ではありませんが、皆さんから愛されるクリニックでありたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

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