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吉池渡院長、吉池かおる副院長の独自取材記事

吉池獣医科病院

(世田谷区/豪徳寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

豪徳寺の商店街から通りを一本中に入った住宅街に、溶け込むようにして佇む吉池獣医科病院。この地に開業して47年というベテランの獣医師吉池渡院長と、娘さんの吉池かおる副院長が、動物を大切に思う心をひとつにして親身な診療を続けている。「病気に休みはない。元旦だって点滴が必要な子にはついていてあげますよ。」と話す優しさがにじみ出るほんわかした笑顔の院長先生と、何でも相談したくなる気さくな人柄のかおる先生。お二人一緒に応えていただいた取材中、同時に同じことをお話しされることが何度もあり、ひとつの信念をお二人が同じ思いで守っていることが伝わった。「診療モットーは、常に全力でベストを尽くす。」と言葉が重なり笑顔で顔を見合わせたひと言が印象的だった。(取材日2009年11月26日)

動物が大好き その気持ちが原動力

獣医師を志したきっかけは?

[院長] 僕は子供の頃から大の動物好き。ファーブル昆虫記が大好きで、アリの巣があれば砂糖を持っていってあげたり、秋になれば庭に穴を掘って、ガマガエルが中に入ったら落ち葉をかけてあげて冬眠のお手伝いをしたり、色々な動物の世話をしていましたよ。高校三年生の時、可愛がっていた秋田犬がジステンパーという伝染病にかかって亡くなってしまいました。その時「よし、どんな病気でも治す獣医師になってやるぞ。」と思ったのが始まりですね。大学を卒業して、豪徳寺の駅前に15坪の小さな土地を買って開業した頃は裸同然。毎日いっぱいいっぱいになりながら無我夢中で働いて、気がつけば47年も経ちました。昼も夜もないのがこの仕事。寝る時も僕の携帯はいつも枕元にあって、何かあればスタッフからすぐに連絡がきます。スタッフには苦労をかけているけれど、本当に動物が好きだから苦にならないし、かわいそうだなという気持ちがあるから続けられます。

開業当時と今とでは、どんな変化がありますか。

[院長] 今ではインフォームドコンセントという言葉が獣医の世界でも理解されるようになってきましたが、僕は当時から飼主さんに納得して治療を受けてもらえるように説明をしてきました。でも、昔は説明をしても亡くなる前に注射を一本打ってあげればいいという飼主さんも多かったですね。可愛がっていないというのではなくて、意識が違っていたのでしょう。今は動物を飼うというより、家族の一員。飼主さんもすごく勉強されていますし、ワクチン接種をしっかりしているので病気の予防もできて寿命も延びている。その一方で、インターネットで色々な餌を取り寄せて食べさせてしまうなど、可愛がるあまりに餌を与え過ぎてしまい肥満になる子が多い。それと、昔はほとんどの犬は番犬として玄関先で飼い、猫は自由に外に出ていたものでしたが、今では家の中で飼うのが当たり前の時代になっています。しかし、種類によっては室内よりも屋外での飼育を薦めたい場合があります。ハウスダストに弱くてアトピーになってしまう犬や、煙草の煙で気管支炎や肺疾患になる猫などをよく診ます。飼主さんの事情がそれぞれありますし、あまり厳しくは言えないのですが、屋外で飼えば治るよといいたい場合もあります。

飼主さんのお話を全部聞いて、受け止める 心のケアを大切に

院長先生からどんなことを学ばれましたか。

[かおる先生] 私が父と一緒に働くようになって10年ほど経ちますが、父はとにかく仕事が細やか。この年代だといい意味でバンカラな先生が多い世代ですし、父はぶっきらぼうな先生が多いと言われる外科が専門ですが、飼主さんにも患者さんにもとても優しく接しますし、面倒見がいいですね。正直に、細やかに、相手の気持ちをくみ取りながら診療を行う。それだけでは足りなくて、勉強会で新しい知識を身につける努力を常に続けてこそいい獣医療を提供できる。毎週、診療後に大学病院に通って、勉強会に参加しています。この姿勢は、父から学び、私が受け継いだことです。それと、やはり動物に対する愛情ですね。父は未だにスズメに餌をあげているんですよ。東京のスズメは餌が少ないので寿命がとても短いからかわいそうだと言って。私も子どもの頃からよく動物の世話をしていました。けがをしたスズメやムクドリに餌を与えて育てたり、海水浴に行けば引き潮で磯に取り残されたシマダイやカワハギを連れ帰っては、大きくなるまで育てたり。よく、冷凍のあさりを刻んでいたことを覚えていますね。

先生はどのような獣医療を目指していますか。

[かおる先生] 私は結婚して娘をもうけて主婦をしていた時期があるのですが、夫を突然の事故で亡くしました。大切な人を失う気持ちがわかるというのは、獣医療を行う上でとても助けになっています。死期が近づいた患者さんのターミナルケアや、飼主さんが死別から立ち直るお手伝いとしてグリーフケアを行うことができるのは、私自身の死別体験が役立っていると思います。それと、私自身が辛かった時に、アロマテラピーにとても癒された経験があって、アロマテラピーインストラクターの資格を取りました。最後の時が近づいた子の痛みや気持ちを少しでも楽にしてあげるために、緩和ケアとして自然療法を取り入れています。また、必ずしも外科的な手術だけではなく、ハリ治療など東洋医学的な治療も効果があると考えています。実際に、ハリ治療とレーザー治療で歩けるようになった子を何件も診てきました。父とは色合いが違う診療ですが、全く同じ形である必要はないので、女性であることを強みに、より長所にした病院作りを行っていきたいと考えています。

診療をする上で大切にしていることは何でしょう。

[かおる先生] いつも心がけていることは、飼主さんの心のケアです。飼主さんのお話を全部聞いて、受け止めて、治療方針も一緒に考えて決めていくということを大切にしています。どんなに大切にしていてもペットの寿命は人間よりも短いので、彼らは先に逝ってしまいます。その心構えもお話ししながら治療にあたっています。ペットロスの問題はとても深刻で、毎日泣いて暮らしている方も少なくないんです。そうなってしまう前に、亡くなる前からしっかり話をして心構えをしてもらうことがとても大切だと私は思います。飼主さんが納得した上で治療をし、看取ってあげればペットロスになりにくいと考えています。

とことん悩んでベストを尽くす 町の獣医さん

ところで、病院内が動物達で賑やかですね。

[院長] 集まってきちゃうんですよ。犬が一頭、猫が三匹います。犬は僕が飼っているアイリッシュ・セッターのマロン。僕の言葉は全てわかっていますよ。この子はいざという時、輸血を行う供血犬としてがんばっています。それと、三宅島の噴火の時に避難動物としてやって来た猫のゴルゴ。噴火の時に、三宅島の動物達を東京中の獣医さんがボランティアで預かりました。13番という番号がこの子に付いていたので、漫画のゴルゴ13からゴルゴと名付けました。今ではすっかり、病院のアイドルです。受付でいつも寝ているのはさえ。事情があって手放された猫を預かって、そのままうちの子になりました。

これからの吉池獣医科病院について。

[かおる先生] もう一匹は、ペットショップで売れ残って大きくなってしまっていた猫を、娘の誕生日にかこつけて連れ帰って来てしまいました。スコティッシュのラモニャンです。

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