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池村 浩 院長の独自取材記事

池村ペットクリニック

(世田谷区/下北沢駅)

最終更新日: 2023/01/22

代沢三差路近くの「池村ペットクリニック」を訪ねた。ジーンズ姿のスタッフたちがキビキビと動き回り、その周りを預かり中だという子犬が、おもちゃをくわえて駆け回っている。院長の池村浩先生は、スタッフとともに厳しいまなざしでレントゲンを見つめながら、時おり優しい表情に変化し、子犬をなだめるように声をかける。我が子に接するような姿だが、ホテルで預かり中の犬だと聞いて驚いた。動物たちに愛情注ぐ池村先生に診療に対する思いを伺った。 (取材日2009年9月7日)

今の知識と技術があれば、救ってやれたのに

獣医師を目指されたきっかけをお聞かせください。

幼少時に住んでいた、石川県の家の近くに金沢大学医学部があり、動物実験室の前を通って、小学校に通っていたんです。そこには犬や猫を置き去りにしていく人が後を絶ちませんでした。本当に無責任ですよね。子犬や子猫を上着の中に隠して、自宅に連れて帰り、納屋でこっそり保護をしていました。家族には内緒でしたが、ごはんが急に減ったり、おかわりの回数が増えるので、おそらく両親は気がついていたと思います。けれど、一度たりととがめられることはありませんでした。小学生だった私には、ごはんを与え、あたたかい環境を用意してやることくらいしかできませんでしたが、捨て犬や捨て猫を一生懸命に面倒をみた記憶があります。それでも、病気になっている犬や猫はどうにもならず、苦しむ姿を目前にしながら、さすってやったり、あたためてやるしかできなかった。それはとても悔しい思いで、今でもトラウマになっているほどです。自分が獣医師になれば、救ってやることができるのにとどれだけ思ったことか。それ以来、獣医師以外の仕事は考えられなくなりました。今の知識と技術があれば、救ってやれたのにと今でも悔しく思っています。

得意とされている治療についてお聞かせください。

大学卒業後に外科研究室に入り、2年間の研修を重ねました。その後、外科を得意とする先生の下で2年間のインターンを経験しました。このようなことから、手術を中心とした外科を得意とし、設備も充実させています。しかしながら、日々の診療は予防や内科的なものが中心ですから、幅広く対応できるように勉強を重ねています。

家族の一員から社会の一員へ

思い出に残る患者さんとのエピソードについてお聞かせください。

たくさんの思い出がありますが、嫌な思い出はどうしても忘れることができませんし、こうして話しているだけでも、憤りを感じます。動物の命を粗末にする人をたくさん見てきました。たとえば、生まれたばかりの子猫を「箱に入れて環七の横断歩道の上に置いてきた」と平気な顔で話す人もいます。車に轢かれるのがわかっていてそうしているんです。信じられないでしょう。また、目黒川に子猫を流したと平然とした表情で話す人もいました。

患者さんから学ぶこともあるのでしょうか。

外国に暮らした経験を持つ飼い主さんと犬との関係を見ていると、勉強になることが多いですね。欧米流のしつけは、日本人の私たちからすれば、何もそこまでしなくてもと思うような厳しいものですが、甘えていい時は徹底的に甘えさせていますし、飼い主と犬の絆の強さを感じます。クリニックの前のスーパーで、じっとステイをして飼い主が来るのを待っているジャーマンシェパードを見かけることがあります。微動だにせず、1年でも2年でも待っているんじゃないかというほどです。このようにしつけの行き届いた動物が増えれば、レストランやお店など犬を連れて行ける場所も増えてくるだろうと思います。今は家族の一員として犬を育てるのは当然ですが、これからは社会の一員としてマナーを身につけさせる必要もあるだろうと思っています。そうすれば人も動物も暮らしやすい社会になるのではないでしょうか。

先生ご自身も動物を保護されることもあるそうですね。

今、一緒に暮らしているのは、子猫の頃にカラスに襲われた経験を持つ猫たちです。四匹のうち、一匹はカラスに目をつつかれ目がまったく見えず、もう一匹は片方の目が見えません。治療を終えたら、里親を探そうと思っていたけど、障害を持つ動物はなかなかもらい手がつかないものです。だったら一生面倒をみてやろうと、家族の一員として迎え入れました。今では大切な家族の一員です。親バカと言われるかもしれませんが、何百万円と積まれようが絶対に手放すつもりはありません。また、捨て犬や捨て猫を保護した人に協力するのも、獣医師の大切な役割だと思っています。獣医師としてできる限りのことをするつもりでいます。クリニックの入口にある一番目立つ掲示板は、クリニックの宣伝に使えばいいのでしょうが、つい里親募集や迷子探しのチラシを優先させてしまっています。動物を保護するのは簡単なことでないはずです。その動物に対する愛情を獣医師としてくんでやりたいんです。

口のきけない動物たちの代弁者でありたい

診療の際にはどのようなことを心がけていますか。

動物には愛情を持って接することですね。幼い時に抱いた動物への愛情を今でも変わらずに持ち続けています。飼い主さんの立場を尊重しながらも、口の聞けない動物たちの代弁者でありたいと思っています。ですから、時には動物に代わって、飼い主さんに厳しい意見を言うこともあります。間違っていると思ったことは、率直に伝えるのが、動物たちのためでもあり、飼い主さんのためでもありますから。

動物の健康を保つためのアドバイスをお願いいたします。

昔は犬も猫も外で飼育するのが当たり前でしたが、現在は、室内飼育が増えて、食卓に犬を同席させる飼い主もいるようです。すると、おのずと人間の食べ物を動物に与える機会が増えることになります。可愛いから、欲しがるからと言い訳をして、人間の食べ物を与えないことが大切です。その時は喜ぶかもしれませんが、後々の病気の原因になるのです。極端な言い方をすれば、人間の食べ物を与えることは、緩慢な虐待に等しいというのを認識していただきたい。病気になったからと言って、今まで与えていたおやつを一切与えないのは難しいものです。だったら、最初から与える習慣をつけなければいいんです。最初のひとくちさえ与えなければ、犬はあきらめるものです。間違った食生活によって、人間のような生活習慣病の原因にもなりますし、肥満が元で怪我や骨格の異常も起こりやすくなります。食事さえ気をつければ、肝腎疾患や高脂血症など多くの病気や肥満を防ぐことができます。お金もかからない予防ですから、ぜひ実践していただきたいです。

今後の展望についてお聞かせください。

昔は、動物病院に来院する飼い主さんの話から診断をつけるのが主流でしたが、検査機器が充実している現在は、検査結果という客観的なデータに基づいて診断をつけるようになりました。ですから、これからも最新の検査機器を積極的に導入していきたいと思っています。MRIを導入したいと思っていますが、スペースの都合で実現は困難です。これからの個人動物病院はMRIを所有する医療機関や大学等と連携を深めていくのが今後の課題のひとつだと思っています。医療機器を充実させつつも、医療機器がどんなに発達したとしても、動物に対する愛情を忘れずに、診療を続けていきたいですね。

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