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小林元郎 院長の独自取材記事

成城こばやし動物病院

(世田谷区/成城学園前駅)

最終更新日: 2021/10/12

成城の閑静な街並みに溶け込む「成城こばやし動物病院」。清潔感あふれる待合室や、じっくりと話ができるカウンセリングルームなど、飼い主の気持ちに配慮した環境が用意されて、満足いく診療が受けられそうだ。明るい笑顔で迎えてくださった院長の小林元郎先生は、厳しい表情で動物医療に苦言を呈する一面も見せたが、動物たちの話になると、とたんに目じりを下げる。バイタリティあふれる小林先生に動物医療への思いを伺った。(取材日:2009年9月8日)

チーム医療。例えるなら野球チーム

こちらは担当医制度を導入しているんですね。

私を含めて6人の獣医師が在籍しており、それぞれに高い専門性を持っています。同じ獣医師が続けて診療を行う担当獣医制度が基本ですが、他の獣医師の診療を受けることも可能です。他の獣医師が診療する場合もきちんと引き継ぎをしていますので、安心して診療を受けていただけるはずです。このようなチーム体制で診療を行なっているのは、大学病院などでは当たり前ですが、個人の動物病院では珍しいと思います。一般的には一人の獣医師が内科から外科、皮膚科、眼科などのすべてをカバーしていると思いますが、やはりそれでは限界があると考えています。私自身もかつては、一人で何でも診ることができるオールマイティの獣医師を目指していた時期がありました。しかし、一人の人間がすべてを極めようとするのは無理があります。それに、個人の能力だけに依存するのはリスクが高すぎます。もし過誤があったら、もし獣医師が倒れてしまったら…。一番困るのはほかでもない、飼い主さんや動物たちですよね。そのような意味からも担当医制度を導入しました。専門性の違いもさることながら、若い獣医師からベテランまで年齢の幅もあるので、獣医師同士のコミュニケーションの中から得られることも非常に多く、獣医師の私たちにとってもメリットは大きいです。

専門性の高い診療が受けられそうですね。

診療するからには一定のレベル以上の高水準の診療を提供したいと考えています。眼科を専門とする獣医師は2名在籍し、飼い主さんたちの高いニーズに応えられるような体制を用意しています。また、獣医師だけでなく、看護師やスタッフたちのサポートも、チーム医療の質を上げるためには欠かせません。私がよく例えているのは、野球チームです。チームにはピッチャーもいればキャッチャーもいます。それぞれの守備範囲がありながら、チーム全員が同じ目標を目指すという具合です。ですから、専門性を持ちながらも獣医師一人一人がオールラウンドに診療する必要もあると考えています。ここが高度医療機関であれば、特定の疾病や治療にだけ特化していればよいのですが、私たちは、高度医療機関ではなくあくまでホームドクター。ちょっとした相談から、病気の予防、難しい病気まで、毎日さまざまな症例を扱っています。専門性を持つことも大切ですが、同時に多様な分野における的確な診断力が欠かせないと考えています。

動物を擬人化せず、立場を尊重すること

そもそも、獣医師を目指したきっかけどのようなことからですか。

たいていの獣医師は、小さい頃から動物が好きだったという理由が多いのでしょうが、私の場合は他の先生たちとはだいぶ違うんですよ。なにしろ、獣医師になることに疑問を感じていましたから。獣医師になったものの、来る日も来る日も、自分の目指す獣医師ってこれなのだろうかと自問自答の日々が続きました。アメリカの獣医療の現場に触れる機会を得たことが転機になり、獣医師をやろうとようやく決心がついたんです。期待もせずに行ったアメリカでしたが、そこには私が求めている医療があり、大きな影響を受けました。動物たちとの接し方から、医療に対する考え方まで、何から何まで私が求めていたことばかり。アメリカに行ってようやく、獣医師になりたいと思えるようになったんです。残念ながら当時の日本では、獣医師と動物の関係だけで、飼い主さんの存在はおざなりでした。アメリカでは、動物を診療することで飼い主さんに喜びを与えていたんです。その光景を目の当たりにして、自分がやりたいのはコレだ、飼い主さんにも喜んでもらうことだとはっきりと自覚でき、今でもその思いが診療の核となっています。今では、動物を通じて人や社会に貢献できるのが、この仕事の最大の魅力だと胸を張って言えますね。

動物たちと上手に接するためのコツを教えてください。

どんなに騒がしい犬でも、診療台に乗ると大人しくなるので、何か特別な方法があるんじゃないかと言われることもあるんですが、ちょっとしたコツさえつかめばできるものです。犬は間合いと距離感が大切です。人間が間合いや距離感を読み間違えるから犬が騒ぐんです。犬や猫に話しかける人がいるでしょう。あれって実は無意味なばかりか、かえって犬や猫に混乱を与えていることも多いんですよ。動物と接するときは擬人化しないことが大前提です。人間のやり方を動物に押し付けるのではなく、動物のやり方をマネようとする発想の転換が必要。人間は言葉がなくては何も伝えることができませんが、動物たちは言葉がなくても互いの気持ちを伝え合うことができます。言葉やメールや携帯に頼らなくてはならない人間は、動物たちよりもコミュニケーション能力が劣るのかもしれません。私は一緒に暮らす犬のバーディに話しかけることはめったにありません。その代わりに、目線の動きや仕草といったノンバーバルコミュニケーションでバーディに気持ちを伝えています。言葉がなくとも、言葉以上の綿密なコミュニケーションが図れています。いわゆる以心伝心という状態ですね。動物の立場になって、動物が取り巻く環境を見直してみると、新しい発見があるはずですよ。

真の安心の動物医療を提供したい

診療の際にはどのようなことを心がけていますか。

私たちが掲げるモットーは"安心の動物医療"です。安心とひとことで言っても、その安心は多岐にわたっています。確実な医療技術と設備で安心の医療を提供すること。明朗会計で安心していただくこと。院内が清潔で、心地よい環境で安心できること。獣医師やスタッフの誠実の対応で安心を与えること。それらをつねに心がけながら診療にあたっています。それらの安心を実感していただくためには、既存のやり方では実現できないと思っています。自分が飼い主の立場だったらどう思うだろうかという疑問をいつも念頭に置いています。

カウンセリングルームも用意されているんですね。

現在の医療はエビデンス・ベイスト・メディスン(evidence-based medicine 医学的根拠に基づいた医療)が主流です。診断や治療の基本であることには変わりはないですが、これからはさらに一歩踏み込んだナラティブ・ベイスト・メディスン(narrative -based medicine 物語と対話に基づいた医療)が必要になってくると思います。つまり、飼い主さんの背景になる物語を医療を提供する私たちが知らなくては、飼い主さんが望む治療をすることができないと考え方です。どうして動物を飼うことになったのか、これから先をどうしていきたいのかを細かく伺うと、たとえ同じ病気だとしても治療方針は変わってくるはずです。そのためにもカウンセリングには時間をかけていますし、お話しやすいように専門のカウンセリングルームを用意し、飼い主さんのプライバシーには十分に配慮をしています。

今後の展望についてお聞かせください。

ようやく病気の予防の意識は根付き始めていますが、それらはあくまで感染症の予防に過ぎません。これからは、感染症以外の病気の予防の啓発にも力を入れていきたいと考えています。同時に早期発見・早期診断のための検診も、当たり前のこととして意識を持っていただけるよう、はたらきかけていきたいですね。これからも"安心の動物医療"を提供するために、来春には院内の大幅なリニューアルを予定しています。リニューアルに合わせて、医療のシステムなども、飼い主さんがさらに安心していただけるものにブラッシュアップしていくつもりです。期待していてください。

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