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岡庭 明彦 院長の独自取材記事

横浜ねこ病院

(横浜市神奈川区/東白楽駅)

最終更新日: 2023/02/22

「猫はとても繊細な生き物ですが、飼い主さんはさらに繊細な方が多い気がします。猫にも飼い主さんにも安心して通っていただけるよう、猫専門の動物病院が必要だと思いました」と、穏やかな笑顔で語るのは「横浜ねこ病院」の院長、岡庭明彦先生。日本でまだ猫専門の動物病院が珍しかった2006年に開業した同院は、猫がリラックスして治療を受けられるように工夫を凝らしていること、さらに猫に特化した専門病院ならではのサポートが受けられると、遠方から訪れる飼い主も少なくない。「私もスタッフも、猫が大好きなので飼い主さんの気持ちがすごくよくわかるんです」と微笑む岡庭先生に、猫専門病院ならではのメリットや猫を長生きさせるためのアドバイスについて、じっくり聞いた。 (取材日2019年5月14日)

猫と飼い主が安心して通える「猫専門病院」

なぜ、猫の専門病院を開業しようと思ったのでしょうか?

犬は社会的動物なので他の動物と一緒でも平気ですが、猫は環境の変化にストレスを感じやすい生き物です。私は水戸市でも動物病院をやっているのですが、そこでは犬と猫の待合室を分けているにも関わらず、犬の鳴き声や他の子の気配でストレスを感じてしまう子も少なくありません。体調が悪いのに、緊張と不安でさらに具合が悪くなってしまうような猫ちゃんを見てなんとかできないだろうかと考えた結果、猫だけの専門病院をつくるしかないという結論に至りました。こうして生まれたのが、この「横浜ねこ病院」です。開院当初はまだ外飼いの猫も多く、月に数回は交通事故に遭った猫が運び込まれたり、検査をしようとすると「お金がかかるなら結構です」と言われることもありましたが、今は猫の専門病院ということで神奈川区を中心に、わざわざ遠方から来てくださる方もいらっしゃいますね。

診療内容について教えてください。

動物病院というとまず思い浮かべるのは不妊手術やワクチンだと思いますが、当院では内科から皮膚科、眼科、歯科、外科など幅広く診療を行っています。最近は完全室内飼いの子がほとんどのため、猫後天性免疫不全症候群という猫エイズなどの感染症や、交通事故に遭うリスクは減りましたが、肥満気味の子が増えてきている印象です。人間と同じで食べすぎや運動不足は糖尿病や心臓疾患のリスクを高めるため、当院ではライフスタイルや体格に合わせた食事や運動のアドバイスを行っています。最近は手術は専門病院にお願いする動物病院も増えてきているようですが、当院では避妊去勢手術にも対応しています。最近でこそ猫の専門病院が増え始めていますが、猫専門の獣医師はそう多くはないからか、セカンドオピニオンで来られる飼い主さんも増えてきています。

飼い主さんにとっても心強いでしょうね。

猫と犬では生き物として大きな違いがありますが、一番大きな違いは「飼い主さん」です。一概には言えませんが、待合室で犬の飼い主さんはワンちゃんがキャリーの中の猫に興味を示しても特に特に気にしないのに対して、猫の飼い主さんはワンちゃんがキャリーに近づいただけで、「うちの子が苦痛を感じているのでは」と、飼い主さん自身も苦痛に感じられることが多いように思います。そんな飼い主さんにとって、いつ来ても猫しかいないという安心感はとても大きいようで、中にはわざわざ遠方から来られる飼い主さんもいます。うちはスタッフも「猫ちゃん大好き!」という人ばかりなので、とにかく猫の扱いが得意なようです。

猫専用の心地良い空間になるように工夫を凝らす

猫専門病院ならではのメリットについて教えてください。

獣医師もスタッフも猫の扱いに慣れていて、猫の知識が豊富です。他院で原因がわからなかった子が当院に来てようやく不調の原因が判明したというケースも少なくありません。ただ、残念ながらわかったからといって、すべての子が助かるわけではありません。今の獣医学ではまだ確実な治療法が見つかっていない病気もあれば、せめてもう少し早く来てくれていればというケースもあるからです。なすすべのない子を前に悲しみに暮れる飼い主さんを見るのは、われわれにとってもとてもつらいことです。少しでもそのようなことがなくなるよう、猫に特化した専門病院ならではの質の高い医療を提供するため日々努力しています。

そもそも先生はどのようなきっかけで獣医師になったのでしょうか?

子どもの頃から「命を守る仕事」として医療に興味があり、動物が大好きだったことから獣医師への道を選びました。大学を卒業してすぐは農業系の連合組織で種豚に携わっていましたが、本社に異動を命じられた時に、「自分は命を守るために獣医師の資格をとったのに、このまま事務職になってしまっていいのだろうか」と悩み、思い切って動物病院を開業することを決意しました。

猫専門のペットホテルもあるそうですね。

猫は神経質で、環境の変化にストレスを感じやすい生き物です。当院では猫ちゃんに少しでもリラックスして過ごしてもらえるようさまざまな工夫をしています。特にペットホテルは猫ちゃんが長い時間過ごす場所なので、2016年にリニューアルして通常のケージタイプの部屋だけでなく、長期滞在や活発な猫ちゃんのためにキャットタワーつきの広々とした部屋も用意しました。猫好きのスタッフがこまめに様子を見ながら排泄物や食事、飲んだ水分量などをしっかりチェックし、少しでも気になることがあればすぐに獣医師が診察します。最近は引っ越し時の一時預かりや、自宅に大勢の来客がある時などに気軽に利用される飼い主さんも増えてきています。

人も猫も幸せに暮らせる未来のために

先生ご自身も多くの犬猫を飼われてきたそうですね。

昔は犬は番犬代わりに外で飼うのが当たり前で、今のように獣医療も進んでいないし、質のいいフードもなかったので、7~8年も生きれば長生きなほうでした。猫はもっと短命でしたね。私は子どもの頃から保護された犬や猫を引き取って、気づけばいつも動物が身近にいる生活を送ってきました。当院には捨てられた猫を保護しては、予防接種や去勢避妊手術を受けに来られるボランティアの方もいます。お金も労力もすべて自腹です。近年は、お子さんが幼いうちから教育の一環として犬や猫を飼うご家庭が増えてきていますが、ただかわいがるだけではなく、生涯責任をもって飼育することの大切さをしっかり伝えてほしいと思います。

猫と長く暮らしていくためのアドバイスをお願いします。

腎臓病は心臓病や悪性腫瘍とともに、中高齢以上の猫にとって生命を脅かす病気です。残念ながら一度悪くなった腎臓が良くなることはありませんが、早期に発見して治療を開始することで、その後の生存期間や生活の質が大きく変わってきます。人間の1年は猫にとっては4年に相当すると言われています。せめて年に1度は健康診断を受けさせてほしいですね。その際に予防接種についてもアドバイスさせていただきます。当院の健康診断では触診から検温、聴診、目の粘膜、口内炎や歯石のチェックなどの身体検査や血液検査、尿検査などに加えて、毎年全身の写真を撮ってカルテに記録を残すことで小さな変化を見落とさず、病気の早期発見ができるように努めています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院に来られる飼い主さんから、「他院で採血した時に何度も失敗された」という話を聞くことがあります。猫の血管は細い上、慣れないスタッフの保定では動いてしまうため、猫の診療に慣れていることがポイントなんですね。猫にも飼い主さんにも、いつでも安心して診療を受けていただけるよう私たちは頑張っています。気になることがある時は、いつでも気軽にご相談ください。

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