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青柳伸介 院長の独自取材記事

ペットメディカル久が原

(大田区/久が原駅)

最終更新日: 2023/01/22

東急線久が原駅から伸びるライラック通りを歩いて5分、落ち着いた雰囲気の商店街にある「ペットメディカル久が原」の青柳伸介院長は、優しい笑顔で病院の特色を話してくれた。「治せなかった動物たちのことは忘れられません。だから少しでも治せる可能性を見つけたくて、さまざまな治療法を開拓しているんです」。この病院では西洋医学による診断や治療に加え、飼い主の希望も聞きながら、漢方薬やホメオパシーといった自然療法も積極的に取り入れて治療を行っている。「病気だけを治すのではなく、病気を起こす動物の体を調整していこうとする考えが根本にあります。それには、手作り食の指導、飼い主さんと動物との心の安定を保つなど、ごく当然なことも含まれています」。さらにさまざまな自然療法を使って、動物たちの自己治癒能力を高めるよう働きかける。「西洋医学の足りない部分を自然療法で補うといった具合に、両方を選べることが大事。ですからこうした病院がもっと増えてほしくて、今後は後輩たちの指導にも力を入れたいと思っているんです」と、新たな治療の可能性に期待する青柳院長に、西洋医学と自然療法を組み合わせた治療の特色について聞いた。 (取材日2012年7月26日)

治せなかった動物たちへの思いから、新たな治療方法に取り組む

先生が獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

高校時代、交通事故で犬が亡くなる瞬間を見てしまったんです。その時、自分が何もできないことが悔しくて、獣医師になろうと考えました。私は愛知県出身ですが、大学を選ぶ時の一番の希望は「北海道の大学に行きたい」でした。大自然に触れながら学び、遊ぶという大学生活に憧れたんですよ。しかも合格した北海道大学は、「○○学部獣医学科」ではなく独立した「獣医学部」。すぐに専門的な勉強ができると思っていました。しかし私が入学したころは教養部があり、希望の学部に進学できるかどうかは2年間の成績次第。もう一度受験勉強をやっている感じでしたね。進学した獣医学部も、基礎分野は解剖や実験などが中心で、すぐに動物たちの命を救える実感はなかったですね。先生方の指導も含めて、当時の国立大学は、「国のお金で勉強するのだから、公務員か団体・企業の研究者になって、幅広く社会に役立つべき」という雰囲気だったように思います。

それでは、どのような進路をお考えになったのですか?

いろいろと悩んだ末、最初は「たくさんの動物の治療に役立つ臨床検査施設を作ろう」と思いました。こうしたニーズに適しているのは関東地区だと考え、開設場所のリサーチも兼ねて、神奈川県内の動物病院に勤めたんです。しかし調べてみると、予想以上に同様の施設は多く、検査施設は断念。高校時代の希望通り、臨床で働く獣医師になりました。それに現場で働いてみると、やはり動物たちを治療する喜びは非常に大きいんですよ。動物が家族の一員と認められて、「できる限り長生きしてほしい」「最後の瞬間まで獣医師に診せよう」と、飼い主さんが治療に積極的になっていった時期。予防という概念も定着し、獣医師が活躍できる場面も広がるだろうと感じていました。

獣医師としても、やりがいが大きくなったのですね。

確かにやりがいは感じましたが、動物たちは高齢化や食生活の変化などで、がんや慢性疾患などの病気も増えてきた時期でした。治療も進歩する一方、「どうしても治せない病気があるんだ」と感じる機会が多くなるんです。病気が治れば飼い主さんも動物たちも当然ハッピーですが、私は治せなかった動物たちの記憶が強く残っています。「何かほかの治療方法があったんじゃないか?」「治せなくても、もう少し楽しく過ごせる選択肢があったんじゃないか?」……そう自分に問いかけながら、新たな解決策を探ってきました。このような気持ちが、新しい知識による診療を積極的に取り入れる動機になったと思います。

1頭ごとに違う動物。同じ治療方法は存在しない

この病院での診療は、どんな特色があるのでしょうか?

当院では従来の西洋医学と、さまざまな代替医療、自然療法を組み合わせて治療を行っています。治せない病気、特にがんにかかる動物は増え続けています。何かいい治療方法はないのか?と探す中で、自然療法に目を向けるようになりました。例えばがんの治療方法の場合、西洋医学では「手術による外科治療」「抗がん剤治療」「放射線治療」の3種類。それに体の免疫力を高めるといった自然療法によるアプローチを加えれば、治療の可能性が高まると考えたのです。自然療法といっても幅広く、当院では中医学にもとづく漢方薬・鍼灸治療、ホメオパシーなどを取り入れ、動物たちの症状、飼い主さんの希望に合わせて活用しています。もちろん希望しない方には、通常の西洋医学を用いて診断を行い、レントゲンをはじめ最新の検査機器・治療機器を使って、手術や通常のお薬で治療しています。一般的な治療だけを受診して、通常の動物病院として利用される方も多いですよ。

自然療法を受診する時、何か注意点はありありますか?

飼い主さんが自然療法を希望される場合は、どんな治療が可能かを最初に話し合い、動物たちが本来持ってる自然治癒力をどう高められるかを考えていきます。中には飼い主さんが動物に対して、精神的に過剰に依存しているケースもあり、適度な距離感での接し方をアドバイスすることもあります。自分本位なかわいがり方は、動物たちのストレスがたまる一方ですから。もちろん「どのくらいの費用で、どの程度の回復を目標にするか」という現実的な面も、きちんとご要望をお聞きします。こうしたきめ細やかなヒアリングを行いますから、初診の場合は1時間近くかかるんです。自然療法をご希望の方は、まず事前に受診予約をお勧めします。予約診療制の日曜・祝日や、本来手術や検査などのために確保している昼過ぎの時間帯を予約していただくと、さらにじっくりご対応できます。最終的にどのような治療方法をお選びになるかは、飼い主さんのご決断次第。私たちはその中でベストを尽くしたいと考えています。

時間をかけて診療されるのは、何か理由があるのですか?

これは自然療法に限った話ではありませんが、私は「この病気なら、このお薬」といった決められたパターンで治療したくないんです。同じような病気、症状に見えても、その子の体調や生活環境、飼い主さんとの関係が違えば、1頭ごとに治療方法は違うと思っているからです。西洋医学中心では治療方法も限定されますが、それでも「西洋医学で使われる下痢止め、吐き気止めを処方した上で、漢方薬でおなかの具合を整える」など、自然療法をプラスアルファする治療方法を模索しています。そのため通常の診療も時間は長めになり、自然療法ではさらに長時間の診療が多くなっているんです。

西洋医学と自然療法を組み合わせた治療を拡大

久が原で開業されたのは、何か理由があったのでしょうか?

以前から自然療法に力を入れた病院を作りたいと思っていました。そこで開業するために専門家にアドバイスを聞きに行ったら、資金面でもサポートしてもらうことができ、2003年に開業したんです。病院を開業した久が原駅近くの場所は、以前に往診でよく来ていました。大通りから少し入った、落ち着いた町の雰囲気が気に入っていたんです。そうした町の雰囲気と、私が考える治療の方向性を生かして、院内のデザイン、素材選びはできる限りナチュラル志向に。窓も大きく、自然の明るい光が差し込むように作っています。飼い主さん、動物たちが来て、リラックスできる雰囲気を大事にしたかったんです。また院内のレイアウトは風水によるアドバイスを受け、健康になれるような家具の配置に気を配っています。

病院主催で、手作り食の講座も開催されていますね。

自然療法といっても、実際にそれを受け入れるためには、動物たちの体の準備も必要なのです。そのため特に大事な食事に関する勉強会を、定期的に開催しているんです。当院では食事は手作り食をお勧めしています。一定の栄養バランスさえ気をつければ、特別な食材は必要はありません。食材をそのまま食べて、そのエネルギーを直接受け取ることが大事なんです。今はたくさんの飼い主さんが手作り食のレシピを考えて、ネットなどで公開されていますから、それを参考になさってもいいと思いますね。食事も含めたご自分と動物との暮らしを見直して、動物たちの体と心のバランスを整えることが第一歩。病気だけを治すのではなく、病気を起こす動物の体を調整し、自己治癒力を高めるのが自然療法のポイントです。飼い主の皆さんは動物たちの病気を理解して、「病院ではなく、自分たちで治す」意識を持っていただきたいんです。

先生のこれからの目標を教えてください。

自分でも治療を続けますが、今後は後輩を育てることにも力を入れ、自然療法も選べる動物病院を増やしたいと考えているんです。私は西洋医学と自然療法などの代替医療の療法が存在し、治療方法を選べるという自由が大事だと思っています。自然療法の治療効果もばらつきはありますが、動物たちは西洋医学の薬で治療するより、苦しまないですむことが多いように感じます。医学が発達しても、治らない病気はどうしても残るでしょう。西洋医学だけで対処が難しい時、飼い主さんとできるだけ楽しく過ごしてもらい、最後はゆっくりと眠るように亡くなる……そんな幸せな生き方も選べたらいいと思います。こうした同じ考えを持つ動物病院が増えてほしい。そのために自然療法の普及に力を入れたいと考えているのです。

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