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井本 暁 院長の独自取材記事

井本稲毛動物クリニック

(千葉市稲毛区/稲毛駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR総武線稲毛駅北口から西小仲台へ続く小仲台坂通り。昔ながらの商店が残る通り沿いにあるのが「井本稲毛動物クリニック」だ。根っからの動物好きである井本暁院長が、2015年に開業。以来、犬、猫のほか、ハリネズミやウサギ、フェレット、ハムスターなどの小動物たちも数多く診療。中でも最近はハリネズミを連れてくる飼い主が非常に多いそうだ。そんな背景もあって、看護師たちにハリネズミに慣れてもらいたいと、院長自ら飼育。優しく抱きかかえるその仕草からは、井本院長の小動物への深い愛が感じられる。井本院長は、治療の選択肢をより広げるために、鍼治療や漢方薬など中医学も導入、その動物にとって最適な治療法を提供している。開業して1年、日々どんな思いで獣医療と向き合っているのか聞いた。 (取材日2016年3月18日)

動物の命に対する深い愛情と高い意識

稲毛に開業してからちょうど1年経ちますね。

開業以来、目の前の症例と向き合っているうちにあっという間に1年が経ちました。おかげさまで多くの飼い主さまに来ていただいています。開業して驚いたことがあるのですが、犬、猫に次いで、実はハリネズミを連れてくる方がとても多いのですね。ハリネズミは、体も小さくて鳴かない、吠えない、臭わないという特性を持っています。それに夜行性ですので、昼間、飼い主さまがいなくても大丈夫。日中、手がかからないので若い人たちの間で人気が高いですね。当院の看護師たちにもハリネズミに慣れてもらいたいと思い、私も飼っています。名前は「しめじ」さん。クリニックの非常勤スタッフとして時々出勤してもらっています(笑)。慣れてる子は首の後ろを持って爪を切ることができます。警戒して丸まる子は麻酔が必要な時もありますが。顔をくしゅっとさせると、またかわいいんですよ(笑)。自分で飼ってみて、流行る理由がわかりました。

地域的な特性は何かお感じですか。

この辺りはマンションも増えていて小さいお子さんのいるご家族も多く、情操教育という点から小動物を飼う方が多いですね。ハリネズミのほかに、セキセイインコや文鳥などの鳥類、うさぎ、フェレット、ハムスターなどです。小動物は吠えたり噛んだりということも少ないですから、小さなお子さんのいるご家庭では飼いやすいのでしょう。皆さん動物を大事にしておられて、小さな生き物の命に対する意識がとても高いと感じます。この子はこんな症状でこういった検査が必要で、場合によっては手術が必要などといったことをお話ししますと、「大事にしているのでぜひやって欲しい」と話す飼い主さまが多いです。こちらもその気持ちに応えて全力で行わなくてはと思います。

井本院長の診療方針をお教えいただけますか。

一言でいえば納得です。後で飼い主さまが「あの時手術しておけばよかった」とか「ああすればよかった」などと後悔されないように、ベストな治療法、ベターな治療法など複数の選択肢をご提案して、想定できるメリット、デメリットもすべてお話し、飼い主さまに納得していただくことが大切だと思っています。飼い主さまにもいろいろな事情がありますので、それぞれの方にご納得いただける獣医療を提供するのがわれわれの役目ではないかと。命に対する価値観も人によって異なりますし、家族の中でも違いますので、何か重要な決断が必要な場合は、家族で話し合っていただいて皆さん納得いただいた上で治療にあたるようにしています。

動物医療に有用な中医学

普段心がけていることはどんなことですか。

難しい専門用語や表現は使わず、小学生のお子さんでもわかるような説明を心がけています。以前、福岡の夜間救急動物病院に勤務していた時、重症の犬が運ばれてきたのですが、一緒に来た小学生のお子さんが自分のかわいがっているワンちゃんに何が起きたかわからなくてすごく不安がっていました。で、病状についてその子の目線に合わせてゆっくりと説明しました。診察後に「先生の説明すごくわかりました」と言われまして、それ以来、できるだけ噛み砕いてお話ししています。例えば腫瘍の摘出は、植物に例えて「根っこが広がっているから根っこごと取ることが大事」と表現したり、食餌の指導も「体にいいごはんの食べ方はこんな食べ方だよ」といった具合です。

こちらでは中医学にも力を入れていると伺いました

治療の選択肢を広げたいと思い、鍼と漢方薬を取り入れています。例えば椎間板ヘルニアの場合、手術か投薬かという二つの治療法に鍼・漢方が加わることで選択肢がより広がるわけです。以前、ヘルニアで後ろ脚がマヒしてしまったワンちゃん達が鍼治療で歩けるようになったケースもあり、治療成績がかなり良いのです。特に老齢の犬ですと手術は体力的に難しい場合もあります。もちろんMRIで画像診断を行って手術の方が良い場合は手術をします。漢方はエキゾチックアニマルの皮膚疾患、消化器系疾患、がんなどの治療にも有用です。最近は動物用漢方も開発されており、中医学の応用は広がっていくのではないかと期待しています。症例によって中医学の適用不適用はきちんと見極めた上で、中医学と西洋医学、両方のいいとこ取りをして、多様化する価値観に対応できればと考えています。

井本院長は動物救急医療のご経験もあるとのことですが。

はい。大阪で二次診療機関、福岡で夜間救急病院に勤務していました。二次病院では、心臓外科チームの麻酔担当も経験してきましたので、犬や猫はもちろん、エキゾチックアニマルの手術の際の麻酔には自信があります。夜間救急病院での経験も、現在の診察にとてもいかされています。一次病院では重篤な疾患を診る機会は夜間救急病院と比べて少ないと思うのですが、これまで様々な重篤な症状・症例に遭遇してきた経験があります。ですので、ここに緊急でやってきた動物たちの病状判断、例えばこの状態なら大丈夫、この状態なら緊急手術が必要、といった危険度を察知するアンテナは鋭いと思います。

どんな要望にも応える究極のプライマリケアをめざして

地域での医療連携はどのような体制になっていますか。

ここで対処できない重篤な場合は大学病院など二次病院をご紹介しています。また近隣の動物病院には整形外科や腫瘍といった専門的な診療を得意とする先生方がおられますので場合によってはそちらをご紹介しています。逆に近隣の先生方からエキゾチックアニマルを紹介してくさる事も増えてきました。来院された飼い主さまや動物たちの状況によって、でき得る限りのご提案をしたいと思っております。

これまでで心に残ったエピソードはございますか。

開業してから行った高齢のウサギさんの手術は印象に残っています。その子は子宮から出血してしまったウサギさんでした。開業し、自分が院長となった事で改めてじっくりと飼い主さまと向き合いお話する事ができ、その結果ご家族皆様のご希望で当院での手術となりました。その子はとても大事にされ、ご家族皆様から愛されているのだなと実感し、とても嬉しくなしました。もう一つは卒業後研修医になって6ヵ月くらい、まだ獣医師としては新人だった頃のことです。痙攣を起こした高齢の犬が救急で運ばれたのですが、その時、初めて自分ひとりで診断から治療まで担当しました。治療後には飼い主さまから「助けていただいてありがとうございます」という言葉をいただいてとても感動したことを覚えています。そうしたお礼の言葉が大きな原動力でもあり、獣医師をやっていてよかったと思う瞬間です。

では最後に今後の展望をお聞かせください。

犬や猫はもちろん、エキゾチックアニマルへの獣医療のスキルアップもさらにめざしていきたいと思います。特に鍼や漢方といった中医学の応用も広げていきたいですね。中医学は、現在では、皮膚疾患や泌尿器疾患、腫瘍、神経系疾患などに対する成績が良いですが、より幅広い疾患への応用を探っていきたいと思います。ここ稲毛の町には多くの方がいろいろな小動物と一緒に暮らして、そういった方のご要望に何でも応えられる、何でもできるホームドクターとして、究極のプライマリーケアを提供していきたいと思います。

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