動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル。
獣医の診療方針や人柄を独自取材で紹介。好みの条件で検索!
街の頼れる獣医さん 921 人、動物病院 9,796 件掲載中!(2024年04月19日現在)

伊藤裕行 院長の独自取材記事

ACプラザ苅谷動物病院 市川橋病院

(市川市/市川駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR総武線で江戸川を越えて最初の駅・市川駅にある「ACプラザ苅谷動物病院 市川橋病院」は、地域の中核病院として機能している動物病院だ。24時間体制と専門知識豊富な獣医師陣の所属により、多くの飼い主とペットが通っている。各分野の専門家が勤務しているため、犬や猫といったオーソドックスな動物から、ハムスター・フェレット・モルモットといった小動物まで、幅広く診察を行っていることも魅力のひとつだ。診療に関することはもちろん、待合室に設置されたペットシートなどにも、病院全体の細かい気配りがうかがえる。いわば「動物の総合病院」ともいえる市川橋病院について、そしてご自身の診療スタンスや今後の展望について、院長である伊藤裕行先生にお話をお伺いした。 (取材日2015年3月31日)

できるだけ長く、快適に生きられる治療を

まずは、先生のご経歴からお話いただけますか。

北海道にある酪農学園大学を卒業した後、一度製薬会社に勤めました。その後他の動物病院で獣医師として勤務をしてからACプラザ苅谷動物病院に入りました。最初に勤めたのは東京都江戸川区の葛西橋通り病院で、その次に江東区の三ツ目通り病院に移り、その後こちらの市川橋病院に来ています。院長になったのは2012年ですね。他の病院や獣医師でもそれぞれ専門知識を持った方がいらっしゃいますが、ここは内科・外科・循環器科・皮膚科・腫瘍科・神経科・行動学・泌尿器・消化器・血液など、特に幅広い分野の専門家が集まっていることが強みだと思っています。

先生が獣医の道を志されたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。

小さい頃は自分の家で動物を飼育していなかったのですが、近所にあった母方の実家に親戚一同で集まる機会が多くて、そこに犬・猫・鳥がたくさんいたので、自然と動物と一緒にいましたね。どうしてかよくわからないのですが、みんな何故かよく懐いてくれて。それが当たり前すぎて、「どうして我が家では動物を飼育していないのだろう」と思うくらいでした。小学校のときにハムスターをつがいで買ってもらい、子供が生まれたりすぐ死んでしまったりするのを見て、命の大切さやはかなさを感じました。ハムスター自体も2年程度しか生きられない生き物ですから、老化による変化を感じやすく、「若い頃はああだったのに」なんて思うこともありましたね。その次に猫や犬を飼育し、そのあたりから「動物の気持ちを理解して、命を助けられる仕事をしたい」と思い、獣医師になろうと考えました。

先生は長く獣医師としてお勤めでいらっしゃいますが、昔と比べて、考え方の変化などはおありですか?

獣医師になりたての頃は、「入院させるのが一番いい治療」だと思っていました。しかし、入院しても治らず亡くなっていく動物も見てきたし、猫は特に環境の変化によるストレスで病状が悪化することもよくあります。無理に入院させるより、住み慣れた家で治療をしたり、飼い主さまと一緒にいて安心できたから良くなったという例も見てきました。ですから「健康なことが一番だけれども、病気になったとしてもできるだけ快適に過ごせるようにすることが大切だ」と思うようになりましたね。そのためには、早い段階で病名まではっきりさせて治療することが大切だと思っています。例えば「肝臓にしこりのようなものができているので、この薬を飲ませましょう」というのもありだと思いますが、そのしこりが何なのかを明確にして治療をすることが望ましい、と。全ての病気ですぐ病名がわかるわけではありませんが、そこを目指していきたいと思っています。また、命に関わることが予測されるときは、できるだけ早くそういう状態であることを伝えて、飼い主さまと動物が最後の時間を悔いなく過ごせるようにお手伝いしたいですね。

飼い主も治療チームの一員

次に、こちらの病院についてご紹介いただけますでしょうか。

診察の他に、トリミング・ペットホテル・しつけ教室を行っています。診察動物は主に犬・猫・ウサギ・ハムスター・フェレット・モルモット・鳥類です。爬虫類についてはより詳しい専門の病院へ紹介するようにしていますが、もちろん緊急のときはこちらでも診察しています。内科・外科・循環器科・皮膚科・腫瘍科・神経科・行動学・泌尿器・消化器・血液など、さまざまな分野を得意とする獣医師が集まっていますので、より良い治療を提供できる場所であるというのが強みです。また、当院は24時間体制で診療を行っています。24時間体制の病院は少しずつ増えてきましたが、飼い主さまたちにも安心して治療を受けていただけているようです。他には、各分野の専門医によるセミナーや、飼い主さまへのカウンセリングなども行っていますので、ご興味があればぜひご参加ください。

病院名にもついている“アドバンストケア(一歩進んだケア)”について教えていただけますか。

病院側の考えや治療を押し付けるのではなく、飼い主さまにも治療チームの一員になっていただくという考え方でやっています。やはりそれぞれの事情がありますから。例えば「毎日この時間に薬をあげてください」という治療をしようとしたとしても、飼い主さまが「仕事上不規則な生活なので、それはちょっと難しいです」というようなこともよくあります。そういうときは、より飼い主さまが行いやすい治療に換えるなどです。他にも金銭的なこともありますし、「嫌がって薬を飲んでくれないんです」といった細かいことも聞いてアドバイスしています。特に、治療が長くなる場合はそういった飼い主さまの同意、いわゆるインフォームド・コンセントが得られないと続けられなくなってしまうことがあるんです。それは飼い主さまにとっても動物にとっても良くないですよね。それに、動物とは直接話せませんから、一番その子のことをよくわかっている飼い主さまとお互いに相談しあって、理解しあうことが大切だと考えています。

今後、市川橋病院について、どのような面を発展させていきたいとお考えでしょうか。

少し前から再生医療・細胞療法の分野に興味を持っていまして、近い将来からこれら治療の実施が可能となる予定です。今後この病院の特色の一つにしたいと考えています。今まであった化学療法や外科療法なども引き続き取り扱いますが、今後は活性化リンパ球療法や樹状細胞療法、脂肪幹細胞療法といった、より動物の体に負担がかかりにくい治療ができるようになっていきます。人間の医学でも少し前にES細胞やiPS細胞などで話題になったことがありますが、それを動物に応用するようなイメージですね。

良いといわれていることを積極的に取り入れ、さらにハイレベルな病院を目指す

先程お話に出てきた、活性化リンパ球療法・樹状細胞療法・脂肪幹細胞療法について、もう少し詳しくお話しいただけますか。

活性化リンパ球療法は、例えばがんの治療をするときに使います。がんになるとリンパ球など体の中の免疫力を下げられてしまうので、リンパ球を体外で増やして体に戻し、抵抗力を強めるという治療です。樹状細胞療法も同様で、がん細胞を認識させた樹状細胞やリンパ球を体に戻し、抵抗力を強めるのが目的になります。脂肪幹細胞療法というのは、幹細胞といういろいろな細胞にもなりうる細胞を脂肪組織から取り出し、体外で培養した後、体に戻すという治療方法です。こういった治療法は、椎間板ヘルニアによる神経障害に伴う歩行障害などの他にも自分の免疫力が過剰になってしまって起こる自己免疫疾患に有効なデータがあります。自己免疫疾患とは、例えばリウマチやアトピーなどが代表例ですね。幹細胞を体内に戻すことによって組織修復がなされたり、過剰となった自己免疫を抑え、病状の改善ができる可能性があるんです。これは幹細胞のフォーミングという作用や免疫抑制作用を利用しています。フォーミングとは体の中の障害がある部分に集まる作用のことです。

個人として、また病院として、今後の目標などあればお聞かせください。

個人としては「一次診療における究極のジェネラリストを目指したい」と思っています。もちろん人間なので得意不得意はありますが、どんな分野でも知識をつけて克服していきたいですね。幸い、ここには各分野の専門家がいるので、自分が苦手なことはうまく連携を取ったり、教えてもらったりできます。病院としての目標は少しあいまいになってしまいますが、今後も「良い」といわれている治療法を積極的に取り入れていきたいと思っています。引き続き専門家を増やしたり、さらに教育を行うことで病院全体をより高いレベルに持っていきたいと考えております。

最後に、飼い主の方へのメッセージをお願いします。

飼い主さまの声を大切にし、動物とよりよい時間をできるだけ長く過ごせるように、ということを第一に考えていますので、細かい要望や不明な点も遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。今後も病院だけ、獣医師やスタッフだけでチームを作って治療していくというのではなく、飼い主さまにもその中に入っていただいて、より良い治療を目指していきます。最後の最後まで、飼い主さまと動物達が楽しい時間を過ごせるよう、お手伝いいたします。

動物病院ドクターズ・ファイルは、首都圏を中心としてエリア拡大中の獣医師・動物病院情報サイト。
路線・駅・行政区だけでなく、診療可能な動物からも検索できることが特徴的。
獣医師の診療方針や診療に対する想いを取材し記事として発信し、
ペットも大切な家族として健康管理を行うユーザーをサポートしています。

掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ギミック、または株式会社ウェルネスが調査した情報をもとにしています。
出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。
掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。
当サービスによって生じた損害について、株式会社ギミック、および株式会社ウェルネスではその賠償の責任を一切負わないものとします。
情報に誤りがある場合には、お手数ですがお問い合わせフォームより編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

TOP