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伊藤政史 院長の独自取材記事

マーシー動物病院

(市川市/妙典駅)

最終更新日: 2023/01/22

「飼い主さんが話しやすいような雰囲気づくりを心がけています」と話すのは、東京メトロ東西線妙典駅から徒歩8分の「マーシー動物病院」の伊藤政史院長。有言実行な人だということは、会話中に常に笑顔と穏やかな口調を絶やさない姿を見れば納得する。伊藤院長が同院を開業したのは1997年。2015年5月には数件隣の土地に建てた新たな施設で治療をスタートさせた。動物に負担をかけないようにすることを心がけ、動物に慣れているスタッフであっても動物の抱え方や保定の仕方の練習をするという。命と医療に対する真摯な姿勢に頭が下がる。伊藤院長に、治療での心がけや難しさについて伺った。 (取材日2015年11月13日)

動物に負担をかけないよう、スタッフも練習と経験を積む

同院のペット層を教えてください。

患者さんの9割は、犬か猫の飼い主さんです。それぞれの割合はほぼ半分。来院理由は、下痢や嘔吐、皮膚病などが多いですが、ペットの高齢化に伴って腫瘍を診ることも増えました。また、最近では意識が高まった患者さんが口の中もしっかりチェックするようになりましたので、口の中の臭いに加え、出血や腫れといった異常に気付いて来院する方も多いです。食べられなくなるまで口腔内の疾患を放っておく飼い主さんは、最近はほとんどいませんね。手術で多いのは避妊・去勢と、歯周病治療のための歯科処置です。手術室にはレントゲンを完備し、術後にすぐに撮影できる体制をとっています。エキゾチック動物で多いのは、鳥、ハムスター、ウサギ。鳥は、飼い始めてすぐは寄生虫やカビを持っていることが多いんですよ。早めに診断ができれば治療をすることが可能ですので、まず飼いはじめたら獣医師に診せるのがいいでしょう。診察では身体・糞便検査をします。

スタッフも多いようですが、よい医療提供にあたって日頃から共有していることはありますか。

2人の獣医師を含め、看護師やトリマーなど合計7人で日々の診察にあたっています。みんなで努力しているのは、「患者さんに気を利かせる」「話しかけて和やかに」「動物に負担をかけないようにする」ということ。動物の負担軽減のためには話しかけてあげることも大事ですが、抱き方や保定の仕方というのもポイントになります。診察台の上に置かれた動物は落ち着かないもの。安心させてあげるためにも、上手に扱ってあげることや押さえてあげることが重要なのです。ですから当院のスタッフは最初に練習をしますし、少しでも多くの動物と触れることで早く慣れるようにしています。また特に私自身の心がけとしては、患者さんに威圧的な態度にならないようにすることでしょうか。獣医師に対して患者さんが言いたいことを言えないと、よい治療はできませんからね。どうしても畳み掛けて話してしまうこともあるのですが、なるべく言いやすい雰囲気を作るように努力しているつもりです。

ホテルやトリミングは、日頃通っている患者さんでなくても利用可能ですか。

基本は患者さんを対象としていますが、初めてホテルを利用する方には事前に診察をさせていただき、健康状態をチェックします。動物病院のホテルを利用する方は、「安心だから」という理由で預けることが多いようですね。実際に当院では、預かっている間にも動物の健康状態をチェックするようにしています。

先入観を捨て、目の前の動物を客観的に診る

開業して19年目の今年、移転されたと伺いました。

当院は1997年、ここから数件隣の場所でスタートしました。私は東京・町田の出身なのですが、江戸川区などに勤務していたことがありますので、この辺りはまったく縁がない場所ではなかったんです。以前から住みやすそうだなと思っていましたし、ペットも飼い主さんもいい方が多かったので、ここでの開業を決めました。今年5月の移転で、院内を以前より広くしました。特に待合室。狭いとワンちゃん同士が吠え合ってしまい、患者さんにも動物にも申し訳ないとずっと思っていたんです。空間がゆったりしたことで、前よりは落ち着いて待っていただけていると思います。内装では、動物病院っぽくない雰囲気をめざしました。

長いご経験をお持ちですが、そんな院長でも治療の難しさはありますか。

日々感じていますね。同じ病気でも個体によって治療はぜんぜん違う。「この病気ならこの治療をやっておけばいい」というものはないんです。だから、先入観で診ないように心がけています。経験を積めば積むほど、つい「この場合はこうだ」と決めてかかってしまいがちなんですよね。そうすると、見逃したり客観的に診ることができなくなったり、決め込んだ事実と反することがあっても目をつぶろうとしたり。そういうことはあってはならないと思うんです。患者さんごとに違うのだという思いを常に持って、治療にあたっています。

目の前の患者さん一人ひとりに向き合ってきた中で、どんな時にやりがいを感じますか。

治った患者さんに感謝された時や、ペットが亡くなった後でも新しいワンちゃんを連れて来てくれた時は、うれしく思える瞬間ですね。ペットの寿命が伸びているとはいえ、ペットが亡くなることは避けられません。亡くなると、飼い主さんは「自分が悪かった」と自らを責めてしまうこともあるんです。そういう時は「そうじゃないんですよ」とお伝えしますが、人生経験が少ない私は当たり前のお悔みしか言えないこともあります。だから、立ち直って新しいペットとまた再び明るく通院してくれると、この仕事のやりがいを感じますよね。

突出ではなく、苦手がなく「穴がない」獣医師をめざす

院長は、なぜ獣医師をめざしたのですか。

子どもの頃から動物が好きで、動物に関連した仕事に就きたいと思っていました。昔は犬や亀、捕まえてきたカブトムシやヤドカリなど、いろんなものを飼っていましたよ。親が特別動物を好きだったということではなく、むしろ犬を飼う時には父親に反対されたほど。それでも小さい頃から自分で動物の本を買ってきては、動物の生態などを勉強していました。でも、動物病院にとりわけいい思い出があるわけではないんですよ。小学校の頃に飼っていた犬がフィラリアで死んでしまったことがあったんです。血を吐いて、とてもつらそうな死に方をしました。先生は親にしっかり説明したのかもしれないのですが、子どもだった私はほとんど記憶になく……。そんな感じですから、獣医師に憧れるどころか恨む気持ちすらあったかもしれません(笑)。それでも、大学進学にあたって高校の先生に動物関係の仕事について相談するうちに、獣医師だと可能性を広げられるということで選択しました。

大学時代はどのように過ごされたのですか。

サッカーばかりやっていました(笑)。1試合に10キロくらい走ることもあるハードな運動ですが、ドリブルで抜いたりシュートを決めたりしたときの快感は最高ですね。大人になってからはフットサルを始めたのですが、毎回のようにけがをして(笑)。あまりに仕事に差し支えるのでフットサルはやめて、今はゴルフをしています。

最後に、今後の展望をお願いします。

私は、専門医ではなく町のかかりつけ医でありたいと思っています。つまり、すべてにおいて「穴がない」ようにしたいのです。苦手なことがないように、ということですね。新しい治療法はどんどん出てきますから、今でも常に勉強し続けています。もちろん新しい治療が必ずしもいいとは限りません。でも、知っていて選択しないのと知らないで選択しないのでは意味が違う。患者さんには治療の選択肢を用意する必要があります。また、難しい症例でも、全ての方が大学病院などの二次診療機関へ通えるわけではないので、自分でできる範囲を広げるように日々努力しています。患者さんの考えや環境に合わせて選んでいただけるようにするのが私の役目だと思うからです。そんなかかりつけ医として、これからも地域の患者さんを見守っていきたいと思っています。

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