動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル。
獣医の診療方針や人柄を独自取材で紹介。好みの条件で検索!
街の頼れる獣医さん 918 人、動物病院 9,832 件掲載中!(2024年03月29日現在)

周藤行則 院長の独自取材記事

浦安中央動物病院

(浦安市/浦安駅)

最終更新日: 2023/01/22

浦安に開業して30年。ペットを救いたいという強い思いで走ってきた周藤行則先生が院長を務めるのが、「浦安中央動物病院」だ。犬猫を中心に、うさぎやハムスター、鳥やカメなどのエキゾチック動物の診療も行っている。避妊去勢や腫瘍摘出などの外科手術や、細胞診、がん治療など、高いレベルの治療を迅速に提供してくれるのがうれしい。「一匹でも多くの動物たちを、とにかく助けたい」と語る周藤院長。妥協はせずに、飼い主とともに全力で病気と闘っていきたいと願っている。そんな周藤院長の真剣な思いと、常に勉強を怠らないという真摯な姿勢。そして、「動物のお医者さん」というイメージにぴったりな優しい笑顔から、長年地域患者からの信頼を得ている理由が垣間見えた。 (取材日2015年6月29日)

外科と内科の両輪を持って、より多くのペットたちを救っていきたい

2015年にクリニック名を変更したそうですね。

「すとう動物病院」として開業して約30年が経ち、これまで以上に幅広く、かつきめ細かい医療を地域の皆さんにご提供していきたいという決意表明の意味で、クリニック名を「浦安中央動物病院」に変更しました。開業当初は、一般的な地域医療を行う動物病院であった当院ですが、勤務してくれているドクターたちのおかげで、より多くの動物やさまざまな病気に対応することができるように。例えば、エキゾチック動物の専門病院で勉強しながら、当院でも外来を担当しているドクターがいてくれることで、犬猫だけでなく、うさぎやハムスター、鳥類、カメなど、エキゾチック動物の診療も可能となりました。また、高度医療に携わってきたドクターのおかげで、これまでは大きな病院に紹介せざるを得なかった子たちも、当院で救えるようになったのです。

新しくできるようになった高度医療についてお聞かせください。

当院には、病気の原因を診断する「細胞診」ができる藤野泰人先生がおります。そのおかげで、診断スピードが圧倒的に上がりましたね。例えば、これまでは当院で検査を行った後、検査センターにて調べていただき、約一週間後に検査結果をフィードバックしてもらうという流れでした。しかし現在は、診療中にその場で検査結果を出すことができるので、迅速に治療を進めることができるようになったのです。また、抗がん剤の使い方においても、決まりきった教科書通りの使い方ではなく、それぞれの体調や治療効果に即した処方ができています。ペットたちにより負担がなく、効果の高いきめの細かいがん治療が可能となりましたね。ドクターの技量一つでできることは無限大なのだと、藤野先生に出会って改めて実感することができました。私は、医療において外科と内科は車の両輪のような関係性だと思っています。一方の車輪だけが大きい車は、その場でクルクル回ってしまい前には進めませんよね。外科と内科も同様です。どちらかに偏っていては、前に進む医療はできない。外科出身の私と、内科出身の藤野先生が力を合わせることで、さらに多くの命を救っていけるクリニックをめざしていきたいです。そして、副院長の周藤明美先生は全国にまだ4人しかいない「犬アトピー・アレルギー免疫学会 技能講習履修獣医師」の資格を取得しました。これにより、アレルギーの治療もより一層力を入れていこうと考えています。がんは中〜高齢のペットに多く、アレルギーは若齢のペットに起こりやすい病気です。がん治療とアレルギー治療、それぞれを得意とする獣医師がそろっていることで、大切なペットを生涯を通して当院で診療できる体制が整いました。

先生は外科のご出身なのですね。

鳥取大学を卒業後、東京大学の外科学教室で研究生をしていました。現在でも、避妊去勢や腫瘍摘出、歯石取りなどをメインとした外科手術を行っています。クリニックでの外科手術を通して感じることは、動物の医療を、人間の医療と同じように認識している飼い主様が多いということ。例えば歯石取りの場合は、人間でしたら歯科医院で麻酔をかけずにすぐにできてしまいますよね。そのため、避妊去勢手術の際に、「ついでに歯石も取ってください」とおっしゃる飼い主様が多いのです。しかし、動物の歯石取りは麻酔を用いる大がかりな手術。治療を分割して行える人間の歯科治療とは異なり、単に歯石を取るだけでなく、抜歯や歯根膿病の治療など、麻酔ができる1回のチャンスですべての治療を済ませなければいけません。15分ほどで終了する避妊去勢手術に比べて、歯石取りは30分から1時間ほどかかってしまう手術なのです。このように、人間の医療では当たり前のことであっても、動物には高いリスクを背負ってしまうことも多いのですよ。だからこそ、飼い主様にも動物の医療をしっかりとご理解いただけるよう、日頃からご説明は欠かさないように心がけています。

とにかく助けたい。動物を救うことを最優先にした診療

長年の獣医師経験から感じる、動物医療の流れについてお教えください。

個々の犬種によって、かかりやすい病気というものがあります。例えば柴犬ならばアトピーや膝の脱臼、プードルやシーズー、ダックス、フレンチブルドッグはアトピーやアレルギー、チワワなら心臓病、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーは高齢化に伴う腫瘍など。そのため、その時々で変わっていく流行病や、新種の登場などによって、必要な知識は変化していきます。これまでに得た知識は、どんどん過去の遺産となっていってしまうのです。だからこそ、経験に甘んじることなく、新しい知識を貪欲に学んでいかなければいけないと思っています。決して、30年間の獣医師経験があるからといって、優秀だというわけではないのです。何十年の経験があろうと、目の前のペットはどんな病気を持っているのかということを、真っ白な心で診ていくことができなければ、誤診につながってしまうと考えています。そのため、常に新しいことを学んでいける獣医師でありたいと思っています。

では、今先生が最も注目している病気はありますか?

血液疾患ですね。これは、お薬や手術などで治療できる病気とは異なり、治療法は輸血を含めた治療が必要です。しかし、日本には動物の血液バンクが存在しないのです。検査技術や治療法は日々進化しているにも関わらず、肝心の治療に必要な血液がないために、日々命を落としている動物たちがたくさんいるのです。現在は、献血をしてくれたペットたちの写真を院内に掲示し、協力してくれる元気なペットたちによる輸血で助けられている状態です。さらに、より多くの血液を集めるために、千葉県獣医師会で献血システムを検討する委員会を発足しました。そうして、少しずつでも献血ボランティアのネットワークを広げていくことで、少しでも多くのペットたちを血液疾患から救っていきたい。私の最後のライフワークとして、この活動に力を注いでいきたいと考えています。

先生は、何より「ペットを救う」ことを第一に考えてらっしゃるのですね。

私が獣医師を志したのは、父の「困った動物を救ってあげなさい」という遺言がきっかけでした。その約束を守るためにも、「1匹でも多くの動物たちを、とにかく助けたい」。例えば、がんになってしまった子の飼い主様の多くは、「苦しませたくないから、抗がん剤治療をしないで楽に寿命を迎えさせてあげたい」とおっしゃいます。しかし、動物の抗がん剤は人間の抗がん剤よりも苦しいものではありません。また、小さな出来物ができたとき、「手術は可哀想だから放置する」という選択を取られる飼い主様がいらっしゃいます。しかし、放置してしまえば取り返しのつかないほどに悪化してしまう出来物もあるのです。私は、そんな飼い主様が持つ固定概念を払拭できるように努めていきたいと考えています。「病気と闘っていこう」と思っていただけるように、ペットたちを救うための選択肢を第一に提示していきたいのです。一匹一匹に丁寧に向き合い、飼い主様への説明も大切にして診療していますので、診療に時間がかかり、待ち時間が長くなってしまうことがあります。お待たせしてご不便をおかけしてしまうかもしれませんが、大切なペットたちの命のためですので、ご理解いただけたら幸いです。

常に前に進むために泳ぎ続ける、清流の鮎でありたい

話は変わりますが、休日はどのように過ごされているのですか?

ロータリークラブに行ったり、地域で講習をしていたり。リフレッシュとしては、最近ゴルフをはじめました。近所の練習場で練習をしています。体を動かすことは何よりの気分転換になりますね。しかし、ほとんどの休日はクリニックの事務仕事をしたり、学会に参加したりと、仕事をしていることが多いです。仕事をすることは好きですし、学会ではたくさんの先生方と意見交換ができて楽しいですよ。

診療の際に気を付けていることは何ですか?

飼い主様一人ひとりの思いを汲み取り、しっかりとコミュニケーションを取ることで信頼関係を築いていきたいですね。まずは私自身が飼い主様ときちんと向き合っていくことで、飼い主様も大切なペットを任せようと感じてくれるのではないかと思うのです。飼い主様が心を開いてくれることで、ペットも自然と私を信頼してくれるのですよ。診療の際には、急にペットを触ることはしません。まずは、飼い主様と楽しく会話をすることで、ペットにも「お母さんが笑っているから安心していいんだ」と思ってもらいたいのです。当院は、診療台ごとに壁を設けていないため、逃げようと思えば簡単に逃げられるのです。それでもみんないい子で診療を受けてくれるのは、逃げなくていいのだという安心感を持った上で診療を進めているからだと感じています。

今後の展望をお聞かせください。

当院のドクターは全員、病気と真正面から闘っていきたいという思いを持っています。今後、もっともっとその願いを叶えていくためにも、同じ想いを持ったスタッフを増やしていきたいと考えています。そして、地域に住む健康なペットたちにも気軽に遊びに来てもらえるような環境づくりをしてですね。診療時間にはなかなか忙しく、そういったペットたちとゆっくり触れ合うことができないので、休診時間も利用していきたいと考えています。また現在、地域の方々へ向けて講演をする機会や、ロータリークラブでさまざまな職種の方々とお話しをする機会があって。私は、そういった場が大好きなのです。自分の肩書を下ろして、単純にお話しを楽しむことで、ペットの健康への関心を高めていただくきっかけが作れればうれしいですね。私は常に、「清流に住む鮎」でありたいと思っています。流れに身を任せていたら、あっという間に下流に流されてしまう。前へ進むために、泳ぎ続けていたいのです。飼い主様やペットたちのために、少しでもお役に立てると感じられるうちは、精一杯尽くしていきたいと願っています。

動物病院ドクターズ・ファイルは、首都圏を中心としてエリア拡大中の獣医師・動物病院情報サイト。
路線・駅・行政区だけでなく、診療可能な動物からも検索できることが特徴的。
獣医師の診療方針や診療に対する想いを取材し記事として発信し、
ペットも大切な家族として健康管理を行うユーザーをサポートしています。

掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ギミック、または株式会社ウェルネスが調査した情報をもとにしています。
出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。
掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。
当サービスによって生じた損害について、株式会社ギミック、および株式会社ウェルネスではその賠償の責任を一切負わないものとします。
情報に誤りがある場合には、お手数ですがお問い合わせフォームより編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

TOP