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松浦寛治 院長の独自取材記事

まつうら動物病院

(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)

最終更新日: 2023/01/22

茅ヶ崎駅から車で約10分。「まつうら動物病院」は2010年の開院以来、犬、猫、うさぎなどの動物の飼い主から、大きな信頼を寄せられてきたクリニックだ。院長の松浦寛治先生は、診療方針として、家族の一員でもある動物の健康を飼い主と一緒に考えることを第一に掲げている。医療の進歩によって動物が従来よりも長生きすることが可能になった一方で、中高齢の介護など、飼い主が向き合うべき新たな課題が生まれている。一次診療を行うかかりつけの獣医師に求められているのは、検査や手術だけでなく、病気発症のリスクを低減する予防や日頃のケアに至るまで、診療の選択肢をきちんと飼い主に提示できるかどうかだと語る。自身でも8匹の猫を飼っている猫好きということもあり、野良猫・飼い猫の区別なく、避妊去勢手術にも力を入れているのも特徴。公園などの管理者やボランティア団体、個人からの要請も多いという松浦先生に、詳しい話を伺った。 (取材日2015年8月18日)

すべての患者を受け入れること。それが一次診療を行うかかりつけの獣医師の役目

とても明るい印象の院内ですが、待合室や診療室のスペースにも余裕がありますね。

はい。このクリニックは5年前に開院したのですが、テーマカラーをオレンジにして、院内もできるだけ広く、開放的にしたいと考えて作りました。診療室もかなりスペースに余裕があります。ただ、猫の場合はあまり開放的なのは好まない子も多いので、少し狭い診療室もあります。患者の動物だけでなく、飼い主さんの心配を少しでも軽減できればと思い、すべてのドアには小窓を設けて、中の様子が外からでもそれとなく感じられるようにしています。

治療方針として、大切になさっていることは何でしょうか?

ここは一次診療を行うかかりつけの動物病院ですので、犬や猫、うさぎなど、さまざまな怪我や病気を抱えた動物が来院します。症状の重い子もいれば、先天的な病気を抱えた子など、さまざまですが、まずはすべての患者さんをきちんと受け入れることを念頭に置いています。診察の結果、より専門的な治療が必要になった場合には、大学病院や高度医療センターなどの二次診療施設にご紹介する場合もありますが、検査や手術にきちんと対応できるようにし、常に新しい機材を取り入れて万全な体制を敷いています。大切なことは、治療方針はこれしかないと決めつけて、それを患者さんに押し付けてしまわないこと。かかりつけの獣医師の役割は、病気や怪我の症状はもちろんのこと、それを特定するための検査、治療方法、治療後のケア、さらには予防に至るまで、診療の選択肢を飼い主さんにきちんと提示することだと考えています。決めるのは、あくまでも飼い主さんご本人。そのためには、私は難しい専門用語ではなく、飼い主さんにわかりやすい言葉で説明し、理解していただくことを心がけています。

開院されてから5年とのことですが、来院される動物はどのような傾向でしょうか?

犬と猫が中心で、その次にうさぎという感じですね。最近は大型犬よりも小型犬を飼われている方が多いようです。例えば小型犬の場合は膝蓋骨の脱臼、中高齢になってくると心臓や肝臓などの内科疾患で通われるケースも出てくるようです。昔は戸外で飼われていましたが、現在では人間と一緒に屋内で生活していることがほとんどですので、ストレスに起因する病気になる子もいますね。また医療の進歩によって、犬も猫もずいぶん長生きするようになりました。それに伴って中高齢の動物のケアや病気にどう向き合うかが、新たな課題になってきていますね。家族の一員として迎えた以上、最期の最期まで看取ってあげなければなりませんが、それは決して簡単なことではありませんから。当院で治療を開始した動物だけでなく、治療中に他院から転院された動物も、病気あるいは寿命で最期を迎えてしまった際に、当院に対するねぎらいの言葉を頂けることが多くあります。そしてそれは飼い主さんに当院の治療方針を納得していただけた結果だと思います。人間よりもはるかに短い命ではありますが、家族の一員である大切な動物を最期まで治療させて頂けたということに、感激しております。

小学生の時に飼っていた犬との別れを思い出して、獣医師の道へ

そもそも、先生が獣医師になろうと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

家族や親戚に、医療関係者がいたわけではありませんが、人のために役立つ仕事として、医師になりたいという漠然とした気持ちはありました。高校2年生になって、進路を最終的に決めなければならなくなった時に、人間ではなく動物の方に方針を転換したというのが実情です。理数系は得意ではあったので、そこから獣医師をめざして勉強することになりました。思えば、幼い頃から、実家には犬がいました。小学5年生の頃には、野良猫を拾って家に連れて帰り、自分で世話をして飼うことにしたのですが、その子が白血病と腎臓病を患い、死んでしまいました。自分では何もできず、助けることができなかった虚しさ。それをずっと引きずっていたのかもしれませんね。麻布大学の獣医学部では、内科系を中心に学びました。卒業後は神奈川県内と東京都内の動物病院に勤務しながら、研修を続け、5年後に自分のクリニックを開くことにしました。

この茅ヶ崎に開院された理由は、何でしょうか?

私が生まれた町が茅ヶ崎だったのです。とはいえ、すぐに他に引っ越してしまいましたが、祖母がずっと住んでいたので、縁があったということですね。そして茅ヶ崎は気候も住んでいる方も暖かく、大好きな海が近いため、子供を育てるにも動物と暮らすにも、とてもよい環境だと思います。ですので、以前よりこちらにと決めておりました。幼いころから動物が大好きで、今はうちの猫8匹に癒されながらほんわか暮らしています。また、小さい子供もいるので、動物と一緒に暮らすことは情操教育にも良いかなと思っており、今後、大型犬も迎え入れたいと思っています。大型犬というと、子供のころに馴染みのあったゴールデンレトリバーに縁があるといいですね。(笑)

待合室の壁には、保護犬や保護猫などの情報が掲示されていますね。

保護活動をされている団体の方たち、迷子になってしまった動物の飼い主さんのために、スペースを自由にお貸ししています。せっかくペットとして迎えられた犬や猫が捨てられてしまっている事実、そして猫に関しては、飼い主のいない猫が外で繁殖してしまい増え続けてしまう事実がありますから、1匹でも命を救うことができればと思いできるだけ協力しています。飼い主のいない猫のTNR活動というのを聞いたことがあるでしょうか。Tはトラップ、つまり罠で捕まえること。Nはニューター、つまり避妊去勢手術。Rはリターン。つまり、再び捕獲されても、手術済の有無が分かるように耳に印をつけて戻すことで、飼い主のいない猫が人間と共存できないかという取り組みです。公園などの管理者や活動を推進している団体、個人を問わず、依頼があれば、避妊去勢手術を受け入れています。茅ヶ崎市には、とても熱心で命に対して誠実なボランティアさんもいらっしゃるので不幸な動物がいなくなることを実現したいですね。

情報が氾濫するインターネット時代。大切なのは、こうだと決めつけないこと

クリニックの今後の展開などお聞かせいただけますか?

医療技術はどんどん進化しており、私たち現場の獣医師にもそれに対応した知識やスキルを習得する努力が欠かせません。現在は、私のクリニックでは獣医師は私一人で、スタッフはトリミングも行える看護師が2名という小さな所帯ですが、飼い主さんとの信頼関係をさらに大きく築けるように、努力していきたいと考えています。最近では、こちらに来られる前に動物の怪我や病気についてインターネットで調べて、その知識を持っていらっしゃる飼い主さんが多いですね。大切な動物の怪我や病気を心配される気持ちは、誰よりも分かっているつもりです。でも、インターネットにある情報だけを鵜呑みにすることはしないでいただきたいですね。病気の原因も遺伝的なものや後天的なもの、またその動物特有のものなど、さまざまです。それに対応する治療方法も、たくさんの選択肢がありますから、決めつけてしまうのは危険です。クリニックのホームページやブログでも、できるだけ情報を開示しますので、どうぞ参考にしていただければと思います。また診察の際にご相談頂き、適切な解決法を飼い主さんと共に導き出していければと思います。

最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします

動物の飼い主になるということは、同時に責任が生じるということはご理解いただけていると思いますが、未だに捨て犬や捨て猫が後を絶ちません。ただ単に可愛いというだけで飼うのではなく、家族として迎えた以上、健康な時も病んだ時も、その子の一生に寄り添って最期の日まできちんと看取ってあげてほしいです。狂犬病予防接種、混合ワクチン、ノミ・フィラリア予防はもちろんですが、飼い主様でないと気が付かない症状も多くある為、些細な症状でも心配を抱えたまま様子をみるのではなく、一度動物を連れて来て頂き、必要に応じた検査を実施しながら問題を解決していければと考えております。これからも、飼い主さんの大切な家族である動物たちに向き合い、皆さんの思いを大切にしながら、真摯に診療を続けていきたいと思っています。少しでも心配ごとがあれば、散歩のついでにでも、お気軽にご相談いただければうれしいです。

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