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浦野 貴美代 院長の独自取材記事

ハートランド動物病院

(佐倉市/中学校駅)

最終更新日: 2023/01/22

佐倉市内でも有数のニュータウンとして注目を集めるユーカリが丘。その宮ノ台の一角にある「ハートランド動物病院」。浦野貴美代院長は、小学1年の時、愛猫の突然の死を受けて獣医師になることを決意。日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)大学院獣医学科修士過程を終了。開業後も大学院に在籍し研究や論文・学会発表を重ね博士号を取得したという。浦野院長の研究によって、犬の栄養摂取の考え方が変わるなど、獣医学の発展に寄与した実績も残している。そんな研究者である一方、クリニックに飾る生花を毎日生け替えたりパッチワークを楽しんだりと女性らしい側面も持ち合わせている。そんな浦野院長に研究内容や獣医療への思いを聞いた。 (取材日2016年7月20日)

開業後も大学院で学術研究を続け博士号を取得

浦野院長が獣医師を決意したのは小学生の頃と伺いましたが。

はい。4歳の頃、道路で遊んでいた時にすごくやせ細った猫を見つけて、あまりにかわいそうだったので家に連れて帰ったのです。母親に飼う許可をもらい、「マリ」と名付けて飼い始めました。マリちゃんはとても頭が良くて、どこへ行くのにもチョコチョコついて来たり、ピアノを弾くとそばで聞いていたりしていました。小学1年生のある日、遠足から帰ってきたら母が泣いていて、理由を聞いたらマリちゃんが亡くなったと。マリちゃんはその前日、なぜかピアノの上にスズメ3羽、ネズミ3匹をきれいに並べていたことをよく覚えています。あまりにも突然の死だったので、私も泣きじゃくりました。その時、母が一言「動物のお医者さんに診てもらえばよかったね」とつぶやいたんです。それを聞いて獣医師になろうと決意したのです。

ここのユーカリが丘に開業したのはどんな理由があったのですか。

子どもの頃からパンダやコアラが好きで、獣医師になったら特にコアラを診たいと思っていたのです。で、いろいろ調べた結果、オーストラリアでは日本人獣医師の受け入れはないとのことで、コアラを診るのは諦めたのですが、せめてコアラに関連する場所で開業したいなと。この地域には「こあら号」というとてもかわいいモノレールも走っています。ですので、コアラつながりでこのユーカリが丘に決めました。開業は1994年ですから、もう22年以上になりますね。最初の頃は、ペットをコンパニオンアニマルとして捉える飼い主さんは少なかったですが、最近では家族の一員として可愛がる方がとても増えてきていますね。予防医療への意識の高い方も増えてきていると感じます。

経歴を拝見しますと、勤務医をした後、再度大学に在籍して研究を続けられてきていますね。

日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)大学院獣医学科修士課程を修了後、個人動物病院に勤務したのですが、獣医療全部を診られるジェネラリストをめざそうと大学病院に戻り全科を習得しました。その後も研究や論文発表などを続けるうち、ある企業から研究助成が認められ、犬のカルシウム代謝に関する研究を手がけました。というのも、勤務医時代、結石研究の世界的権威であるミネソタ大学のオズボーン先生の講演会を聞いて結石の面白さに魅了されました。その後、飼い主さんが煮干しを2~3匹食べさせていたら3ヵ月で膀胱内に結石ができた犬を診る機会があり、結石成分がリン酸カルシウムだったのです。その症例が世界的にも初めてだったこともあり、助成を受けることができ、犬のカルシウム代謝と結石形成について研究しました。この成果によって、今では犬にカルシウムを与えてはいけないと考えられるようになっています。

開業後に博士号を取得されたのですね。

開業後も、論文執筆や学会発表などで忙しく、診療もありますのでどうしようか悩んだのですが、やはり諦めずに博士を取ろうと決めました。博士課程では、犬に対する麻酔薬の投与と鎮静効果について比較検討するという研究をしました。当時、日本では麻酔はそれほど重要視されていませんでしたが、欧米では、麻酔によって鎮静化して治療の際の恐怖心やストレスを軽減することが重要と考えられていました。それで私も今後国内でも麻酔が重要視されると思い研究したのです。その結果2011年3月11日に博士を取得できました。東日本大震災の日でうれしかったと同時に怖くて、複雑な心境でしたね。

飼い主の心を癒やす明るい笑顔やきれいな生花

こちらの診療方針を教えてください。

一つは予防獣医療を重要視しています。病気にかからないために日常的なケアや健康診断に力を入れるとともに、生活習慣病の早期発見・早期治療に努めています。もう一点は、インフォームドコンセントをしっかり行うことです。病状については詳しくわかりやすく説明して、治療法についてもさまざまな選択肢を提示して飼い主さんに決定してもらっています。治療をスムーズに行うためには飼い主さんに理解、納得していただくことが重要と考えています。ふだんから話しやすい雰囲気を作って、飼い主さんのお考えなどをよく聞くことも重要ですね。

そういった飼い主とのコミュニケーションで大切にしていることはありますか。

まずは笑顔です。笑顔でお話しすると、飼い主さんも気持ちが和らいで、お話ししやすいと思います。飼い主さんはペットのことがとても心配で、気分も落ち込んでいると思いますので、少しでも気持ちが明るくなればと、受付横や待合室などに生花を飾っています。その花も、毎日私が活け替えています。それと、何気ない会話の中で飼い主さんやペットを褒めるようにしています。褒められれば誰も悪い気はしないですし、気分が明るくなりますよね。飼い主さんの心が癒やされてうれしそうにすると、それが動物にも伝わって動物も落ち着きます。また、私はジェネラリストでありたいと思うため、どんな動物の悩みでも解決していきたいと思っています。動物のことなら何でも相談に来ていただきたいですね。

最近はペットの高齢化が進んでいますが。

ペットが長生きできるということは喜ばしいことですが、同時に飼い主さんも高齢化しています。ご高齢の飼い主さんの中にはペットの世話を続けるのはもう難しいと考えている方もおられるかもしれませんし、ご家族の方々もいろいろな考えを持っていると思います。飼い主さんやそのご家族が何を思っているのか、心の機微や家族背景、経済環境なども含めてその方の人生そのものまで読み込んだうえで対応するようにしています。そして私はペットの最期は必ずご自宅で飼い主さんやご家族に看取ってもらっています。ペットの生を全うさせて最期を看取ることで、飼い主さんが納得して現実を受け止めることができ、ペットロスに陥ることも少なくなると思います。

動物と飼い主の心豊かな生活に貢献していきたい

これまでで心に残ったエピソードはございますか。

先ほどお話しした膀胱結石を起こしたワンちゃんのほかには、開業当初に来院したシベリアンハスキーのワンちゃんでしょうか。そのワンちゃんは、頻尿で受診したのですが、レントゲンを撮ったら、尿管が膀胱に入っていなかったのですね。非常に珍しい症状ですぐに病院で手術をして回復したのですが、世界的にみても珍しい症例でしたので、学会で発表させていただきました。飼い主の皆さんやペットたち、そして大学の先生方にはいろいろ研究を続けてきた中で、たくさんのご協力をいただいてとても感謝しています。

ところでプライベートはどのようにお過ごしですか。

洋画が好きなのでよく観に行きます。実は、私、小・中学時代、ハリウッドスターにファンレターを書いていて、お返事もたくさん戴きました。当時、とある映画雑誌にファンレターを出すコーナーがあったんですよ。料理も小学生の頃から好きでした。今も料理は全部手作りで、アジの開きも自分で裂いて干しています。最近は食パン作りに凝っています。パッチワークやフラワーアレンジメントも好きでよく楽しんでいます。

では最後に今後の展望についてお願いします。

これからも獣医師として、また大学人として難しい症例などに対して適切な医療技術を提供していきたいと思います。それから、今後はパピークラスを充実させ、これから新たに動物を飼う方のお手伝いができればと考えています。そしてこの地域に暮らす動物と飼い主さんが明るく笑顔で心豊かに過ごせるよう、獣医療を通じて貢献していきたいと思います。明るい雰囲気のクリニックですので、ペットのことで何かお悩みのことがあればお気軽にお立ち寄りください。

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