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鈴木 裕淳 院長の独自取材記事

成田動物医療センター

(成田市/京成成田駅)

最終更新日: 2023/01/22

成田市にある「成田動物医療センター」は、あらゆるものがアットホーム。こぢんまりとした待合室と診察室がいい距離感なのか、鈴木裕淳院長の気さくなトークに安心できるのか、患者と医療の壁を簡単に取り払う。まるで近所の家に遊びに来たように出入りする患者の顔には、笑顔しかない。そんな同院の診療方針は、まず病気をしないこと。自身も馬を飼っているという鈴木院長は、動物を家族として愛す心に共感しつつ、飼い主としての責任も強く訴える。動物と飼い主にとって、どのような関係が本当の幸せか。話の端々からにじみ出る鈴木院長の獣医師魂に触れた。 (取材日2016年8月24日)

小さいころから百科事典マスター。野生動物に興味あり

先生が獣医師をめざしたきっかけは何ですか?

小さいころから動物に囲まれて生活していたこと、当時から動物の生体に興味があったことが由来しています。幼稚園児のときから生物(動物・植物・昆虫)が好きで百科事典や図鑑をよく見ていました。母の実家で犬を飼っていたことも、動物に興味を持つきっかけになったのかもしれません。学校の勉強も生物なら何でも好きでしたから、植物や昆虫、は虫類などいろいろな生物に詳しくなりました。また、叔母が北海道に住んでいたため、牛に触れる機会も多かったんです。将来的には北海道に移り住み、牧場付きの獣医さんになるのもいいなと考えていました。でも、いろんな職業に目移りし、英語の教師を夢見ていた時期もあるんですよ。しかし、最終的にはアフリカで野生動物の獣医師になることを大きな目標とし、獣医学部へ進学しました。

壮大な夢ですね。なぜ開業の道を選ばれたのですか?

日本では、野生動物の専門的な勉強ができる機関がほとんどなかったためです。どの研究室も人に飼われている「家畜」の勉強がメイン。現在もそれほど野生動物に強い研究室はないかもしれませんが、当時はさらに狭き門だったのです。そんな環境でしたから私は早々に別の道を歩み始め、大学2年生の時から獣医内科の研究室に入りました。その後はご縁あって宮内庁と警察庁の併任技官を務め、特殊な動物の診療を担当。そこから様々な動物の診療をするようになっていき、現在に至ります。ここに開業したのは、もともと成田市に麻薬探知犬センターができるということで、その際に縁あってある動物病院の院長から、ここに動物病院を建てないかというお話を頂いたことがきっかけです。今は犬猫だけでなく、魚やは虫類などの診療も請け負い、近隣・遠方関わらずたくさんの患者さんが通ってくださっています。

動物によってなりやすい病気はあるのですか?

犬や猫など、動物の種類によってかかりやすい病気はあります。しかし、一番病気に影響しているのは飼い主さんの飼養管理です。人間と動物は病気の出方も似通っていて、たばこを吸う飼い主さんの動物が肺がんになった例もありますし、糖尿病の飼い主さんの動物はやはり糖尿病になったという例もあります。以前、お腹を壊しやすい猫ちゃんの治療を進めていくうちに、家庭の水がすべて井戸水だったことが原因だったことがありました。ブタクサが家の周りにたくさん生えている所に住んでいた動物に、アレルギー症状が出てしまったこともあります。飼い主さんには「自分の暮らし=動物の暮らし」だと理解していただき、動物の健康を守ってほしいです。

動物とのふれあいを通し、子どもたちの心を育てる

診療のモットーを教えてください。

まず飼い主さんのお話をよく聞くことです。例えば、家の構造や家族構成など。よく腰を悪くする動物は段差の高い家が多いですし、幼児のいる家は子どものこぼした食べ物を食べるため、下痢などになることもあります。また、家族構成は性格にも影響し、大人しかいない家庭で育っている動物はおとなしく、人間の話をよく聞く傾向があります。そうした動物は治療もスムーズに進みますが、中にはなかなか言うことを聞かない動物もいます。同じ症状を訴えていても、原因も処置方法も違うのは当然のことです。飼い主さんのお話をよく聞いて、その動物にとってどんな治療が最適で再発防止につながるのかを考えることが、われわれ獣医師のすべき医療だと思っています。

動物を飼う上で飼い主さんに気をつけてほしいのはどんなことですか?

人が大勢集まる場所には、動物をむやみに連れて行かないことです。「うちの子はおとなしいから大丈夫」と思うのは大きな間違い。動物はいつどんな時に本能的な行動に出るかわかりません。動物を飼うときは、マナーを守って飼っていただきたいと思います。例えば、フランスなどでは犬の立ち入りを禁止している公園もあります。また、食品の上に人間の髪の毛が落ちていれば不衛生なように、スーパーに犬を連れて行くことは衛生上避けたほうがいいです。世の中には、動物を好きな人もいれば嫌いな人もいるのが当たり前。人の嗜好への理解と配慮を忘れないことが、楽しく自由にペットライフを送るためのマナーなのです。

診療以外ではどのような活動を行っていますか?

小学生から大学院生までを対象に、専門職の人を訪れる実習の受け入れ先として、毎年全国から数人を招いたり、学校へ講演しに行ったりしていました。自宅で飼っている2頭の馬を砂浜に運び、実習生を乗せることもありましたね。その子たちにいずれ獣医師になってほしいというよりは、私は子どもたちに大きな動物と触れ合うという「一生に何度も経験できないようなこと」を経験させてあげたいのです。そして、一瞬一瞬を大切に「今」をどう生きるのかを考えてほしい、何をするにも本気になる喜びを感じてもらえればと思っています。

飼い主の病気は動物の病気。改めるべきは人間の生活

クリニックの特色を教えてください。

一番大切にしているのは、病気をさせないこと。これは予防という意味ではありません。生き物の体は食べ物によってできています。そして食事をすることは、生きるために絶対に必要な行動です。ということは、病気をしないため大事なのは、毎日の食事のバランス。いつかなるかもしれない病気のための予防食なんてないように、食事に予防の概念は必要ありません。ただ健康的な食事を心がけることが大切なのです。小さいころからちゃんとした食事をさせている動物は、皮膚病や下痢などもほぼ見られません。これまでの経験から、自信を持ってそう言えます。

例えば犬であれば、どのような食事が健康的ですか?

食事をドライフードにし、おやつを与えないことです。特におやつは肝機能を低下させてしまうため、寿命が大きく変わります。動物が人に飼われ始める年齢は、一般的に生後2ヵ月前後。その瞬間から食事に気をつけていけば、動物は病気らしい病気をせず一生を過ごしていけます。私がここまで自信を持ってそう言えるのは、いらしている患者さんすべての症状と食事データを取って比較してきたから。病気をすれば多額の医療費がかかりますから、病気をさせないための食事に少しお金をかけて、動物の健康を守ってほしいと思います。

先生はどのようなご趣味をお持ちですか?

飛行機の操縦です。35歳くらいの時に免許を取り、今はモーターグライダーやピアグライダーなどにも乗ることが多いですね。後輩の獣医師にも乗馬と飛行機が趣味な人もいます。あとは、自宅では馬を2頭飼っていて、よく乗馬もします。ただ、昔から馬に乗ってきた私にとって、乗馬は趣味というよりも生活の一部ですね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

飼い主さんには、動物に気を遣いすぎないでほしいと思います。動物は人間がいなければ生活ができません。しかし、「お世話をすること」と「過保護」は違います。ただ甘やかすことは、動物にとって良いことではありません。また、皆さんにはぜひ、世の中には動物が好きな人と嫌いな人がいることを理解してほしいです。厳しい言い方ですが、これを理解できない人は動物を飼ってはいけないと私は思っています。大切な家族であるペットを病気にさせず、飼い主さんの負担も少ない、幸せなペットライフを一緒に作っていきましょう。

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