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西村 壽 院長の独自取材記事

小倉台どうぶつ病院

(千葉市若葉区/桜木駅)

最終更新日: 2023/01/22

「小倉台どうぶつ病院」が開業したのは1986年。「もう30年も経つのかあ」としみじみ話すのは院長の西村壽(ひさし)先生。2002年には、診察室や入院施設を増やすため、3倍の規模にリニューアルしたという。犬猫だけではなくエキゾチックアニマルも診察し、また整形外科も標榜している。その腕を聞きつけて千葉全域から飼い主が駆けつけるが、先生自身は「うちでなくても皆さんの地元に良いクリニックはたくさんありますから」とあくまで謙虚だ。そんな真摯な人柄は地域のイベントでは一転、「楽しいおじさん」に変わる。地元の花火大会や近隣の大学の学園祭でなんと花火師として活躍。またお祭りのステージで歌い、焼きそばの売店を出すという。そんな、街に奉仕する西村先生にたっぷり話を聞いた。 (取材日2016年11月17日)

セキセイインコをつきっきりで看病した少年時代

まずは先生の「獣医師への芽生え」から教えてください。

生まれは青森・八戸です。少年時代は、犬やセキセイインコなどを飼っていました。海で釣った魚も海水で飼育していましたね。ただ当時、生まれ育った地域には動物病院がなかったので、動物の具合が悪くなると、わからないなりに自分で診ていたんですよ(笑)。百科事典で原産国や生態、生育に適した温度などを読みながら「この病気にかかっているのかもしれない」と考えながら、つきっきりで看病していたんです。もちろん何もしないわけではなくセキセイインコだったら温めたり、砂糖水をくちばしに垂らしてあげるなど「治療」をしていました。今思えば無謀な挑戦だったとは思いますが、そんな経験が現在、鳥を始めとする小動物に生きています。

開院当初の病院はどのような様子だったのですか。

敷地はもともと150坪あるんですが、道路に面した前半分の70坪だけをクリニックにあてていました。その後ろ半分はニシキゴイが池で泳ぎ、その近くにはザリガニが生息し、さらにはコリー犬やタヌキも飼われていたんです。当時「小倉台どうぶつ公園」と呼ばれていました(笑)。ちなみにタヌキは、山で、犬がくわえていたところを発見されて私が引き取ったんです。最初はまだ赤ちゃんで、哺乳瓶でミルクをあげるところから始めました。でもそれからの12年間、人にまったく慣れず、私の顔を見れば攻撃してきたものですが、最後は肝臓腫瘍で亡くなりました。ある時なんだか痩せてきていると感じ、お腹を触ると非常に張っていました。お腹を開くと転移していて、もう手遅れでした。今となってはタヌキを看取れたのはいい経験だと思っています。

2002年のリニューアル開院では、どのような改装を?

より患者さんを診やすい環境にするため、建物を3倍に拡張しました。診察室を3つに分け、エコーのある部屋、鳥類を診るために狭い仕様にした部屋、酸素パイピングのできる部屋としています。また、入院施設も整え、犬舎と猫舎に分けています。鳥をお預かりすることもありますね。

好きだからこそできるこの仕事 

ほかにはどんな動物を治療してきましたか?

犬や猫の他にエキゾチックアニマルを連れて来られることがあります。変わった動物では、シマリスやうさぎ、フェレット、リクガメ、ウーパールーパーや金魚などです。中でも印象深かったのはカブトムシですね。当時小学2年生の男の子が、「カブトムシの足が取れてしまった」と泣きながら当院を訪れたんです。虫を連れてこられたのが初めてで、たいへん驚きましたが、なんて心が優しい子なんだろうと感じました。このお話は「この子のように優しい子になってね」とPTA会長をしていた時に毎年子どもたちにお話していましたね。

改めて飼い主との向き合い方、動物への接し方を教えてください。

まず飼い主さんとは、アットホームな雰囲気で気さくに話をすることを大事にしています。そして飼い主がどこまでその子のことを考えているか思いの深さを聞き出し、動物にとって何が一番大事なのか、その子の置かれた環境でベストな治療方法は何かということを探っていきます。ただ、自分としてはわかりやすく説明しているはずでも、飼い主さんにとっては理解に至らない場合もあるので、いかにかみ砕いて話すかを常に考えています。ペットに対しては、やさしく声をかけると彼らもやさしくなってくれる、わかってくれると自分は信じています。注射する場合も声をかけて、「ちょっと痛いけど我慢してね」と頭をなでながら行います。ただ声をかけても反応があるのはカメまで、ですね。コイなどの魚のときも声をかけましたが残念ながら反応はありませんでした(笑)。

先生は本当に動物が好きなんですね。

好きじゃなきゃ、この仕事はできませんよ。またこれが私の悪いところでもあるんですが、治したペットを飼い主が諸事情で飼い続けることができなかったとき、つい引き取って世話してしまうんです。どうしてそんなことをするんだとよく言われますけど、昔から自分はそういう人間なんです。そのために私がいるんです。また、治したいという気持ちも、子どものころからペットの死を見てきましたから、理屈ではないんです。……我ながらかっこいいですね(笑)。

飼い主の高齢化と、ペットの幸せ

スタッフは何人いらっしゃいますか。

獣医師は3人。私と妻、そして勤務していただいている女性の先生です。看護師も3人います。その中には私の娘もおります。看護師になってまだ3年ですが、幼い頃から私の姿を見てきたせいか、つい見落としがちなところにも気が回るようで、飼い主さんから「娘さんは気が利くね」とお褒めの言葉をいただきます。娘は医院のドア1枚隔てたところで「院長」と「お父さん」という使い分けも自然とできています。あとトリマーが1人います。ちなみに子どもは先の娘含めて5人。1人も後を継いでくれないのは寂しいと思いましたが、それぞれの道ですから。

地元の人々とのつながりについて教えてください。

この地区の商店会「小倉台商店会」の会長に選ばれて11年目になります。会員の方々からは、やはりというべきか、犬のしつけに関する相談などをよくされますね。また地区の祭りではステージで歌ったり、出店で焼きそばを作ったり、花火大会では200種類くらいの花火を、火の粉を浴びながら打ちあげています。実は私、花火師の資格を持っているんです。これは商店会から「免許を取ってほしい」とお願いされまして、60mくらい打ち上がるようなタイプの資格を取得し、大会の時期に生かしています。次第にそれが評判を呼び、今では近隣にある2つの大学の学園祭でも頼まれて花火を打ちあげています。獣医師で花火師の男は私だけではないでしょうか(笑)。いずれにしても人生、何に対しても楽しもうと思っています。

最後に先生から一言メッセージをいただければと思います。

飼い主がお年を召されると、いずれペットを手放さなければならない時期が来るでしょう。ただ皆さんにはそうなる前に、子どもでも親戚でも、ペットの引き取り手を探してほしいと思います。またこれからは、飼える時期だけ飼うという「レンタルペット」の試みが始まる動きもあります。今はペットブームですが、今後は人口減少によって飼われる頭数も減ると言われていますから、そうしたレンタルペットといった新たな取り組みをお手伝いすることは私たちの生き残る道ともいえるのです。大阪市ではミルクボランティアという活動も行われているそうですよ。これからはクリニックの運営だけではなく、もっと広い視野から、動物医療について考えていきたいです。

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