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桑原 力晴 院長の独自取材記事

桑原動物病院

(柏市/北柏駅)

最終更新日: 2023/01/22

「桑原動物病院」は、地域に根ざして42年。桑原力晴院長に代替わりしてからも、地域医療への思いを変わらず持ち続ける病院だ。同院を訪れた際、特に印象的だったのは、ふらりと立ち寄り、まるで世間話のようにペットの相談をして笑顔で帰っていく飼い主たちの姿。見ているこちらが笑顔になる、そんなアットホームさは桑原院長の落ち着いた人柄と、「話す、見る、聞く」をモットーとする診療スタンスがつくり出しているのだろう。その思いに答えるようなスタッフの気さくさも居心地がいい。生まれ育った土地に貢献したいと話す桑原院長の、医療への思いに触れた。 (取材日2016年4月12日)

父と恩師の背中が獣医師のやりがいを教えてくれた

この病院はもともとお父さまが開業した動物病院だそうですね。

はい。1974年に開業して以来、この地域の動物と飼い主さんに寄り添って診療を続けてきました。僕が受け継いだのは2015年なのですが、自分にとっても生まれ育った場所なので、地域に貢献したい気持ちは父と同じです。小さい時からいつも診療する父の背中を見てきましたから、進路を決める時は自然と獣医をめざしていました。正直、高校生の頃は獣医こそが自分の仕事だと思って突き進んでいたわけではありません。ですが、充実した様子で仕事をする父の姿は、獣医が「いい仕事」であることを物語っていました。そして、本格的に獣医の楽しさを実感したのは、大学ですばらしい恩師に出会ってから。その先生は整形外科のドクターでしたが、他の誰が触っても突き止められなかった症状を、見つけ出してしまう方でした。その恰好良さに憧れ、自分もそうなりたいと整形外科に興味を持ちました。

「動物の整形外科」とはどのような科なのですか?

整形外科で大切なのは、数値に出ない隠れた症状を見極める力。恩師がそうであったように、動物は言葉を話せませんから、見て、触って原因を突き止めることが大切です。動物は人の医療ほど細かい専門性に分かれていないため、痛がっているなどわかりやすい症状から、脳神経の異常で奇妙な行動をするようになった場合などまで整形外科が担当します。とはいえ、町の動物病院に求められるのは専門的な高度医療ではなく、幅広い一般的な治療。当院では大学病院や高度医療センターのような治療はできませんから、病気を見落とさないことと、ここで治療できる症状なのかを見極めることに力を入れています。

先生にとって獣医師の魅力とはどんなところですか?

獣医学には、人の医療のように誰にでも当てはまる病気や治療法があまりありません。わからないことだらけだから、獣医は一人ひとりが日々勉強をし、動物に触れ、より良い治療を探し出していきます。僕の思う獣医の魅力は、そんな「わからないことを、わかるまで突き詰めていけること」。診療の一つ一つに探求心をそそられますから、いつも新しいこと、やりたいことにどん欲でいられて仕事が苦にならないのが楽しいんです。また、これは獣医としてというより個人的な喜びですが、今はとにかく生まれ育った地元に貢献できることがうれしい。患者さんの中には、僕が子どもだった頃から通ってくださっている方もいて、皆さんとつながっていられるこの仕事にやりがいを感じています。

正しい診断をするためのコミュニケーションに工夫

先生が開業を決めた理由は何ですか?

プライベートでも仕事でも環境に変化があり、ちょうど節目だったからというのが大きな理由です。高度医療センターはとてもいい職場で、何もなければ辞める気はまったくなかったのですが、その節目に残るか、辞めるかの選択を迫られました。そんな中で、いつかは地元に戻って地域に貢献したいと思っていた気持ちがだんだん大きくなり、父の跡を継ぐことに決めました。一言で地域への貢献といっても様々な方法があり、診療するだけがすべてはないと思っています。飼い主さんと動物がより住みやすい町にするためにも、地域の獣医さんが働きやすい環境をつくることは大切です。ご自宅兼病院の中で暮らす獣医の家族の苦労などは、どの病院も同じ。ちょうど柏市は行政活動も活発な地域ですので、協力を仰ぎながら、ドクターたちの不便も解消する方法を考えていきたいですね。

動物病院の特徴を教えてください。

病院としては、特に目立った特徴のある病院ではないと思いますが、器具は一通りそろっているので診療で困ることはほとんどありません。当院は長年同じ場所で開業してきたため、長く通ってくださる飼い主さんがたくさんいらっしゃるんです。それも、何代も代替わりしていくペットの診療に通院する人が多い。飼い主さんが同じでも動物は違い、例え前回と同じ犬種などであったとしても、性格やしつけの仕方などはまったく違います。また、一代目の時はちょっとした不調で慌ててしまっていた飼い主さんも、二代目では何となく病気の傾向が見えていることも。より深い話を飼い主さんとできるというのは、獣医師としても楽しく診療できる瞬間です。

先生の診療モットーは何ですか?

「話す、見る、聞く」という、初めて診療に来た時の身体検査でわかる情報を大事にしています。また、飼い主さんのお話を聞くことは大切ですが、ただ聞くだけでは不十分。動物が今、苦しんでいる症状の原因は、気づいていないだけで生活の中のどこかにあります。つまり、その原因は飼い主さんが知っている場合が多いのです。時に飼い主さんが思いあたる何かに気づき、獣医が知りたい情報を引き出せるよう、誘導的な質問をいつも心がけています。飼い主さんから発せられる情報に無駄なものはありません。全部拾い上げて診療に生かします。

地域のドクターたちの診療環境改善にも力を尽くす

最近の動物たちに見られる病気の傾向はあるのでしょうか?

高齢の動物特有の病気は高齢化に伴い増えていて、その中で特に僕が注目しているのは「脳卒中」。これはどんなに高度な治療を受けても治るものではなく、予防が大切です。当院では今後も生活習慣病に特化した健康診断を充実させていく予定で、昨年は脳卒中の前兆を少しでも早く発見するために新たに検査機器を導入しました。僕が脳卒中に力を入れるきっかけとなったのは、開業して最初に受けた大きな仕事が、脳卒中によって半身不随になってしまった犬の安楽死だったから。入退院を繰り返す老夫婦が飼っていた犬だったため、介護ができなかったんです。生活習慣病ははっきりした原因がわからないことも多いですが、予防はできます。2度とあんなつらい思いをしたくないですし、飼い主さんにもしてほしくないので、しつこいくらい予防の大切さはお話しています。

予防には、まず検査が大切なのでしょうか。

そうですね。物言わぬ動物だからこそ、間違いのない診断をつけるために、検査は必要です。しかし、検査ばかりしては動物の負担になるばかりか、治療費の負担も苦しくなるばかりです。血液検査のために病院に来たがらない動物を連れてくるのは難しくても、尿検査ならご自宅で尿を採取し、検査することができます。尿検査ですべてがわかるわけではありませんが、何もしないより遥かにたくさんの身体情報が調べられ、その動物に合った食事に変えたことにより寿命が1年延びる可能性だってあります。食事も、必ずしもシニアフードがその動物に合っているとは限らないので、検査によってより細かくアドバイスできます。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

診療面では、かかりつけ医として基本に忠実でいたいです。また、自分の病院の診療だけでなく、より良い医療環境をめざして獣医師会と協力し合っていきたいですね。自分ひとりではできる事が限られていますが、松戸市と防災協定について協議したり、柏市では夜間診療病院開設を目指すなど、東葛地域獣医師会の先輩方と協力しながら、獣医も飼い主さんも動物も暮らしやすい地域を作っていきたいです。僕たち獣医は、治療する側として健診、検査、治療とさまざまなお話をしますが、飼い主さんたちには無理をしてほしくないと思っています。爪切りや薬浴・シャンプーだけで病院に来てはいけないと思っている方も多いですが、どんな些細なことでも気軽に相談してください。

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