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宮本英巨 院長の独自取材記事

NANAペットクリニック

(横浜市泉区/立場駅)

最終更新日: 2023/01/22

横浜市営地下鉄ブルーライン、立場駅から徒歩2分。青いボーダー柄に水色と赤のロゴが印象的な看板が目印の「NANAペットクリニック」がある。院長の宮本英巨先生が今年9月に開業したばかりという院内は、白を基調とした清潔感あふれる空間だ。クリニックのイメージカラーを意識して、手術室やロールカーテンは青、また他の部分には赤い色を取り入れるなど、統一感が感じられる。「飼い主さんに余裕を持ってお待ちしてほしくて」という宮本院長の考えで待合室を広めにとり、8席分の椅子を用意。その分「スタッフの休憩室がとれなくて申し訳ない」と話す院長からは、飼い主とペットを第一に考える、誠実な姿勢が伝わってくる。大好きなサッカー観戦もしばらくはお預けという多忙な院長に、診療に対するこだわりなど、お話を伺った。 (取材日2015年10月15日)

飼い主やペットとじっくり向き合える環境づくりを重視

この場所で開業した経緯を教えてください。

私は戸塚区の生まれなので、その周辺で探していたところ、たまたま巡りあわせがあり、ここで開業できることになりました。横浜市の中心部に比べて、このあたりは緑が多く、犬が集まる場所がある。飼い主さんもおおらかで、話をよく聞いてくださる方が多い印象です。私からご説明した知識をしっかり受け取ったうえで治療方針を決めてくださるので、非常にやりやすいと感じています。病院名のNANAの由来は、5月に亡くなってしまったのですが、実家で飼っていた犬の名前です。もともとブリーダーのところでお産を続けていた子で、粗悪な環境で飼われており、先天的な病気もありました。もし開業に間に合えば、クリニックに連れてきてあげたかったですね。

クリニックで力を入れているのは、どんなところでしょうか?

通常の診療のほかに、予約診療を行っています。1時から4時の間、手術にあてることもありますが、毎日入るわけではないので、この時間を予約診療にして、他の動物がいると怖がる性格の子に利用してもらえるといいなと思っています。当院ではうさぎにも力をいれているのですが、うさぎは他の動物がいる気配だけで、かなりストレスになりますから、予約診療がおすすめです。その他に、インフォームドコンセントにあてる時間にもしていきたい。例えば飼い主さんだけで相談のためにいらしていただく、という使い方です。相談だけであれば、初回は無料にしています。それぞれ予約の時間は、30分から1時間くらいとって、余裕を持ってやっていく方針です。

設備面でもこだわりがあるそうですね。

一番こだわったところは、超音波です。開業時には、置いていないクリニックも結構ありますが、私は心臓も腹部も両方見たかったので導入を決めました。特にプローブ(体に直接あてる装置部分)は3本と、大型犬用の心臓と腹部用2本の計5本を用意。通常は1本か多くても2本なので、大型犬を見たり、腹部でも特定の臓器をメインに見るという使い方がなかなかできませんが、当院ではしっかり確認することができます。超音波だと、レントゲンでは見られないところが見られますので。また、内視鏡を入れなくてはならなくなると麻酔が必要ですが、超音波が充実していれば、かなりの範囲をカバーできて、そういった処置もしなくてすむので、有用な機器だと思います。麻酔はリスクがあるし、ペットに苦痛を与えてしまいますから。

大学を入りなおして獣医師を志す

ペットの健康維持のために気を付けたほうがいいことはありますか?

定期的に体の状態を見ることは非常に重要です。開業後、健康診断に来てくれたペットは7、8歳くらいで、それくらいになると、みなさんそろそろ受診させてみようとなるようです。人間でいうと中年くらいの年齢になったら、1年に1、2回は健康診断を受けると安心だと思います。あとは、それぞれの種類によって、例えば(心臓が弱いとされる)キャバリアであれば、心臓検診だけでも年1回やるといいですね。当院で使える機器を使ってできるものはすべて検査できますが、飼い主さんの要望に合わせてアレンジします。それから、難しいかもしれませんが、うるさいからといって声帯切除したり、部屋に傷がつかないように抜爪したりするなど、いわば余計な処置というのはできるだけ減らしてもらいたいというのはあります。どうしても麻酔をかけることになるので、後のリスクにもなりますし。

獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

家族や親戚に獣医師がいるというわけではありませんでした。ずっと実家では犬を飼っている環境でしたが、それで獣医師になろうと思ったわけでもないんです。実は、最初大学に入る時は獣医師になることは考えず、麻布大学の動物応用科学科に進学しました。でも、同じ学部の中に獣医学科があり、大学生活や部活を通して、獣医師をめざす友だちができたり、その関係で獣医師の先生に自分が飼っていた犬を見てもらったりという機会を通じて、自分もやってみたいという気持ちになったんです。それで2年生で大学をやめ、北里大学の獣医学部に入りなおしました。

大学卒業後は青森で働いていたそうですね。

はい。大学を卒業したのが2008年で、その後、青森県内の病院で7年間働いていました。すぐ近くに北里大学獣医学部附属動物病院があり、いい環境だなと思ってずっとそこにいました。ただそれだけではなく、他の病院にも行かせてもらったり、やはり、青森とこちらでは、患者さんが全然違うんです。病気がまず違います。こちらでは絶対見られないという寄生虫の感染症だったり、珍しい犬種に触れられたりと、青森での経験はすごく勉強になりました。

時間がかかっても丁寧に診るという初心を貫きたい

今まで心に残っていることがあれば教えてください。

ペットたちを救えなかった経験が一番心に残っていることです。もっと経験を積んでいたら、とか、専門に秀でていたら救えたんじゃないかと考えることはありました。そういう思いが、やっぱり獣医師を続けるうえで糧になっていますね。時々思い出してしまったりするし、どうしてもなかなか忘れられないものです。獣医師になって数年は、寝言で言っていると指摘されたこともあります。意識していないつもりでも、気にしているんですね。青森時代の院長に、「真剣に勉強して打ち込んでいると、24時間寝ている間も考えているくらいになる、そうなったら一人前」と言われたのですが、確かにそのとおりでした。

どんな獣医師になりたいとお考えですか?

今までのことを思い返してみると、頑張って治療して、これは治らないなと思っていたペットをなんとか治せたのは、私の腕というより、飼い主さんが頑張ってくれたからじゃないかと思うことがあります。ですから、こんな獣医師になりたいと、私がどんなに知識や技術を身に着けても、飼い主さんやスタッフも含めて、みんなで治していく環境を実現することが結局大事なのかなと思います。飼い主さんにはできるだけ参加してほしいので、診察室に一緒に入っていただくことも歓迎しています。飼い主さんにとってペットは、家族や子ども同然の存在。私も自分の子を診るような気持ちで診療しています。

今後の展望を教えてください。

もっと設備を充実させたいなど欲はありますが、自分が診られる範囲でやるというスタンスを崩したくないですね。患者さんが増えてくると、診察時間が短くなったり、どうしても初心を忘れがちですが、今のスタンスのままずっと貫いて、地域に根付いていきたいです。飼い主さんには気軽にお越しいただきたいですね。例えば、他院での説明がわかりづらかったから相談にのってほしい、ということだけでも全然構いません。今までも患者さんへの説明を重視していましたし、その分診察時間が長いとよく言われていました。ですから当院でも飼い主さんをお待たせすることになると思って、待合室に「長時間になってお待たせすることがあります」と断り書きを掲げました。紙を貼るというより、もう恐らく姿勢として変わらないことなので額に入れてしまっています(笑)。でもその分快適に過ごしてもらえればいいのかなと思っています。「治療方針がわかりやすく丁寧に診てくれて良かった」と、飼い主さんとペットが快適に思って帰ってくださるように、頑張っていきたいです。

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