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森 久也 院長の独自取材記事

もり犬猫病院

(大和市/鶴間駅)

最終更新日: 2023/01/22

鶴間駅より徒歩3分。明るいベージュのタイル張りビルにグリーンのロゴが分かりやすい「もり犬猫病院」。開業は2001年だが、2015年秋に内装を全面リニューアルしたとの事で、吟味して選んだという明るい木目のインテリアが目に優しい。「動物もですが、病気の子を連れてきている飼い主さんにも落ち着いていただけるような環境にしたかったんです」と院長の森久也先生は優しく語る。話好きだと公言する森院長に、犬猫ならではの診療や飼い主への気遣いなどについて聞いた。 (取材日2016年2月16日)

愛犬を亡くした後悔と、生物学への愛着で獣医師を志す

獣医をめざされた経緯を教えていただけますか。

小さいころから動物好きでしたが、家が飲食店だったので、亀やハムスターなどしか飼えなかったんです。小学4年生の頃に引っ越しをしたので、念願の犬も飼えるようになりました。しかし、高校に入った頃、飼っていた犬をフィラリア症で亡くしてしまったんです。もっと何かしてやれたのではと、ものすごく後悔しました。また、その頃学校の勉強は苦手だった私ですが、生物だけは授業がとても面白く、のめり込んだんです。教科書を次々と読み込んで、クラスメートに遺伝の講義をしたりしていました(笑)。その勉強熱と、愛犬を死なせた後悔が重なって、獣医を志すようになったんです。

そうして始めた獣医学の勉強は、いかがでしたか?

とても面白かったです。好きな生物以外にも、化学や物理など勉強しなければなりませんでしたが、獣医になる目的があるから頑張れました。ただ当時は、実習や動物の飼育などで忙しく、なかなか家には帰れませんでしたね。動物一色の生活で、夏休みには北海道の育成牧場でサラブレッドの世話もしたんです。ちょうど先輩が地元の獣医師のもとでバイトしていて、診察見学もさせてもらいました。卒業後には、まず若いうちに外科で手術を多く経験しようと、約10人も獣医師がいる犬猫病院で勤務しました。3年ほどで、また別の経験を積むべく獣医師が3人程度の個人病院に移りました。勤務医時代の経験が今のクリニック運営に生きています。

それで、いよいよ開業ですね。

二つの病院でいろいろと経験し、2001年に31歳で開業しました。鶴間にしたのは実家に近く、土地勘もあったからです。この場所は駅からも歩いて3分ほどで、十字路に位置するため分かりやすいと言われます。患者さんは近隣がほとんどですが、飼い主さんのクチコミや、看板を見て来られる方が多いですね。この鶴間の辺りは、横浜・渋谷・新宿の3方向に出やすい交通の要所のベッドタウンで、お勤めの方も多いため、夜は少し長めに20時までの診療としています。地域柄、意識の高い飼い主さんが多いので、例えばホームドクターとしては二次診療機関への紹介も大きな役割ですが、そうした高度医療の必要性をお伝えするとすぐに行っていただけるのは有難いですね。

症状に潜む本質的な原因を、論理的に解き明かしていく

診療で心がけていらっしゃる事はありますか?

最初に勤務した先の院長から言われた事ですが、「獣医師なら動物の病気を治すのは当たり前で、飼い主さんの心もケアしなければならない」ということを、肝に銘じています。また、「先生と呼ばれると傲慢になりがちだが、偉ぶらずに、一般の人にも分かる言葉で説明すべし」とも教えられました。以来、専門用語ではなく、簡単な言葉で伝えられるよう心がけています。例えば、心臓弁膜症を説明する場合に、心臓の弁が逆流すると言っても想像しづらいかと思いますので、灯油のポンプを例に出して、ポンプのここの弁がうまく働かないと、灯油がまたタンクのほうに戻っちゃいますよね、というように説明しています。それに、心臓で示しながら話すと生々し過ぎて、飼い主さんが上手く受け止められない事もありますので、なるべく身近なものに例えてお伝えしています。

皮膚科診療については、特にこだわりをお持ちだそうですね。

日本獣医皮膚科学会の会長でもある永田雅彦先生と言う方が、獣医師向けにセミナーを開講されています。全国から獣医師が集まるその講座を、私も7年くらい前に受講しました。動物にとって皮膚科の症状というのは、いろんな病気が原因となっている可能性があるんです。感染症やアレルギー、ホルモン失調の問題かもしれませんし、腫瘍などの内臓疾患も見落とせません。意外に多いのは精神的要因で、そのためにかゆみ自体は強くなくてもかきむしり行動が出てしまっているような事もあるんです。

どのようなことを勉強されるのでしょうか?

症状から鑑別して病名を探り当てていきます。そのセミナーではさまざまな症例で、そうした可能性を一つずつ検討して、検査によって絞り込むというアプローチを論理的に行っていくんです。年齢・性別や犬種・猫種、これまでの病歴も加味して考えていきます。そうやって系統だてて、見落としが無いように治療方針を立てていくのと、いろいろな症例に触れられるので、とても勉強になりました。また、ホームドクターとしてはその先、治療困難なものの見極めと、専門医の先生方とのネットワークが重要だと考えています。実際に、六会にある日本大学動物病院や二子玉川の日本動物高度医療センターなどと連携を取らせていただいていますし、地域の先生との勉強会にも参加し、互いに連携し合って地域医療の向上にも努めています。

飼い主に知識を持ってもらい、より動物たちを幸せに

昨年2015年10月に院内をリニューアルされたそうですね。

もともとは1階だけでしたが、学習塾だった2階が空いて大家さんから勧められたので、23坪の2フロアというスペースで改築をしました。心がけたのは、動線を良くするのはもちろんですが、当院は獣医師が3人と、看護師が4人(1人は現在産休中)という少ないスタッフ体制ですので、その人数でも患者さんに十分対応できるように、全室にモニターを設置しました。これにより、1階で診察中でも2階の入院舎の様子が分かり、また複数ある待合スペースの状況が把握できるのでよりスムーズに診療を行えるようになりました。

待合がいくつもあるのですか?

2階にセミナーも開けるスペースを新設しましたが、そこを犬に比べて音に敏感な、猫専用の待合室としてご案内しているんです。1階で受付をされたら2階に上がっていただいています。診察の順番が来たら放送でお呼びします。犬は1階待合室や、あと大型犬のために入口付近の風よけのあるベンチスペースを設けています。あるいは、電話でお呼び出ししますので、待つ間散歩に行っていただくのも可能です。家の近い方は、飼い主さんだけで受付を済ませて、お呼び出し後に犬猫を連れて来られる事もありますね。そのほか、入院舎も犬と猫を分けました。犬舎は大型犬などの鳴き声が少しでも漏れないよう防音にしています。入院は本当に特殊な環境でストレスですので、猫舎には猫の落ち着くフェロモン製剤を置いています。デリケートで怖がりな子たちを少しでも落ち着かせてあげたいですね。

開業15年で、理想の院内に近づけたという事ですね。

そうですね。2階にセミナールームを設けたのも、飼い主さんに知識を持ってもらえればそれだけ動物も幸せになれると思っているので、勉強していただける場所を作るのは念願だったんです。寄生虫・肥満予防などの飼い主さんセミナーや5ヵ月以上の犬が対象のマナークラスを始めています。これまでやってきたパピークラスは、警戒心が芽生える16週までに抱っこや診察を怖がらずに覚えてもらうためのクラスで、狭いスペースでもやってこられたのですが、今後は広々したセミナールームをうまく活用して、飼い主さんにいろいろな発信していけたら良いですね。また、診察室も大小2ヵ所できましたが、2階にも診療できるスペースがまだあるので、ドクターを増やして、より厚い診療体制をつくっていければと考えています。病気の早期発見には飼い主さんの協力が必要不可欠です。日常の些細な事でも遠慮せずに、気軽にご相談くださいね。

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