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金子誠一 院長の独自取材記事

オハナ動物病院

(杉並区/高円寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

高円寺駅北口より徒歩5分、商店街を抜けた一角にある「オハナ動物病院」は2014年11月に開院した。ハワイ好きという院長の金子誠一先生は、穏やかで優しい印象の持ち主だ。オハナはハワイの言葉で「家族」を指し、動物たちを家族としてケアしていきたいとの思いが詰まっている。動物園勤務経験を持つ金子先生は、猛獣類の鳴き声に怯えながら修行を積んだことで、治療が難しい地域猫にも慌てずに対応できていると話す。また、小鳥にも専門的な治療をと考え、知識習得や手術可能な環境作りを目標に掲げて日々努力を続けているそうだ。飼い主・動物・獣医師が納得して1つの方向を向くことと、動物たちの尊厳を尊重した治療を心がけている。目標としている小鳥のケアや診療理念などを、金子先生に聞いた。 (取材日2015年12月18日)

オハナの意味する「家族」として動物たちと関わっていく

開院された経緯をお聞かせください。

十数年この場所で開院をされていた、前の先生から引き継いで開院しました。新しくした院名の「オハナ」は、ハワイの言葉で「家族・仲間」の意味なんです。ハワイ好きであることもきっかけですが、動物も家族としてケアをしていけたらとの思いを込めて名付けました。前の先生がよく診ていた地域猫や小鳥のケアも引き継いでいますよ。来院されるのは、犬猫が8割、小鳥が2割程度ですね。

特に注力していることはありますか?

小鳥も専門的に診察できるようにしていきたいと考えているので、通常の動物病院以上の治療ができるように努力しています。小鳥の診察ではデジタルレントゲンやエコーも行います。レントゲンでは撮り方・保定方法・機械の調整を工夫していけば、ある程度まで診断することが可能です。レントゲンが使えない厳しい状況であれば、できる範囲でエコーを行っています。そのエコーについても小鳥にも使えるものを導入しました。また、専門病院なら可能な血液検査も、当院でできるように準備している段階です。犬猫の赤血球は核がないぺったんこな状態に対し、小鳥の赤血球は核があり、犬猫用の検査では白血球と見間違えることもある程、性質が違うんです。ごく少量の血液でも検査可能にすること、機械や手法を整えて小鳥の手術ができるようになることを目標としています。

診療時に心がけていることを教えてください。

一つは、飼い主さん・動物・獣医師が納得して診療していけるように、できるだけわかりやすく説明するように心がけています。3者の気持ちが1つの方向に向かえるように、相談して調整しながら進めることが大切です。もう一つ、動物たちの尊厳をいかに尊重して診療を進めていけるかを考えるようにしています。たとえ動物が病気で亡くなってしまっても、飼い主さんが納得されていること、動物たちが安らかな顔でいることが大切。飼い主さんにとって悔やむことがあってはいけないでしょう。私も、これで良かったとまったく後悔しないケースは1つもないので、いつも考えさせられることが多いと感じますね。

開院して間もなく手がけた会陰ヘルニアの手術

小鳥ではどのような症状が気になりますか?

来院するのはセキセイインコが半数で、オカメインコや文鳥もいます。小鳥は定期的に産卵しますので、それに関連した病気もあります。卵がうまく産めずに詰まって苦しむことや、高齢になると呼吸器疾患を発症することもあるでしょう。一時的な感冒・卵詰まり・肝炎などの来院が多いですね。小鳥専門病院なら難なくできる注射でも、犬猫を中心とした病院だと簡単にはできないケースもあります。注射ができ、薬が使え、治療を進めていく。この3つを素早くできるように努力しています。迷っている状況ではない緊急時の対応もできたらと思っています。

寒い時期に注意すべき症状を教えてください。

高齢の猫に多いのは、口が痛くてごはんが食べられないケース。寒くなると水が飲めなくなり、尿量が減少して腎不全を悪化させてしまうこともあります。症状が合わさり、二重苦三重苦に感じてしまうこともあるでしょう。冬季期間は、あまり血液検査をしたことがない動物たちが診察を受けるきっかけになればと思い、注意喚起を兼ねたお知らせのご連絡をしています。水が飲めなくなることで尿結石などの泌尿器トラブルになりやすいため、寒くなってから来院される患者さんが増えたと感じています。特に猫は腎不全が多いので、早めの健康診断で確認して対処することが、健康管理方法の1つになるでしょう。

印象に残っている症状はありますか?

開院して3〜4ヵ月後からずっと通院されている患者さんで、会陰ヘルニアの手術をさせていただきました。会陰ヘルニアは、肛門の横に腸などがはみ出している状態です。腸が出ることで腸が曲がって閉塞し、便が出なくなります。原因はさまざまですが、筋肉が弱く薄くなることで発症します。この隙間を埋める手術が必要で、大学病院では筋肉や靭帯で寄せ集める手法を行うそうですが、動物病院では特殊なメッシュやシリコーンのチューブを使います。その方には手術して改善した後も継続して診療させていただいていますよ。しっかりとご説明したのが伝わったのかなと思っています。患者さんは通院回数が多く大変だと思いますが、私は元気な姿を見られて嬉しいですね。

動物園勤務経験を生かして地域猫のフォローに取り組む

動物園で獣医師として勤務されていたそうですね。

野生動物が好きで獣医師になったんです。大学時代はニホンザルの生態調査や狸の病気を研究していました。動物園では、トラやライオンなどの猛獣類・猛禽類、バクなどの草食動物など全般を診療していました。猛獣類の鳴き声は震えるほど怖かったですね。恐怖の中で修行を積んできたので、地域猫を怖がる方もいますが、怒っている猫がいても慌てずに対応できるようになったと思います。動物園では間接飼育といって檻を隔て、接触を避けて診察しますが、地域猫は素手で治療するために、動物園で勤務していた頃より、けがは増えたかもしれません。

地域との関わり方を教えてください。

高円寺は猫が多い地域のため、地域猫の対応に動いています。高円寺の保護活動集団の里親募集の掲示などでフォローを行っているんです。子猫の時期は、手厚い看護が必要なので、そうした部分でもお手伝いができればと思いますね。私も小さい頃から犬を飼っていましたが、猫が多い動物病院に勤務したことがきっかけで、「猫ってこんなに可愛かったんだ! 」と感じて、猫の診療にもっと視線を注いで頑張ろうというターニングポイントになりました。それからは、治療するのが大変で何軒も断られることの多い野良猫の治療相談も、できるだけ受けるようにしています。

今後の展望をお聞かせください。

町を歩いていると小鳥の声をよく耳にして、小鳥を飼っているご家庭が多いと感じています。動物病院探しが大変な小鳥たちが駆け込める場所に選んでもらえるよう、手術の準備を整えていき、どんどんやれることを増やしていきたいです。小さい病院で人手も少ないため、お待たせすることもあるかもしれません。できるだけいっぱいお話を聞いて、動物たちを尊重しながら気持ちに沿った治療を進めていくこと。地域猫を含め、地域の方々が気軽に立ち寄れる動物病院になることを目指しています。それから、病院の雰囲気をもっとハワイ風にしていこうと思います(笑)。

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