霜田 ちとせ 院長の独自取材記事

梅島が私の地元だったのが一番大きな理由ですね。生まれも育ちも梅島で、実家も出身中学校もすぐ近く。小さい頃から慣れ親しんだこの場所が好きだったので、迷わずこの地で開業しようと思いました。今現在はご近所にお住まいの方や、以前の職場である代官山動物病院や東京ミッドタウンクリニックで診ていた方が来院してくださっています。まだ開院したばかりですが、梅島は今新興住宅地が増えていて、住んでいる人の数も年々増えています。いち早く皆さまから頼られる地域のホームドクターになりたいと思っています。当院に来てくれた犬・猫、飼い主さんにとって本当に良いと思う治療方法やフードのご提案をして、自分の思い描く診療をしていき、これから自分のやりたい診療を叶えていくのが楽しみですね。

犬・猫と飼い主さんにゆったり過ごしてもらえるように、待合室のスペースは広めにとっています。診察室は動きやすいように、薬局や検査機器がすぐ手に届く範囲のコンパクトな設計にしました。犬・猫それぞれの入院室は防音にして、近隣への環境にも配慮しており、内装の色に使っている淡いイエローは、「ひかる」という院名のイメージからきています。街並みに合うやわらかい色でとても気に入っています。ちなみに「ひかる」という院名の由来は、姪っ子なんです。愛する姪っ子の名前が「ひかる」で、明るくて呼びやすい良い名前なので院名につけました。

小さい頃から野生動物や犬・猫をテーマにしたドキュメンタリーのテレビ番組をよく見ていて、「動物ってかわいいな」と思っていました。中学生になってシェットランド・シープドッグを飼い始めて、母親が飼い犬のブリーディングをするようになり、高校生のときに飼い犬の出産に二度立ち合うという経験をしました。ところが二度目の出産が難産で近くの動物病院で帝王切開をしてもらったのですが、産まれてきた子の内１頭が、おなかが切れていて生まれながら内臓の異常があったんです。瀕死の状態でしたが、適切な治療を受けると、その子は無事に息を吹き返すことができ、そのときの感動から「私も将来は動物の命を救いたい！」という思いが芽生えました。

北海道にある酪農学園大学での学生生活は毎日充実していて楽しかったです。広大な土地の中には牧場があって、犬・猫などの動物だけでなく大型の家畜動物についても学びました。牛の治療に立ち会う機会があり、内臓がねじれてしまった牛の肛門から獣医師さんが直接手を入れて、牛と一緒にゴロゴロ転がるように動き内臓のねじれを治していて。ダイナミックな治療に驚かされました。大学卒業後は、日本大学や埼玉・東京の病院に勤務をしました。これらの経験はすべて自分にとって財産となっています。

皮膚科と整形外科が得意分野になります。皮膚科は常に学会などで新しい情報を取得して治療に取り入れています。最近は安全で良質な食材を使ったプレミアムフードに注目しています。プレミアムフードで皮膚アレルギーが改善するケースも多数あるので、飼い主さんには、犬・猫にとって毎日の食事が身体に与える影響が大きいということをお伝えしていきたいですね。また、整形外科においては、現在は、神奈川県の整形外科専門病院One for Animalsの先生方に来ていただき、協力して整形外科の診療にあたっています。将来的には整形外科に必要な設備を充実させて、本格的に整形外科を行っていきたいです。

常に動物と人にやさしい病院であることをめざしています。「動物にやさしい」とは動物の気持ちになって考えることです。動物は表情や目の動き、尻尾の動き、しぐさなどで感情を示します。診察時だけでなく待合室での様子も観察してその子の状態を推測し、できるだけストレスを与えないようにしています。また「人にやさしい」とは、飼い主さんの気持ちになって考えることです。初めて来院されるときには飼い主さんも緊張していることがあるので、たくさん話しかけてコミュニケーションをとるようにしています。

時として獣医師がお伝えすることが、飼い主さんにとって強い意見に感じてしまうことがあります。そうならないよう同じ内容をお伝えするにしても、飼い主さんの気持ちを十分に考えたうえで言い方や言うタイミングに配慮するようにしています。そして飼い主さんによって、犬・猫への愛情のかけ方やスタンスは異なりますので、それぞれに合ったご提案をするようにしています。飼い主さんとのコミュニケーションは獣医師をしていて面白いところです。一見そっけない対応の飼い主さんがお話をしていく中で、実は愛情深い一面があることがわかるとうれしくなりますね。

今後は今まで以上に、より幅広い治療に対応できるようにしたいです。皮膚科や整形外科において専門性の高い病院として、地域の動物医療に貢献していきたいです。また、動物医療の技術は日々進化しているので、休日には学会に出席したり、専門スキルを持つ他院の獣医師から専門技術を教わったりして、医療の質をどんどん上げていきたいと考えています。

映画が好きなので、時間があるときは映画を観に行きます。あと、食べたいものを食べ、自分のやりたいことをやるという自由な生活をしてますが、常に患者さんを優先しています。また、サバトラと白黒の猫を2匹飼っているので、彼らをなでたり一緒に寝たりしています。両前足で顔を覆ってうつぶせ寝をしている姿は、かわいくてたまりませんね。

地域のホームドクターとしてニーズに応えられるような診療を行っていきたいと考えています。休日や夜間など当院の診療時間外の時間帯であっても、ケースバイケースで対応させていただきますので、いつでもご相談ください。また、最良の治療を行うためには、飼い主さんとお互い遠慮なくお話ができるような信頼関係を築いていきたいと考えています。どのようなことでもお話していただけたらうれしいです。飼い主さんに寄り添った診療をしていきたいと思いますので、どうぞお気軽にご相談ください。