JR成田線小見川駅から車で約3分。国道356号・利根水郷ライン沿いに立つのが「ぬくもり動物医療センター」だ。ここには28年にもわたり地域の動物たちを見守ってきた「おみがわ動物病院」があったが、2019年1月からは守口昌悟先生が院長となり、病院名も「ぬくもり動物医療センター」として新たにスタートした。守口院長は、「患者さんと飼い主さん、それぞれにぬくもりを感じていただけるように丁寧な診療を心がけています」とその病院名に託した思いを話す。この地域ではフィラリアにかかる犬が比較的多く、フィラリア予防薬やワクチン接種など予防への意識をより高めていくことがさらに重要と実感しているそうだ。そんな守口院長に獣医療への思いやこの地域ならではの特徴について話を聞いた。 (取材日2019年8月9日)
―開業の経緯について教えてください。
の出身が福岡で、同じ獣医師の妻の実家が千葉なので、開業する際には福岡にするか千葉にするか考えていました。ちょうどそんな折、この場所にあった「おみがわ動物病院」の長嶋院長から病院を引き継がないかというお話をいただきました。私はもともと自然豊かな地で開業したいという思いがありました。この小見川は緑豊かでとてもいい場所だなと感じましたので、心よくお引き受けしました。病院内外装をリニューアルし、2019年1月から「ぬくもり動物医療センター」として新たにスタートさせました。前の病院は28年続いていましたので、地域の方々からの信頼も厚かったと思います。その信頼を損なわないよう、開業以来、丁寧で誠実な診察を心がけています。
―そもそも獣医師をめざされたきっかけはどんなことだったのでしょうか。
もともと理系に進もうと思っていたのですが、特に獣医師になろうとは考えていませんでした。私は九州の自然豊かな土地で育っていたので、生きものに触れる機会も多く、家では犬や猫、ウサギ、鶏を飼っていました。家に新しい猫がやってきた時、それまで飼っていた猫が急に声が出なくなってしまったことがあったのです。初めての経験で心配になり動物病院に連れて行きました。当時、私の田舎ではまだ動物病院の存在やペットの病気を治すということが身近ではありませんでした。原因は単に新しい猫が風邪を持っていて感染しただけだったのですが、その時『動物の病気を治す』ということにとても感動を覚えたのです。うちの猫を治療してもらった経験から、獣医師をめざすために日本獣医生命科学大学に進みました。
―診療動物について教えてください。また、地域性については何かお感じですか。
診療動物は犬と猫に限定しています。というのも、今では犬や猫の疾患に関してかなり研究が進み、非常に奥が深くなってきています。犬の病気だけをとっても多くの疾患があります。症状一つ一つをじっくりと丁寧に診療していくために、あえて範囲を広げず犬と猫だけに限定することにしました。地域性についてですが、この辺りはワンちゃんの屋外飼育が多いですね。猫ちゃんも室内と屋外を行き来しているご家庭が多いようです。多頭飼育が多いのもこの地域の特徴ですね。以前私が勤めていた東京都内や埼玉の動物病院とはかなり状況が違うと感じています。
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