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岡田 響 院長の独自取材記事

ひびき動物病院

(横浜市磯子区/洋光台駅)

最終更新日: 2023/01/22

落ち着いた住宅地の洋光台にある「ひびき動物病院」は身近な町の動物病院をコンセプトに2007年に開業。犬や猫を中心にたくさんの動物たちと飼い主の健康で楽しい生活を見守り続けている。ペットの一般的な病気や予防接種、しつけ教室のほか、院長の岡田響先生が得意とする腫瘍の治療にも力を入れている。岡田先生は麻布大学動物病院で腫瘍治療に従事。日本獣医がん研究会の認定医の資格を持ち、その知識と技術を生かして的確な診断をする毎日だ。そしてそれ以上に動物たちのことを第一に考えた上で、飼い主と上手にコミュニケーションを取ることを心がけている。「押しが弱くて」と自身について話す岡田先生だが、お人柄はとにかく誠実で穏やか。取材中も質問の一つひとつを自分の中で消化してから話される姿が印象的だった。そんな岡田先生に、日々の診療についてや専門である腫瘍治療について、獣医師になった理由などたっぷりと語っていただいた。 (取材日2013年7月19日)

動物と家族に寄り添う地域のかかりつけ医として

はじめに開院の経緯について教えてください。

2007年6月に開院し、今年で6年目を迎えました。横浜で開業したいと思って場所を探していたところこの場所を見つけました。高校時代にこの界隈で過ごしたこともあり、馴染みがあったのも選んだ理由の一つですね。洋光台は高級住宅街でもなければ繁華街でもないのですが、お庭がある家が多く、のびのびと動物たちが飼われている印象があります。円海山という山もあり自然も残っているので過ごしやすいところなんですよ。当院は何かに特化するのではなく「町の動物病院」として機能することをコンセプトとし、犬、猫を中心に診られる範囲でその他の小動物の診療を行っています。

先生がお得意とされる腫瘍科の治療についてお話ください。

動物医療が進歩し治療レベルが上がり犬猫が長生きできるようになった結果、ペットもがんが増え、現在は死亡原因のトップとなっています。がん治療においても日進月歩がはやく、開院当初時と比べても治療の選択肢が増えてきていますが、大きな病院でしかできない治療、クリニックでもできる治療など、飼い主さんのニーズとのバランスが大変重要になります。当院では、院内でも手術や抗がん剤治療ができるように体制を整えていますが、ここでできる治療には限界があるのも事実ですので、飼い主さんの意見を聞きながら、個々の動物にとって最良の治療を選択できるように心がけて相談しています。大きな病院で最先端の治療もいいけれど、あちこちの動物病院に行くのではなく、当院だけで治療を完結したいという考えの飼い主さんも少なくないので、できる限り支えてあげたいと思っています。そして、その幅を広げていきたいと思っています。

日々の診療において大切にしていることはありますか?

一次診療のかかりつけの動物病院として、動物たちやご家族に寄り添っていける存在でありたいと考えています。抗がん剤治療の場合、動物は人間のように「頭が痛い、気持ちが悪い」と自分で伝えることはできませんし、こちらが全部気づいてあげられているかどうかもわかりません。治療をすることで苦しめるようなことはしたくないので、動物のことを一番に考えた上で、その周りにいる家族と寄り添って一緒に治療を進めています。残念ながら最期を迎えた時には「あの子がいてくれてよかった」と思ってもらえるようにしたいですね。動物を飼ってすごくつらかったという思いはさせたくありませんから。また次の子を迎えられるような、動物と一緒にいてよかったと思える生活のお手伝いをしていきたいと思っています。

家族が治療方法を選択しやすいように道筋をつける説明を

家族とのコミュニケーションも獣医師としての大切な仕事ですね。

そうですね。僕はあまり口がうまくないので説得力のある説明ができていないかもしれませんが、色々な治療方法を選択肢としてお出しし、最終的にどうしますか?と問いかけた時に、飼い主さんが決めやすいように道筋をつけるようにしています。ですからもしかしたら、こうしなさい、と強く言うタイプの獣医師がいいと思われる飼い主さんだと、僕では物足りないかもしれませんね(笑)。きちんと話をしながら診療をしないと、意見が食い違うこともあるので、「僕の犬だったらこういう選択をします」という話を交えて一緒に相談しながら進めています。最終的に決定するのは飼い主さんなのですが、すべてを押し付けてしまうと飼い主さんがひとりで責任を背負い込んでまいってしまうんです。時には獣医師が悪者にならざるを得ないとも僕は思うのですが、なるべくそうならないように、お互い理解しあって、飼い主さんの力になりたいと思っています。

これまでの獣医師生活の中で印象に残っていることはありますか?

色々とありますが、よい治療は一人診療では難しいということですね。例えば夜間に何かが起こった時、救急病院にお願いするかこちらで受けるかは未だに悩みます。また、来院してくれた方とは休診時間にもコンタクトが取れるようにしているのですが、連絡をいただいても100%対応できるとは限らないのが実情です。それならいっそ何もしないほうがいいのか、でも、一番身近な動物病院としては必要なことなのではないか……と、迷うことがばかりです。獣医師みんなが通る道なのでしょうけれど。嬉しいことは、前に飼っていた動物が死んでしまった後に、悲しい時期を乗り越えて、また新しい子を連れてきてくれることです。同じ病院に来ると、一瞬暗い表情を見ることもありますが、また笑顔に向かえますよね。ほかには、以前、小学校で飼っているうさぎを、先生と子どもたちが一緒に連れてきて、わらわらと動物に集まっているのが微笑ましい光景で印象的でした。動物と一緒にいる時の笑顔や真剣な表情が嬉しいですね。横浜市は小学校での動物飼育率が高いので、どの地域の小学校でもうさぎなどの動物を飼っているのが当たり前ですが、こういういい環境はどこにでもあるものではないようです。教育にも影響が大きいと思います。

ところで、先生が獣医師をめざしたきっかけは何でしたか?

母が医療関係の仕事に就いていたので、その影響を受けてか、何か人のためになることをしようという意識がありましたね。小さい頃から何かしら動物がそばにいましたが、あまり自分から積極的に散歩に連れて行くほうではなかったかな。母任せでした(笑)。運よく学校に合格できたところで本格的になりましたが、成績が悪く、非現実的であったため、初めのうちは獣医師をあまり考えていませんでした。実際に獣医師になって感じたのは、家族のフォローが大事だということ。動物のために医療の知識や技術は大切だけど、それだけでは動物や飼い主さんのためにはならないので、そのバランスが大切ですね。僕の子ども時代の動物病院というと、先生一人でやっている動物病院が思い浮かびます。現在の動物病院に求められるものはそれでは不十分だと感じており、町の飼い主さんが頼りにしてくれる動物病院というものに近づくにはまだまだ必要な物が足りていない気がします。スタンダードな治療を探し続けていますが、結局、スタンダードって自分で決めなくてはいけないんですよね。いつかは自分のスタンダードを確立しなくてはと思いつつ、まだまだ模索中です。

がん治療や再生医療の知識を習得しながらも、めざすは「町の動物病院」

お忙しい中、休日はどのように過ごされますか?

休日の半分は勉強会に参加、半分は子どもたちと過ごすことが多いですね。今一番のリフレッシュは子どもたちと遊ぶことです。でも、夏休みなどみんながお休みの時は、動物たちを預からなくてはいけないので、意外と子どもたちとは出かけられないんですよ。子どもたちがちょっとかわいそうですけどね。

今後クリニックの展望をお聞かせください。

再生医療に光が当たり始めているので、身近な動物病院でもできる治療が増えたらいいですね。ただ、今はまだ具体的ではありません。やろうと思えばできますが、費用ばかりが高額になってしまい、結果的に飼い主さんにも動物にも負担が大きくなってしまいます。でも、将来に備えて勉強会などに参加し、知識を身につけておきたいと考えています。がんに関してはさまざまな治療法がありますが、本当にどれが最適かを選ぶのは難しいので、治療の数を重ねることで、さらに的確な診断ができるようになりたいです。がんは、これまで不景気であったせいか、病気が進んでから来院されることが多かったです。早く発見できれば、その分治療にかかる負担も少なくてすみますから、様子がおかしい場合は早めに相談しに来ていただきたいですね。そして、再生医療やがんの治療を見据えつつ、でもやっぱり、「町の動物病院」として身近な存在になりたいと思っています。

最後に動物と楽しい生活を送るために、読者へのメッセージをお願いします。

ドクターズファイルをはじめインターネット上には有益な情報がたくさんあり、選びきれないこともありますよね。動物との生活や医療は、是非、獣医師に相談してください。動物の医療は人間の医療よりも厳密さが甘く、残念ながらあぶない治療法もたくさんあるのが現実です。動物が苦しまないように解決するのが一番だと思うので、動物病院をうまく利用していただき、ペットと楽しい生活を送っていただきたいと思います。子犬・子猫を飼い始めたら、わからないことがたくさん出てくると思います。どんな些細なことでもいいので、気軽に相談してくださいね。

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