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長田 伸一 院長の独自取材記事

おさだ獣医科病院

(大田区/蓮沼駅)

最終更新日: 2023/01/22

東急池上線の蓮沼から徒歩5分。下町の雰囲気が漂う住宅街の中を歩くと、1988年開業の「おさだ獣医科病院」がある。院長の長田伸一先生は、日本大学農獣医学部(現在の生物資源科学部)を卒業後、福島県などで家畜診療に従事。しかし、家畜として価値がなくなると治療を続けられない家畜診療に違和感を感じたため、両親が高齢になったのを機に、自宅で診療所を開業した。院内には赤外線レーザーやレーザーメス、心電図、エコーなどの設備がある。飼い主が大切にしているペットを納得いくまで診てあげたいとの思いから、設備を充実させてきた。実直な語り口から、犬や猫に対する愛情の深さが感じられる長田先生の、動物たちに寄せる思いを聞いた。 (取材日2016年9月20日)

最後まで診てあげられない家畜診療に限界を感じて開業

開業までの経緯を教えてください。

もともと馬が好きで、日本大学の農獣医学部在籍中もアルバイトで大井競馬場へ通っていました。当時は、大井競馬場で働くのが夢でしたが、残念ながらそれはかないませんでした。実は馬の世界はとても狭くて、中央競馬会に入ったのは同級生で1人だけでした。そこで、福島県などで家畜診療に従事する道を選びました。当時の獣医大学では、牛や豚などを主体にしており、産業動物関係に進む学生もかなりいました。今でこそ動物病院が増えて、犬や猫などの小動物を診るケースが増えていますが、当時はその過渡期だったのかもしれません。そんな時代の流れもあったので、私も当然のように産業動物診療の道に進みました。

産業動物の診療から開業に至った経緯を教えてください。

産業動物としての価値がなくなってしまうと、それでかかわりが終わってしまいます。最後まで病気やけがを治してあげたいと思っても、飼い主さんからもういいと言われてしまうと、そこで終わりになってしまいます。仕方ないのですが、つらい世界ですよね。一方、犬や猫などの小型動物は愛玩動物なので、飼い主さんといっしょになって、納得いくまで診てあげられます。獣医として動物たちとかかわったら、最後まで診てあげたいっていう思いがもともと強かったので、動物病院を開業することに決めました。開業前には横浜市内の動物病院に勤務したり、麻布大学付属病院で研修医として働いたりしてきました。開業を考えた当時は両親も高齢になり、そろそろ介護のことも考えなければならない時期でしたので、働きながら両親の面倒もみてあげられる自宅を選びました。

普段はどのようなことをして過ごしていますか。

昔は休みの日にセミナーに参加するなど活発に動いていましたが、最近はこれといった趣味もありません。というのも、一時期体調を崩して、療養に専念していた時期があったからです。ただ、自分が大病を患って、実際にその痛みを経験したことで、体調が悪い動物たちの気持ちがものすごくよく分かるようになりました。ちょっとした病気やけがだと、大丈夫だって思いがちですよね。でも、自分で痛みを経験すると、そのつらさを自分のことのように感じてしまいます。だから、診察した動物たちを、なんとしても治してあげたいという気持ちが以前に増して強くなりました。

ペットの健康を飼い主と共にサポート

診療をしていて、気になることはありますか。

最近ちょっと気になっているのが、予防接種を受けない飼い主さんが多いことです。狂犬病の予防接種の接種率も、だいぶ低くなってきているみたいですね。確かに、日本では狂犬病の心配はあまりありませんが、世界的にみると狂犬病の危険性が高い国も多く、日本は稀な存在です。例えば、ロシアの漁船では守り神として犬を乗せる風習があるようですが、船員さんといっしょに犬が日本に上陸する可能性があります。また、違法に取引されるケースや密輸入されるケースもあり、狂犬病の心配がある国から、病原菌を持った犬が入ってくる可能性はゼロではありません。もしも、飼い犬が病原菌を持った犬と接触して狂犬病にかかってしまったら、一番危険なのは飼い主さんですよね。そういうリスクがあることを、しっかり認識しておいてほしいと思います。

ペットを飼うには、伝染病のリスクも考えないといけませんね。

ウィルスが原因の代表的な伝染病にジステンバーとパルボがあるのですが、何年か前メーカーが、ブリーダーさんでそれらの病原率をチェックしたところ、結構な確率で出たという話を聞きました。病原菌を持っていても免疫があれば発症することはありませんが、どちらも伝染力や致死率が高い伝染病なので、飼い主は気を付けなければなりません。蚊の媒介で発症する、寄生虫病のフィラリアも同様です。これらの病気はワクチンや予防薬の投与で防げるので、定期的な接種と投薬を呼び掛けています。ペットの病気が少なくなっているのは、みんなが予防に努めているからです。病気の予防は自分のペットのためだけでなく、まわりの犬や猫に病気を移さないためのマナーだと思っていただけるとうれしいですね。

診療の設備が充実していますね。

開業当初はエコーも血液検査の機器も、レーザーメスもありませんでしたが、総合的な診療をしてあげたいと思っているうちに、いろいろと増えてきました。そのため、より一層、飼い主さんが大切にしているペットを納得いくまで診てあげたいですね。

高齢化が進むペットを通じて人生を疑似体験

ペットの健康について、お考えになっていることはありますか。

人間の場合でも、お医者さんから「肝臓が悪いですね」などと言われても、自覚症状が全くないことがあります。でも、何かをきっかけに体調を崩すと、前から注意を受けていたことに気づくケースがありますよね。これは、犬や猫の場合も同じで、病気が時間をかけて進んでいるケースがあります。例えば、10歳を過ぎている犬などは、下痢だから自然に治ると思っていると、実はとんでもない病気になっている時があります。血液検査やレントゲン検査でチェックしていれば防げることもあるので、定期的に検査を受けてほしいと思います。栄養バランスが取れた食べ物が増えて、犬や猫も人間同様に高齢化が進んでいます。いつまでも健康的にペットと過ごせるよう、温かく見守っていただけたらと思います。

ペットの高齢化も進んでいるのですね。

ペットも高齢化が進むと、耳が聞こえなくなったり、目が見えなくなったりします。人間と同じように認知症になる犬や猫もいるんですよ。先日、相談に来た飼い主さんは、認知症になった犬の夜泣きがひどく困っていました。そのときは、なるべく昼間寝かさないようにアドバイスをしたりしました。自分は親の介護経験があるので、犬や猫の認知症を見ていて、人間にそっくりだと思います。ただ、こうした経験は貴重だと感じています。昔は大家族だったので、家におじいちゃんやおばあちゃんがいて、年老いていく姿を間近に見てきました。でも、最近は核家族化が進んでいるので、そうした体験をする子どもは少ないですよね。だから、ペットが老いていく姿を通じて、いろいろと感じたり学んだりすることが多いと思います。

最後に、読者の方へメッセージをお願いいたします。

気になるのが、「しつけ」と「芸」を混同している飼い主さんがいることです。例えば、この部屋には入ってはいけないとか、これはやってもいいけどこれはやってはいけないとか、人と一緒に暮らしていくうえで最低限必要なことを覚えてもらうのがしつけで、「伏せ」とか「座れ」を教えるのはしつけしやすくするのが目的で、これ自体を教えることが目的ではありません。また、しつけをする時には、家族全員が同じルールに従ってほめたり叱ったりすることが大切です。お父さんは怒るけどお母さんは怒らなかったとか、機嫌の悪い時ばかり怒って気分がいい時には許してあげるとか、その時々で違う対応をすると、犬や猫はどうしたらいいのか分からなくなってしまいます。しつけに関する相談も受け付けていますので、お困りの際には気軽にお問合せください。

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