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中馬 寛 院長の独自取材記事

中馬動物病院

(大田区/京急蒲田駅)

最終更新日: 2023/01/22

「本当は馬がいちばん好きなんですよ」と笑う「中馬動物病院」中馬寛院長。高校時代から乗馬を続け、馬術競技にも出場してきたスポーツマンだ。動物の診療にあたっては、触診や聴診による丁寧な診察と飼い主とのコミュニケーションを大切にすることがモットー。また後進の育成にも熱心に取り組み、多くの獣医師が中馬動物病院で研鑽を積み、全国に巣立っていったという。検査結果や画像診断を重視しがちな若い獣医師たちに、患者である動物に向き合うことや、触診や聴診など五感をフルに使う診療を指導する。診療にすべての時間と労力をかけたいと、トリミングやペットホテルは手がけず、経営の許す限りスタッフを増やして診療体制の充実に取り組む。鹿児島出身の薩摩隼人らしく豪放磊落な雰囲気がありながら、動物にも飼い主にもきめ細かく優しい気配りをみせるベテランドクターだ。 (取材日2013年11月29日)

蒲田で開業して35年。多くの飼い主にもスタッフにも慕われる熟練ドクター

こちらの開業までの経緯を教えてください。

高校時代から馬術部で乗馬に取り組み獣医師になった兄を追いかけるように、私も馬術部に入り同じように獣医学部に進みました。兄の影響は大きかったですね。大学卒業後も兄が勤務したことのある動物病院で経験を積みました。1977年に町田市つくし野で開業し、1979年にこの近くに移転。患者さんも増えてきたところで病院を建てました。その後、道路拡張整備もあって2007年に隣地に移転、新築したのがこの建物です。

病院の構造でこだわられたところは?

知人のデザイナーの協力で、病院全体が私の希望が生かされた造りになっているんですよ。例えば待合室。中待合い室を設け、同じ待ち時間でも飼い主さんに移動していただいて、心の負担を軽減したいと考えました。また中待合室に私の席を置くことで診療の流れを把握し、ほとんどすべての飼い主さんと顔を合わせ、カルテに目を通し、どの診察室に患者を通し、どの先生に診てもらうかという指示を的確に出すことができるようになりました。診察室の飼い主さんの出入り口はそれぞれ別ですが、スタッフは通り抜けができ、飼い主さんや動物とさまざまなスタッフが交流できるオープンな造りとなっています。

クリニックの特徴を教えてください。

まず、健康な動物のペットホテルやトリミングは手がけず、診療だけに集中しています。診療以外のことに時間や労力をとられて、病気の動物に目が届かないということは絶対に避けたいのです。高齢や疾患を抱えた動物で一般施設に預けることが困難という場合には特別に預かることがありますが、通常は、近くでトリミングやホテルの施設を経営するショップに紹介し、そのショップへは、動物の健康面で何か気になることがあればすぐにこちらに連絡してくれるように伝えています。またスタッフを増やし、通常3〜4時間ある病院が多い中、昼休み時間を1時間にし、病気の動物の治療にすべての労力と時間を費やせるような純粋な獣医療を重視した体制を維持したいというのが、私の考えです。基本的に病院のPRはしていませんので、ほとんど紹介や口コミでの来院で、それが何よりも根強いと実感しています。

多くのスタッフと家族のようなチームワークで、診療に取り組む

では先生の診療方針を教えてください。

とにかく動物によく触れること。触診、聴診、視診を重視して、そこから診療を始めることをがモットーです。当院でもさまざまな検査機器を備えていますが、何よりも診察は見て、触って五感をフルに活用させることが大切です。最近の若い獣医師は、昔より多くの知識や技術を習得してから現場に出るので、それらに頼りすぎる傾向があるように感じます。データや疾患を見るだけでなく、その動物一個体一個体をしっかりと診ること、動物から教わる経験を積むことが動物医療従事者として大切だと伝えています。飼い主さんとのコミュニケーションを第一に、抱えていらっしゃる病気の不安を少しでも取り除けるように心がけています。外来診察での処置は、飼い主さんが望まない場合以外は、できるだけ飼い主さんの前で行い、どのような治療をしたのかを説明だけでなく、実際に見ていただくことで理解を得るようにしています。

若いスタッフがたくさん勤務されていますね。

開業当初は、副院長である妻と2人で切り盛りしてきましたが、患者さん増加に伴い獣医師や看護師を増やしてきました。スタッフは多ければ多いほど、病院全体や飼い主さん、動物のためになると考え、給料が払える限りとにかくスタッフを増やしてきたのです。現在までに20名以上の獣医師が巣立ち、全国各地で開業、活躍しているのが嬉しいですね。3階はスタッフの住居になっており、2階の医局に食事を持ち寄り、夕食を共にすることもあります。私たちには子どもがいないので、病院スタッフは子どものようなものです。スタッフに対しては、院長である私にも伸び伸びと自分の意見が遠慮なく言えるような関係づくりを意識しています。私の役目はチームワークがうまくいくように心がけること、それぞれの自主性を大切にして、個人の長所を伸ばすことだと思っています。年末の忘年会はOBにも声をかけたり、夏には多摩川の六郷土手の花火大会の鑑賞会をしたり、そんな交流を大切にしてチームワークを培っています。

診療する上で大切にされていることは?

最近の犬や猫の傾向としては、心臓病や糖尿病、がんや腫瘍も目立ちます。何か原因があって増えたというよりも、高齢まで生きる動物が増えたこと、動物医療の分野でも機器が普及して、病気が見つかり、診断することが可能になったということもあると思います。人間と同じような検査や治療を求められる飼い主さんも多いのですが、高齢の動物に麻酔をかけて検査や治療をすること自体が負担になることもあります。犬も猫も一頭一頭違い、同じ病気でも個体によって進行が異なります。当院では、飼い主さんそれぞれの考え方を尊重しながら、よく話し合い、飼い主さんと動物にとって最もよい方法を見いだすことに力を入れています。長いお付き合いの飼い主さんも多く、ペットも何代目にわたるケースが多いです。犬や猫が残念ながら亡くなって「もう飼わない」と言われる方もしばらくするとまた飼われるようになり、来院してくださいます。そんなつながりが嬉しいですね。

飼い主との会話を大切に、コミュニケーションを育む

ところで、先生の好きな動物は。

犬と猫を2頭ずつ飼っています。猫はあまり私になついてくれませんね。私自身は、動物の中では馬がいちばん好きなんですよ。以前は横浜の乗馬クラブに馬を預け、早朝乗馬したり調教したりしてから出勤していました。今は成田の乗馬クラブに預けて、週に2回会いに行きます。私が行くと、馬も喜びますし、自分の馬の顔を見ているとほっとします(笑)。馬のような大きな動物は暴れてしまうと制御が難しいため、暴れさせないようにポイントを押さえて扱う術を学びました。その経験は、小動物医療にも非常に役立ってきたと自分では思います。

今後、力を入れていきたいことは。

最近、体調を崩し、通院や入院を経験しました。自分が患者となって診察を受けるときに、ドクターがパソコンで画像を見ながら説明、少し寂しい思いをしました。もう少し患者と向き合ってほしい、しっかり触診や聴診をしてほしいと思いましたね。そうした経験もふまえて、飼い主さんや動物としっかりと向き合うことを大切にしたいと改めて思うようになりました。このことを若い先生方にもぜひ伝えていきたいですね。獣医師は、動物と飼い主さん、双方を診ていく必要があります。飼い主さんとお互いに理解を深め、かかりつけの獣医師としての信頼関係を育んでいくことが大切だと思うのです。私ももっと努力していきたいですし、若い先生方にも理解してもらえるように実践していきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

最近は飼い主さんもインターネットでいろんな情報を得て、場合によっては私たちより詳しいこともあります。しかしインターネットにはさまざまな情報が氾濫していて、実際には不可能なこともたくさんあります。インターネットでは治療はできません。情報に振り回されず、獣医師とコミュニケーションしながら、正しい知識や情報を得て役立ててください。また犬や猫も太りすぎている子が多いと思います。太りすぎはさまざまな病気の原因になりますから、気をつけていただきたいですね。反対に、フードを何グラムずつとか、何粒とか計るような神経質な飼い方もお勧めできません。動物とよりよい関係を築いて、多くの方に楽しい生活を送っていただきたいと思います。

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