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椎名 剛 院長の独自取材記事

中央アニマルクリニック

(中央区/新富町駅)

最終更新日: 2023/01/22

新富町の閑静な住宅地の中にある「中央アニマルクリニック」。今年(2012年)3月に当サイトでインタビューをした「白金高輪動物病院」の分院だ。院長の椎名 剛先生は、インタビューの間じゅう笑顔が絶えず、時折冗談を飛ばすとてもユニークな先生。目尻を下げながら院内の動物たちと触れ合う椎名先生は、心底動物が好きなんだなという雰囲気が体じゅうからあふれている。だがひとたび動物医療についての話題になると、途端に鋭いまなざしに変わり「飼い主さんと、その家族である動物、両方を幸せにすること」と語勢を強める。本院の佐藤貴紀先生との強力なタッグのもと、動物医療界全体の技術向上のため日々まい進する椎名先生の原動力とはいったい何なのか。思いをたっぷりお届けする。 (取材日2012年4月18日)

「一生のかかりつけ医」という立場で、飼い主と動物両方の幸せを一緒に見つけていきたい

こちらは、港区にある「白金高輪クリニック」の分院なんですよね。

はい。白金高輪動物病院の分院として2011年4月に開院しました。本院の院長である佐藤とは、前に務めていた動物病院で、先輩・後輩の間柄だったんです。その当時から、動物に対する思いや医療に対する考え方が似ていて、仲が良く、尊敬もしていて。彼のほうが先輩ですが年は下なので、本人には言いませんけどね(笑)。佐藤は僕よりも先に前の病院を卒業して自分のクリニックを開院して、それが白金高輪動物病院なんですが、動物や医療に対する自分の思いを早くにちゃんと形にしたんですね。そのうちに僕も開業を視野に入れるようになっていったんですが、でも、それぞれのクリニックが競争のような感じでやっていくよりは、みんなが協力し合っていくほうが絶対いい。今はペット自体の数も減ってきていて、言葉は悪いですけど、動物たちを取り合うのではなく、獣医師たちが連携し手を取り合って、いろいろな面からサポートしてあげるほうが、動物たちにとっても飼い主さんたちにとっても幸せにつながるって思うんです。その考えは、僕も佐藤も共通して持っていることだったので、ならば一緒にやっていこうと、この分院を任されることになりました。

診療において、どのようなことを大切にされていますか?

飼い主さんと、その家族である動物たち、両方の幸せを考えた診療を心がけていますね。それには、佐藤も提唱している「一生のかかりつけ医」であることが大事。獣医師の役割は、ただ動物だけを診て治療をすればいいわけじゃない。相談役といったらいいですかね。飼い主さんの話をよく聞いて、飼い主さんにとっても動物にとっても、どういう形を取るのが双方にとって幸かを一緒に探っていく。動物と飼い主さんの組み合わせって、必ずひとつしかないですよね。飼い主さんがこういうライフスタイルでこういう飼い方をしているなかで、この子はこういう子になっていく、みたいな。僕ら獣医師にできることは、その組み合わせに対して最適な方法を一緒に見つけていくこと。そういう意味では、‘オーダーメイド’なんでしょうね。より最適な治療をするためにも、飼い主さんのこと、その動物のこともよく知っている必要がありますから、「一生のかかりつけ医」という立場で、一緒に幸せを見つけていきたいと考えています。

先生のご専門は?

動物にとって、がんと循環器の病気は死因となりうる2大疾患といわれているんですが、僕は卒業後、大学病院で循環器を勉強し、今は日本獣医がん学会に所属しています。飼い主さんがつらい思いをする可能性の高いこの2つの分野をちゃんと知っておけば、助けられる命も多い。動物にも何かしてあげられて、飼い主さんのことも安心させられるので、この2つに関してはしっかりしておきたいって思ってます。ただ、獣医師って総合医的な意味合いが強いものですから、ジェネラルに診れることも大事。現状、人間のクリニックと違って、動物病院に「ここが悪いから○○科を受診しよう」という意識で来られる人ってまずいないですから、町の獣医師はなんでも診れないといけない。例えば皮膚病にしても、単なる皮膚疾患なのか、それとも実は重い病気にかかっていて最初の症状として皮膚に現れているものなのか、その違いを見極めて、なるべく早期に確定診断できる見抜くセンスも重要。専門の先生に橋渡しするまでのジェネラリストとしてのレベルをもっともっと上げるために、外部の勉強会に出たり病院見学をさせてもらったりして、レベルアップに励んでいます。新しい情報を仕入れに大学病院などに行くと若い子たちがたくさんいて、モチベーションを分けてもらえてすごくいいんですよ。いつまでも、この先生ガツガツしてるなって思われたいですね(笑)。

飼育経験があるからこそ飼い主の気持ちがわかる。「一緒にいて幸せだった」と思える手伝いをしたい

獣医師さんって、子どもの時から動物が大好きで、自然と獣医師を志すというイメージがありますが。

動物が好きだっていうのは、基本的に獣医師の先生はみんなそうだと思います。僕ももちろんそうです。でも実は、最初は昆虫派だったんです(笑)。特にザリガニとか水生生物が大好きで。子どもの頃は新潟に住んでいて、周りは田んぼだらけでザリガニが本当にいっぱいいたんですよ。ザリガニをとったり、アゲハ蝶やカブトムシの幼虫を成虫にして放したりとか、そういうことに没頭していました。もともとは昆虫派でしたが、子どもの頃から犬も好きでしたね。「飼いたい!」って親に言い続けていたんですけど、でも、なかなか飼えなくて。父が昔、愛犬を事故で亡くしちゃったみたいで、「動物は死ぬと悲しいから飼いたくない」って、飼わせてもらえなかったんです。で、「勉強がんばるからお願い!」と、成績表でこれ以上取ったら……と交渉した末にようやく中学2年生の時に飼うことができたんです。

そこから獣医師をめざすようになった経緯を教えてください。

初めは獣医師ではなく、トリマーになりたいと思っていたんです。犬を飼いたての頃はとにかく犬に触っているのが楽しくて楽しくて、病気やケガを治すってことじゃなくて、キレイにしてあげるという感覚のほうが強かったんです。自分の犬はもちろん、近所につながれている犬を勝手に触りに行ってましたね(笑)。進路指導の時にもずっと「将来は、トリマーになります!」と言い続けていたんですけど、高校の担任の先生が、たまたまのちに僕が通うことになった大学の出身で、動物と関わる方法として、医療って形があると教えもらって、それで初めて獣医師という仕事を意識するようになりました。

実際に獣医師になられてみて、いかがですか?

日々、命の重みを感じながらも、やはりいい仕事だと実感しています。僕は理系だったので、周りの友人も必然的に理系で、SEとかが多いんですね。正直、労働条件でいうと彼らのほうが圧倒的にいいんですけど、でも、僕は仕事で大事なのはそこではないと思ってます。だって、自分がやったことがじかに、それも即、返ってくるわけですから。具合が悪かった子が、自分がしてあげたことによって、良くなったとか、ここまで実感を得られる仕事ってあんまりないと思うんですよ。損得とか、労働条件とかそういうのは関係なくて、いわゆるプライスレス的な(笑)。仕事をするからには人の役に立ちたいし、社会貢献も大事ですし、何よりも動物が好きですから、本当に楽しくやらせてもらってますね。また、命は限りあるものですから、いかに最善の治療を施しても、亡くなってしまうこともあります。僕も自分の愛犬を亡くした経験もあり、愛犬を亡くしたことから次の犬を飼うことになかなか踏み切れなかった父を間近で見てきましたから、大切な動物を亡くした時のダメージを極力少なくしたいという気持ちを強く持って診療にあたっています。飼い主さんが、家族である動物が亡くなってしまったという事実自体を、「思い出したくないくらい悲しいこと」ではなく、「一緒にいて幸せだった」と思えるお手伝いをしたいですよね。

分かり合えないことがあったら、徹底的に話し合うスタンスで、医療技術の向上を図る

スタッフさんがとても仲良く和やかなクリニックという印象を受けましたが、何か秘訣はありますか?

この仕事って、スタッフ同士の信頼関係が大事だと思うんです。チーム一丸となって、動物を助ける、飼い主さんを幸せにするというひとつの目標に向かってやっていくわけですから。お互いに高め合いながら。前に務めていた動物病院の院長には、「分かり合えないことがあったら、殴り合うまで話し合え」って教えられましたね。心の底から信頼し合って仕事しないと、やっぱりいい医療はできないので、院長になった今も、恩師からの教えは守っています。スタッフ間の話し合いは、ほかのどのクリニックよりもたくさん行っていると思いますよ。まあ殴り合うことはないですが(笑)。定期的な話し合いの場として、月1回、本院と分院合同で、院内勉強会を開催しています。例えば、その月に難治性の病気の子を治療したら、「こういう治療をしたけど、知っていること他に何かありますか?」と疑問を提起してディスカッションしたり、外部の勉強会で仕入れてきた最新の医療情報を共有したり。一人で全部の本を読んで勉強するよりも、それぞれが勉強したことを発表し合うことで、個々のレベルを上げ、病院全体のレベルも上げるので、とても有益な時間だと感じます。今後は、週に1回とか、頻度を増やしていきたいと思ってるんですよ。

勉強熱心な椎名先生。最近特に気になっていることは何ですか?

そうですね、歯の病気でしょうか。最近、歯科研究会に入会し診療でも力を入れています。歯が、全身的な不調につながることって多いんです。ワンちゃんネコちゃんと人の口腔内環境はかなり異なっていて、虫歯にはほとんどならない代わりに、歯石がかなり付きやすいんです。だから、できれば毎日歯磨きしないと歯石がたまって、やがてまずいことになってしまう。でも残念なことに、こういうことは一般的にはあまり知られていないこと。歯のケアを通じて健康のサポートをするのも獣医師の大事な役目だと思います。あとは、予防医療の一環として、飼い主さんのライフスタイルに合わせた手作りフードなんかもご提案していけたらいいですね。

では、最後に熱いメッセージを!

このあたりは散歩コースもしっかりあるし、クチコミのネットワークもしっかりしていて、皆さんそれぞれ情報を交換し合ったりとか、自分たちでどうしてあげたらいいかをしっかりと考えている飼い主さんが多いという印象があります。ただ、実際に来院される飼い主さんを見ていると、お仕事がお忙しい方も多いので、「ライフスタイル的に、自分がしっかりできていないからこの子が具合悪くなっちゃうのかな」ってことで苦しんでらっしゃる方も実は多いんです。こんなことで相談していいのかわからないから……と動物病院に行くのを躊躇して、ひどく悪くなってから来るという方も少なくありません。動物病院をもっと気軽に、うまいこと使ってもらいたいですね。ごはんのことやしつけのこと、歯磨きの仕方を相談しに来るだけでもいいので。単純に、僕がワンちゃんと絡みたいってのもありますが(笑)。でも、動物病院をうまく活用していただきながら、飼い主さんと、その家族である動物の幸せを考えていきたい、そう思ってます。

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