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鎌田 篤 院長の独自取材記事

小動物診療所

(港区/六本木駅)

最終更新日: 2023/01/22

六本木ヒルズと同年に開業した完全予約制の「小動物診療所」。「地域に密着した敷居の低い診療所にしたい」という思いをこめて、開業したところあれよあれよという間にクチコミが広がった。そのため待合室で待たせないこと、一人ひとりにしっかり診療できるようにと2006年から予約制を導入した同院だが、人気ぶりはとどまるところを知らない。エキゾチックアニマルを得意としていること、英語での診療が可能なこと、六本木駅からほど近くアクセス至便であることなど人気の秘密はいろいろ挙げられるが、何といっても鎌田院長の人柄が大きいだろう。笑顔を絶やさず、明るくはきはきとした口調で一人ひとりと丁寧に接する姿には、物言えぬ動物もこの人になら託したいと思わせる絶対的な安心感がある。 (取材日2016年10月27日)

2006年から完全予約制を導入し、混雑緩和を図る

六本木ヒルズと同じ年に開業されたそうですね。

六本木ヒルズができる際の道路拡張工事で実家の一部が道路になり、この土地に移転するにあたって病院にしました。2003年4月25日の開業なので、同日オープンした六本木ヒルズとは工事の段階からほぼ同じ年月をともにしてきたことになりますね。患者さんの多くは地元の方ですが、フェネックの診療ができる病院が少ないため、他県から来てくださる方もいらっしゃいます。土地柄、外国の方も多いですね。私は日本の大学を卒業後にオクラホマ州立大学に留学した経験があり、英語での診療もできるので重宝してくださっているようです。スタッフは最初から英会話ができたわけではないのですが、英語を使わざるを得ない環境にいるとだんだん話せるようになっていきますね(笑)。今では、スタッフ全員が英語での簡単な電話対応から受付、お会計までこなせるようになりました。

毎日、休みなく仕事をしていらっしゃると伺いました。

そうですね。最初は散歩仲間や昔の同級生が中心だったのですが、クチコミが広がっていき、いつの間にかたくさんの患者さんが来てくださるようになりました。しかし反面でお待たせすることが多くなりご迷惑をおかけすることがあったので、2006年から完全予約制にし、一人ひとりしっかり診療できる時間を確保することにしました。常に一杯というわけではないですが、予約外の方はなかなか受けられないのが現状ですね。ただ最初は私自身の飼い犬の散歩仲間が「こんな症状があるんだけど、病院に行ったほうがいいのかなあ」と話していたのが開業を考えるきっかけでした。行くべきか行かざるべきか迷っている間に症状が進むこともないとはいえません。そこで、飼い主さんのために地域に密着した敷居の低い診療所にしたいと思ったのです。ですので、何か困ったときはまず電話をいただければと思います。

診療内容についてお聞かせください。

現在は私のほかに猫好きの勤務医が1名、毎週水曜日に来ていただいている眼科診療を中心に行う獣医師が1名という体制で、犬、猫、うさぎ、ハムスター、モルモット、その他小型哺乳類の一次診療を中心に行っています。私は留学していたころにエキゾチックアニマルを多く見てきた経験があり、幅広い動物を診ることができるので、前述したフェネックのように診療してくれる病院が限られる動物の来院も多いですね。代診の医師は猫の診療、非常勤の医師は眼科分野の診療と、それぞれ異なる得意分野を生かして診療しています。重症の患者さんや骨折など整形外科的な症状の患者さんに関しては、このあたりに比較的多くある二次診療を行う病院や、整形外科の手術経験が豊富な病院へ適宜ご紹介しています。

うさぎの診療を得意とする看護師の存在も大きい

うさぎの診療も多いそうですね。

一時期は犬の次にうさぎ、その次に猫という感じで、猫よりうさぎが多いくらいでした。そもそもうさぎを診ることができる病院が少ないということもあるのでしょうが、当院にはうさぎの診療を得意としている看護師がいるんですよ。幼いころから自分でもうさぎを飼っていて、うさぎ好きが高じて医療の面でも役に立ちたいという一心で看護師資格をとって当院に来てくれました。うさぎが怖がっていればやさしく言葉をかけてあげたり撫でてあげたり、扱いにはとても慣れています。うさぎの飼い主さんの中には彼女を目当てに来院される方も少なくありません。「飼い主さんが不安に思っていることを感じ取り、安心に変えられるような治療がしたい」という思いが伝わっているのでしょう。

大学を2回出ておられるとお聞きしたのですが。

実家は代々建築関係の仕事に就いているのですが、私自身は5歳のころから「建築の道は向いていない」と感じていて、大学は日本大学の水産学科(現:海洋生物資源科学科)に進みました。高校を卒業する頃はほぼバブルの絶頂期だったので、大学院に進んで好きな魚の病気などを研究しながらフィールドワークでもしたいと思っていたんです。ところが、バブルが弾けまして。収入を得て家族を養える仕事を探さなければと進路を考え抜き、動物が好きで獣医師という職業に憧れがあったことから、獣医学科で学びなおすことを決めました。幸いなことに、私が人生の岐路に立つと必ず良い助言者が現れて、ヒントを示してくれるんですよ。このときもある人のアドバイスによって獣医師への道が拓け、獣医師国家試験にパスして留学することができました。動物園や専門病院や大学病院で勉強した後、国内での勤務経験を経て、今に至ります。

水産学科で学ばれたことが、今に生きていると感じることはありますか。

たくさんあります。水産学科で学べるのは生物だけではなく、物理や化学に関することから地質までの理科全般、経営にまつわることまで本当に多岐に渡るんですよ。この時期があったおかげで多角的な視点と知識を得ることができましたし、研究に縛られすぎずに比較的自由に出歩ける学科だったので、飛躍的に人脈が広がりました。当時、文京区湯島の「野生生物研究センター」という施設の中に、野生の生物に関する書籍を集めたブックセンターがあって、よく出入りしていたんです。都内には唯一といっていい場所だったので、同じような分野に興味を持った人がたくさん集まってきましてね。そこで出会った方々とのご縁は、今も続いています。大学教授になった人もいれば、水族館の館長になった人もいて、みんな見事にバラバラ(笑)。でも、おかげで日本全国どこに行っても知人がいます。

「動物を飼うすべての人」に開かれた医院で在り続ける

非常にお忙しい毎日ですが、お休みの日はどのようにお過ごしですか。

今は非常に多忙で、ほぼ休みなく働いています。夕方に少し寝て、私が帰宅する頃に起きるという生活習慣ができている娘とのコミュニケーションは何とかとれていますが、忙しい私を見ているせいか、医師ではなく物を仕入れてそのまま販売するような仕事のほうに興味があるようです(笑)。でも、本気でこの仕事をしていたら、ゆっくり休んでなんていられないのが現実だと思いますし、家族はそれを理解してくれているようです。

診療にあたって心がけておられることは。

飼い主さんの話にじっくり耳を傾けるということ。動物は言葉を話せないので、飼い主さんのお話から推測しなければならないことがたくさんあります。できるだけしっかり時間を取って、一件一件と向き合うことを心がけていますね。外国人の方の場合はバックグラウンドや文化が違うのでなおさらです。とは言え、予約が詰まっている今はどうしても時間に限りがあるのが現実。なるべく伝えたいことを整理してから来ていただけると、診療がスムーズに進むのでありがたいなと思います。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

ご覧の通り都会の真ん中にある病院なので、患者さんの入れ替わりが激しいほうだと感じています。5年以上にわたって住み続ける方のほうが少ないかもしれません。これまでも、リーマンショックや福島第一原発事故などのたびに何割かの患者さんが去り、また新しい患者さんがいらっしゃるということを繰り返してきました。これからもそれは変わらないでしょう。それでも、当院にいらしてくれるのが「動物が好きで飼っている人」であるということに変わりはありません。私たちを取り巻く環境にどんな変化があっても、そうした人たちのために開かれた医院で在り続けたいと思っています。

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