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神坂由紀子 院長の独自取材記事

番町いぬねこクリニック

(千代田区/九段下駅)

最終更新日: 2023/01/22

八丁堀駅から徒歩3分。都会のオフィス街にある「八重洲動物病院」。犬と猫の可愛いイラストが描かれた大きな黄色い看板が目印で、通りからも院内の様子が伺えるガラス貼りの開放的なつくりが特徴。猫・犬の一次診療をメインに、ペットホテル、トリミング、しつけ相談などサービスは幅広い。院長の神坂由紀子先生をはじめスタッフは全員女性で、親身で温かい対応に安心感が強いと、近隣住民が多数訪れている。飼い主へは丁寧でわかりやすい説明、動物には優しく、ストレスや苦痛のない的確な診療を心がけ、ホームドクターとしての支持も厚い。動物への愛情が深く、地域猫の保護活動等にも積極的に取り組み、ボランティアからも頼りにされている神坂先生はプライベートな時間も取れないほど多忙な日々。そんな神坂先生に、獣医師を目指したきっかけ、治療スタンス、さらには都会で動物を飼うための注意点などをお伺いした。 (取材日2013年1月8日)

飼い主として動物病院に通ったことをきっかけに、獣医師へ転身

獣医師を志した理由を教えてください。

私の場合はちょっと変わっています。以前は12年間、化粧品の販売員をしていました。家庭の事情で学業が思うようにできず、大学への進学は出来ませんでした。でも、いつかは大学へ行きたいという思いをずっと抱いていました。昔から動物が大好きで、当時は犬や猫を飼えるマンションは少なかったのですが、小鳥なら飼育可能でしたので、飼うことにしました。その子が病気になり、飼い主として不安を抱えて動物病院に行ったのですが、詳しい説明はなく、納得がいかないことが多かったんです。人間の病院でもインフォームドコンセントが浸透していない時代でしたから、動物病院は尚更でした。何件も病院を回る中で、一人の理想の獣医師に出会いました。その先生は、親身に話を聞いてくれて、病状や治療について十分に説明するだけでなく、飼育の仕方も細かく指導してくれたんです。「自分もこんな風に信頼される獣医師なりたい!」と、心に火が付きました。仕事を辞めて、根気よく勉強して、獣医大学に合格したんです。卒業後は、横浜の動物病院で経験を積み、6年前に開業という夢を叶えました。一生の仕事場に選ぶなら自分が一番住みたい街がいいと考え、この場所を選びました。私は銀座が大好きなんですよ。石原裕次郎の出演した映画「銀座の恋の物語」の影響です(笑)。

こちらの特徴を教えてください。

獣医師の私を含めスタッフは全員女性で、飼い主さんからは女性ならではの話しやすさからか、安心して通院することができると好評です。治療以外にも飼い主さんのために、ペットホテルやトリミングのサービスも行い、気軽に立ち寄っていただけるようにしています。また、必要な場合には専門の先生や高度医療機関をご紹介して、その子にとっての最善の治療法を考えて対応しています。

診察で心がけていることは?

なるべく飼い主さんに立ち会っていただいての診察です。大きな病院だと預かって奥で治療や検査をしますが、ここではできる限り診察室で行い、飼い主さんに分かりやすく丁寧に説明しながら治療を進めます。院内もオープンな作りで、待合室からでも診察室で何が行われているのか見えるようにしているんです。飼い主さんとはしっかりコミュニケーションをとり、動物の様子を詳しく伺うことも、的確な診断には欠かせません。飼い主さんにとってペットは子どもと一緒で、大切なパートナー。治療に専念し、猫ちゃんやワンちゃんが元気になって、飼い主さんの笑顔を見るとやりがいを感じます。

24時間動物のために動く。気持ちをこめた診療に飼い主の信頼は絶大

これまで忘れられないケースを教えてください。

ここを開院して初めての患者さんで、他から転院してきた猫ちゃんです。腎不全を患い、何かこの子にとって出来る治療はないだろうかと当院に来られました。現状、完治することは難しいとお伝えした上で、延命することができる可能性をお話しさせていただきました。1年以上、信頼して治療に通っていただき、猫ちゃんも本当によくがんばりました。飼い主さんは、猫ちゃんの命日に何年も挨拶にきてくれ、いただいたお礼のお手紙は今も診療室に飾っています。

ご自身でも動物を飼っていますか?

30年一緒にいるオウムと、学生時代に保護した14歳になる猫がいます。オウムの方が先住なので、猫より強いんですよ。この仕事をしていると保護されてくる猫ちゃんが多いので、愛着が沸くとキリなく飼いたくなるんですが、マンション住まいなのでなんとか我慢しています。

お仕事でストレスはたまりますか?

ストレスだらけで、円形脱毛症になるぐらい(苦笑)。落ち着いてる子だけではないので、常に緊張感はあります。ストレス解消法はカラオケで思いっきり歌うことぐらいですね。自宅が近いので、休みの日も入院患者さんのお世話で行ったり来たりしていると終わっちゃいますから、ゆっくり買い物や海外旅行にも行きたいですが、今はなかなか時間がとれないです。具合の悪い子は夜間心配で置いていけないので、必要に応じて酸素ボンベを自宅に持ち込んだりして、連れて帰ることもあります。連れて帰れない子がいる時は病院に泊まりこみます。どうしても入り込んで診療してしまうので、亡くなってしまうと、毎回ひどく落ち込みます。本当は飼い主さんの前で泣いてはいけないんですが、やはり涙が出てきちゃいます。

どういう時は相談に来ればいいですか?

普通に見ていて、食欲がない、動きが緩慢、トイレによく行くなど、いつもと様子が違うと思ったら、すぐに相談にきていただきたいですね。放置して手遅れになるくらいなら、早めにきて何もないとわかった方がいいですし、定期的に検診に来ていただくのが一番安心。最近では、地震の際体調を崩してしまったというご相談が非常に多く、特にワンちゃんには影響が強かったようです。地震が起きた時には、なるべく飼い主さんが騒がないようにするのがペットを不安にさせないコツだと思います。

地域猫や小笠原猫の保護など、ボランティア活動にも幅広く取り組む

臨床以外にも様々な活動をされていると伺いましたが?

獣医師会に所属し、そこではさまざま先生に出会う機会が豊富で刺激を受けています。他には、地域猫の保護活動に協力しています。殺処分ゼロを目標に活動されている中央区や千代田区の団体のボランティアさんたちとの関わりは深いです。子猫を保護すると当院に連れてきていただくので、昨年1年だけでも何十匹も子猫を診ました。ワクチンを打ち、病気があれば治療し、預りさんに委ねたり、当院で里親さんが見つかることもあります。生粋の野良猫ちゃんは去勢してリリースするパターンも多いです。また、小笠原の猫を慣らして、飼い主さんを探すボランティア活動にも参加しています。最初は触ることもできない程凶暴なのですが、徐々に慣らしていくと、2ヶ月から半年ほどで、みんなスリスリになりますよ。これまで成猫3匹を卒業させましたが、その中の1匹がここで赤ちゃんを産んだので実は5匹(笑)。動物を守る活動には、今後もチャンスがあれば積極的に関わっていきたいです。

都会でペットを飼う際に気をつけることはありますか?

とにかく脱走防止です。特に猫ちゃんは一度逃げてしまうと、都会ではなかなか見つけるのが難しいですね。猫ちゃんがいなくなったという相談を受けることもあり、その際は探す手立てをお教えします。地域猫の面倒をみているボランティアの方に頼んだり、周りに声かけをすることで、見つかるケースもあるんです。ボランティアの方々は「誰かがやらないと」と熱心に餌やりや見守りをして、地域の方に迷惑がかからないように活動してくれていて、本当に頭が下がります。ボランティアの方々からは学ぶことは多く、私も獣医師として少しでも力になりたいと思います。ワンちゃんの場合は脱走しても、マイクロチップを入れていれば見つかる可能性は高いものの、やはり交通事故が非常に心配です。先日もボランティアさんが泣きながら猫をかつぎ込んできました。突発的なことがあれば、迅速に対応して命をつなぎとめる努力は惜しみませんが、ノーリードでの散歩は交通事故につながるので絶対に止めてほしいですね。また、最近はきちんとしたケージに入れない方が多いのも気になります。首からかける簡易なタイプは、落ちて骨折する事故が増えています。小型犬は落ちれば一瞬で骨折しちゃいますし、不注意で逃げてしまうことも多いんです。また、高層マンションからの転落事故もありますのでくれぐれも窓の開け閉めなどにも注意してください。

読者へのメッセージをお願いします。

動物を飼うなら、絶対に生涯を通してお世話をする覚悟を持っていただきたいです。誰かに飼われていたということがすぐにわかる程、人に慣れている動物たちが突然公園に現れたりする現状に何度も直面しました。厚意で引き取ってお世話をしてくれている方がいますが、飼い主さんはなかなか見つからないのが現状です。安易なお飾り的な気持ちでペットを飼うのだけはやめてほしい思います。私も動物たちを守るために、今できることをコツコツやっていこうと思っています。

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