JR中央線・総武線の三鷹駅、吉祥寺駅から徒歩で約20分、このエリアで有名なアニメーション美術館のほど近くに位置する「高石動物病院」は、のどかで緑あふれるこの地で30年以上の歴史を刻んできた。2017年1月に副院長として勤務していた高石裕未先生が先代から引き継ぎ院長に就任。飼い主とのコミュニケーションに重きをおき、「いたくない こわくない動物病院」をモットーに、日々診療に向き合う。幼い頃から、獣医師として動物たちと向き合う両親の姿を見て育ち、動物たちと共に過ごしてきた裕未先生。言葉の端々から、両親への思い、動物たちへの愛情がひしひしと伝わってくる。やさしい笑顔が印象的な裕未先生に、院長就任への思い、診療の際に大切にしていることなどについて語ってもらった。
(取材日2017年2月8日)
―2017年1月、院長に就任されたのですね。
はい、そうです。日本獣医生命科学大学大学院獣医学博士過程終了後、埼玉県の動物病院に勤務し2011年から当院で副院長として診療していました。先代の院長である父と話し合い、「そろそろ世代交代を」ということで、2017年1月に院長に就任しました。これまでの業務内容と大きく変わる点は特にありませんが、院長という責任ある立場として病院運営を担っていくことを思うと、身がひきしまる思いです。わが家は父、母、弟も獣医師という「獣医一家」で、開院以来、地元を中心にたくさんの飼い主さんと一緒に歩ませていただいてきました。これからも「いたくない こわくない動物病院」をモットーに、飼い主さんや動物たちと距離の近い診療を続けていきたいと思っています。
―飼い主さんたちの反応はいかがですか?また、院内の一部をリフォームされたと伺いました。
当院には、父と母が開業した頃から通い続けてくださっている飼い主さんもたくさんおられます。年配の方も多く、診療の時「お父さんとお母さんは元気ですか?」と、よく声をかけてくださるんですよ。私の小さい頃のことを知ってくださっている方も多く、「昔はここでちょこちょこしていたのよ。立派になったわね」などと声をかけていただくこともあります。そんな時は恐縮してしまいますが(笑)、いつも温かく見守ってくださり感謝の気持ちでいっぱいです。院内は、飼い主さんや動物たちにとってより温かい空間にしたいと思い、やわらかい色調の壁紙に変えるなどリフォームを行いました。第2診察室を設け、混雑時にはこちらでも対応したり、こわがりな猫ちゃんの避難スペースにしたりなどさまざまな用途で使っています。
―診療の際、大切にしていることはどんなことですか?
飼い主さんとのコミュニケーションに重きをおき、信頼関係を築くことです。動物たちは、言葉はしゃべれませんが、さまざまなことを本能でキャッチします。飼い主さんが、獣医師と話をする時に緊張したり不安に思っていたりすると、動物たちはその様子を見てストレスを感じてしまいます。逆に、飼い主さんが心を開いて話をされることで、緊張していた動物たちもだんだん慣れてきて「この人は大丈夫な人なんだ」と安心してくれると思います。かわいがっている動物が苦しそうだと飼い主さんは不安になりますし、特に初めて動物を飼う飼い主さんは、どうすればよいのかわからず戸惑ってしまいます。その気持ちはそのまま動物に伝わるので、雑談を交えたり、ちょっとした映像を流すなどしながら飼い主さんに寄り添い、しっかりコミュニケーションをとることを心がけています。
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