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石橋 徹院長、石橋実佐子副院長の独自取材記事

いのかしら公園動物病院

(三鷹市/吉祥寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

吉祥寺、三鷹からバスで約10分。緑豊かな井の頭公園のすぐそばにある動物病院が「いのかしら公園動物病院」だ。まず驚くのが、麻布大学博士課程を修了し、主に外科と循環器科とエキゾチックペットを担当する石橋徹院長と内科・腫瘍・皮フ科を担当する副院長の石橋実佐子医師のぴったり息の合った治療だ。お互いに尊敬しあっているという二人の信頼関係は治療面でも外科・内科、手術・検査と攻守バランスのとれた医療になって現れている。そんな二人が支える同院は、毎日差し入れを持ってきてくれる患者さんなど暖かさでいっぱい。人だけではない。ここを訪れるペットたちも、いのかしら公園動物病院のスタッフの手にかかればすんなり治療を受け入れてくれるという。ペットも医師の人柄を見ているのだろうか? 真相を石橋院長、実佐子副院長に聞いてみよう。 (取材日2013年11月6日)

飼い主のニーズに見合った等身大で現実的な治療を

治療の際、石橋院長が心がけていることは何ですか?

【石橋院長】等身大で、過不足のない現実的な治療をすることです。問診・視診・聴診・触診で、おおまかな状況が把握できたら、現状と見通しをわかりやすく説明し、まずは、飼い主さんとしっかり対話をします。飼い主さんが何を期待しているのか。何をして欲しくて、何をして欲しくないのか。飼い主さんの介護の限界はどこまでか。臨床とは患者に寄り添うことであるという言葉がありますが、患者(動物)だけでなく、飼い主さんにしっかり寄り添うということが大事だと思っています。初対面の方と緊迫した雰囲気で対話するのが苦手なので、深刻な状況でない場合には積極的に笑いをとりに行くこともあります。まずはお互いリラックスです。飼い主さんと親しく会話をしていると、この人はお母さんの友達なんだと動物が思うのか、診察にも良い影響があります。このような向き合い方をしていると、時には飼い主さんの希望によって必要最低限の検査に絞り込まざるを得ない場合もあり、診断が難しくなる場合もありますが、カミさんとがっちりタッグを組んで相談しながら診察をすすめているので、まず見落としなどはありません。特にカミさんは大学病院で研修医をしたあと、高度医療を行う病院に長いこと勤めていたので、彼女の経験がモノをいいます。必要最低限の検査に絞った中でも、とくにこの検査だけは別枠で絶対必要だと彼女が指示を出すことがよくありますが、あとになってコレが実に正解だったことが判る。おお〜って思いますね。

地域の医師として活動することについて、感じていることや意識していることはありますか?

【石橋院長】うちの患者さんは善良で愛情深い方が多いので、毎日ありがたいなぁと思って仕事をしています。 【実佐子副院長】開業当時の余裕のないときに、毎日、晩御飯のおかずを持ってきてくださる方がいました。5年近くもですよ。 【石橋院長】その飼い主さんは、いつも妻の事を心配してくださっていて「仕事終わったあとにごはん作るんじゃ大変でしょ」って。その方は私には厳しくて、実佐子先生に苦労かけるんじゃないよ。ってよく説教されました。親戚のおばさんみたいな感じでしたよ。こういったエピソードは沢山ありますね。ご近所付き合い的な暖かさは常に感じています。患者さんたちに守られているなと思います。その想いに応えるべく、地域の親切な獣医でありたいと思っています。遠方からわざわざ来ていただくほどの病院ではありませんが、自転車で来られる距離ならば、2〜3件素通りしてでもうちの病院に来る価値はあると思いますよ(笑)。 【実佐子副院長】 相談だけに来られた方にも親切丁寧に答えていますしね。 【石橋院長】 病気の相談だけではありません。この前も小学校から「カメをどうやって育てたらいいか」と相談を受けたので対応しました。ミドリガメの生態や飼育方法はもちろん、攻撃的で不衛生な生き物としての問題点、外来生物としての問題点といったネガティブな要素も盛り込んだテキストをつくって担任の先生にお渡しし、待合室のカメ水槽の前で子供達を相手にカメ教室を開きました。商店会のお祭りで、ペットと震災というテーマで講演をしたこともあります。獣医の腕とはぜんぜん関係ない分野なんですけどね。ただ、この地域の獣医師である、ということは、この地域で一番動物に詳しいということが前提にあるべきだと思っています。獣医学的なことに限らず、ムダにいっぱい持っている動物に関する知識を地域社会に役立てたいと思います。私たちは東京都から委託されて、野鳥の保護活動もやっています。そのほか、環境省の特定危険動物・特定外来生物関連の仕事もしています。最近では、東京都内のあちこちの警察署から、よろず動物相談を受けています。警察もいろいろな動物を持ち込まれて対応に困っているようですので、アドバイスをすると大変喜ばれます。こいった業務をこなすには、あらゆる動物に関する知識と経験がなければなりませんが、そういった知識を持っている専門家の責務として、相談をしに来た人にはどんな些細な事でも200%応える気持ちでいるんです。

基本に忠実に。無理のない治療を心がける

「都から委託された野鳥の保護」とはどういったことをされているのでしょう?

【石橋院長】東京都には野生動物の救護センターを建てないという方針があり、そのかわり、都内の60件ほどの犬猫病院と提携し、都民が持ち込んだ傷病野生鳥獣を治療するようにしています。私はそのうちの一件ですが、フロリダ大学の動物園・野生動物科で研修を受けた経験をもとに、適切な対応を行っています。都市で救護される動物には、野生動物だと思っていたら逸走ペットであったり、救護対象ではない特定外来生物であったり、中には違法に飼育されていた野生動物であったりと、背景となる法律がバラバラで、行政窓口が混乱することも多いのですが、私のところではそういった動物全般に対応する知識と経験がありますので、その都度、行政に的確なアドバイスをしています。 【実佐子副院長】ハヤブサなどの希少な猛禽類や、いろんな鳥がやってきますよ。 【石橋院長】野生動物の救護事例は、交通事故などで大破している例が多い一方、最終的には自然界の生き残りレースに勝てるぐらいの身体能力に戻してあげないと治療の意味がありません。手術の技術が試される瞬間です。幸い生まれつき手が器用なので、成績はいいです。

フロリダ大学の野生動物科の研修ではどんなことを行っていたのですか?

【石橋院長】フロリダ大学の大学病院には、ZOO&WILDLIFEというセクションがあり、一般の飼い主を対象とした、いわゆるエキゾチックペットの診療と、動物園をクライアントとする動物園動物の治療、怪我や病気で保護された野生動物の治療を行っています。全米で天才外科医と呼び名の高いエイベリー・ベネット先生が、大真面目でイグアナの去勢をしているかと思えば、次の日にはゾウガメの骨折にプレートをあて、クマの椎間板ヘルニアの診断をし、車に轢かれたゴーファーガメの甲羅を接いでいる。高名な爬虫類病理学者のエリオット・ジェイコブソン博士が、パピローマウイルスの研究のために巨大なウミガメをCTにかける。なんでもありで盛りだくさんの研修の日々でした。エキゾチックぺットの雑誌で長く監修をやっていたので、開業したらそういった患者も多かろうと思い、本場のアメリカではどの程度の事が行われているのかなということを確認してくるのが目的でした。

どんどん新しい技術を取り入れる、というよりは確実な治療を心がけてらっしゃいますね。

【石橋院長】そう言うと、我々が不勉強な獣医師であるかのように誤解されてしまいますが、そうではありません。日進月歩と言うと聞こえはいいですが、確実なところを押さえようと思えば、そうそう新しい技術なんてものはありません。最新の治療を受けてお金もいっぱいかかっちゃったけど1ヶ月しか生きなかったね。などという飼い主さんの声はよく聞かれます。私はそういう想いを自分のクライアントにさせたくないのです。もちろん、情報提供はしますよ。希望があれば高度医療施設への橋渡しも、最先端治療のご紹介もしています。うちは皮膚病治療の実績が高く、テレビで紹介された時には、遠方からの患者さんでいっぱいになったこともありますが、やっていることはごくごく基本的な事です。 【美佐子副院長】新薬にもなかなか手を出さない(笑)。よほどの新機軸でないかぎり、使用実績のない歴史の浅い薬は使わないようにしています。石橋は叩いてもすぐには渡りません。

あらゆる動物が好きだった子ども時代

先生方はどんな子ども時代を過ごしてきたのですか?

【石橋院長】昆虫学者・動物園の飼育係・外国の野生動物保護官。生き物に携わる仕事を知るたびに周りのオトナに『これに成る』宣言をしてましたね。最終的には、動物と接する上で最も多くのことが実践できるのは獣医だということで、獣医におちつきましたけど。 【美佐子副院長】いままでいろんな動物を飼いました。小学校では飼育係で、大学でも親を亡くした子ダヌキを連れて登校するような学生でした。

お二人が着ているシャツは白衣ではないんですね。

【石橋院長】スクラブスーツといって、手術の際、ガウンの下に着る手術着です。動物柄になっているのは、私達の趣味の色合いが強いですが、動物が怖がらないという重要な意味があるんです。 【美佐子副院長】白衣など動物がパターン認識しやすい服は、恐怖体験とともに条件付けされてしまうので、病院イコール恐怖で大暴れという図式になる子もいます。動物柄のスクラブスーツは人の見た目にも楽しいですが、動物にも恐怖を与えないのです。動物の扱い方そのものにも工夫をしていますが、ほかのクリニックでは聴診すらできなかった子が、診察を受け入れ、注射もさせてくれて飼い主さんがびっくりすることも多いですよ。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

【石橋院長】疑問に思うことがあったら、インターネットで検索するよりも担当医に相談することです。飼い主と動物のことを一番心配しているのはほかでもない担当医ですから。沢山お話をしましょう。 【美佐子副院長】ペットとして売られている動物が、必ずしも飼いやすい動物とは限りません。飼いはじめてから現実問題に直面して困っている飼い主さんを時々見かけますが、まずは事前に相談していただけると、いろいろな情報提供ができると思います。

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