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村田佳瑛子 分院長の独自取材記事

練馬動物医療センター ホンド動物病院 春日町病院

(練馬区/練馬春日町駅)

最終更新日: 2023/01/22

練馬春日町駅から徒歩8分。穏やかな空気の流れる街並みを通り抜けると、道路に面したガラス張りの建物が見えてくる。「ホンド動物病院 春日町病院」は、現在、練馬区内に3院ある「練馬動物医療センター ホンド動物病院」の中で、最も歴史のある同院。分院長を務めるのは村田佳瑛子先生だ。気さくで笑顔の素敵な先生の専門は眼科で、白内障手術という動物医療の中でも特殊といえる分野を得意としている。加えて、特殊医療である内視鏡検査・治療を提供しており、犬猫に多くみられる異物摘出も行っている。独自に開催するしつけ教室では、生後6ヵ月までの子犬を対象に、行動学専門の看護師が指導にあたるなど、専門分野に長けた医師やスタッフたちが連携を取りながら、動物たちの診療に臨んでいる。飼い主の気持ちに寄り添った診療を常に心がけているという村田先生を慕う地域住民は多い。大の動物好きだという先生に、医院の特徴や診療へのこだわり、獣医師をめざしたきっかけなどについてじっくり語っていただいた。  (取材日2014年7月4日)

内視鏡検査と白内障手術。2つの特殊医療を専門とした動物診療を提供

副院長になられるまでの経緯を教えてください。

北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、すぐに「ホンド動物病院」で勤めはじめました。当院の本渡院長と、大学在学中、私がお世話になった研究室の先生が、かつて同級生だったというご縁から、ご紹介いただいたのがきっかけです。当初は、スタッフも私を入れて5〜6人でしたが、この6年ほどの間に、豊玉病院と石神井病院が新たにできて、スタッフも増えました。現在は、それぞれの専門分野を活かしながら、3院でうまく連携を取り、診療にあたっています。春日町病院では、犬、猫、ウサギ、ハムスターの一般診療・一般外科とともに、「内視鏡検査」や「白内障手術」といった特殊医療の提供を専門とした診療を行っているほか、しつけ教室の「パピークラス」も開いています。

まず、内視鏡検査についてお聞かせください。

内視鏡検査は、人間の場合と同じで、内視鏡を使って、胃や十二指腸、直腸などの消化器症を肉眼的に観察し生検するための検査です。また、動物たちは誤飲といって、おもちゃや紐などの異物を飲み込んでしまう事があります。その際、それらを摘出するために内視鏡がとても役に立ちます。内視鏡の設備がない病院では、胃を切開して取り出すこともありますが、当院では、口から取り出せるものであれば、切ることはありません。麻酔は行いますが、動物への負担も少なく、その日の夜には、ご自宅にお帰りいただける日帰り処置を行っています。嘔吐や下痢など、慢性的な症状が続く場合は、腎不全など他の病気がからんでいることもあるので、内視鏡が必要なのか、それとも違う処置が必要なのか、ひとつずつ判断しながら、診療にあたっています。

先生は眼科がご専門だそうですね。

北里大学獣医科に在学中、ちょうどタイミング良く眼科専門の先生が着任されました。実は、この方こそまさに、当院の本渡院長を紹介してくださった恩師なのですが、当時、獣医師として専門性を身につけておきたいと考えていた時でしたので、迷わず、眼科の一期生として学びました。動物たちは言葉を話すことができないので、アイコンタクトが非常に重要です。日頃のコミュニケーションにおいてはもちろんのこと、目は、病気を発見する上でも、飼い主さんが一番気づきやすい部分です。具合が優れない時は、目の表情も明らかに違いますからね。当院では、一般的な眼科検査をはじめ、緑内障や乾性角結膜炎など、さまざまな目の病気の診療にあたっていますが、中でも多いのは、白内障症例です。加齢が原因の場合もありますが、遺伝のケースも多く、1〜2歳で患う犬猫もいます。一度白内障にかかると、元の状態に戻すことは難しく、やはり手術をすることが最適な治療となります。その他、症例数として多いのは、角膜潰瘍や緑内障などのケースが挙げられます。点眼で治ることもありますが、場合によっては、手術を行うこともあります。

動物とのアイコンタクトを大切に。飼い主の立場に立った思いやりあふれる診療を

パピークラスについて教えてください。

当院では、6ヵ月齢までの子犬を対象に、しつけ教室を開いています。講師は、行動学を専門とする当院の看護師、天川(てかわ)さんです。場所は、同じ練馬区にある豊玉病院になりますが、トイレ、おすわり、甘噛みなどのしつけトレーニングを、週に1回、計4週間にわたって行っていきます。この教室をはじめてから、当院に着くなり、走ってきて、ポーンと診察台に飛び乗るなど、病院を好きになってくれるワンちゃんがかなり増えたので、私としては嬉しいかぎりです。動物病院は、できれば来ない方がいいところですが、長い目でみたら、好きになってもらえた方がいいですし、犬が嫌がっていると、飼い主さんとしても、心苦しいものです。連れて来ることができなかったために、病気の発見が遅れてしまうということもあるので、やはり小さいうちから慣れさせておくことは、有効的だと思います。

日々の診療で心がけていることは何ですか?

診療でも、まずアイコンタクトをきちんと取ることを心がけています。その上で、「体をよく触り、よく診ること」、そして、「飼い主さんのお話しをじっくり聞くこと」を大切にしています。実は、つい先日、14歳の愛犬を老衰で亡くしました。平均寿命が12歳くらいといわれる大型犬の中では、よくがんばってくれたと思うのですが、以前、当院で、その子を手術したことがあるんですね。助からない可能性があるといった深刻なものではなかったのですが、手術の前日も、当日も、「もし、何かあった場合どうしよう」と不安が胸を駆け巡り、極度の緊張状態が続きました。これは、飼い主さんの気持ちが、身に沁みてよくわかった一番の経験でした。動物たちのかけがえのない命を守ることはもちろん、コミュニケーションをじっくり交わすことで、飼い主さんの心配や不安を理解し、少しでも安心していただきたい……。そんな思いで診療にあたっています。

心に残る動物や飼い主さんとのエピソードを教えてください。

「最近、元気がないので、診てほしい」と飼い主さんが連れて来られたのは、8歳くらいの犬でした。検査してみたところ、少しやっかいなタイプの腎臓病で、治療すればするほど、むくんでしまう、ゆえにこちらを治すとあちらの具合が悪化するという八方ふさがりの状態でした。飼い主さんが看護師の方でしたので、病気に対する知識も深く、「もう無理かもしれない」と、一時はあきらめかけたこともありました。それでも、できるだけのことをしてあげようと、お薬を変えたり、ご自宅でも食事を変えたりしていました。依然として状態は変わらず、もってあと2〜3日だろうと予測していたある日、病気だったことが信じられないくらい、突然、元気になったんです。「先生があきらめないで付き合ってくださったおかげです」と飼い主さんが言ってくださった時は、本当に嬉しかったですね。

動物と人間の架け橋的存在として、地域の動物医療に貢献していきたい

獣医師をめざされたきっかけについて教えてください。

小さい頃から動物が大好きで、犬猫はもちろん、ひよこ、うさぎ、シマリスなど、あらゆる動物を飼ってきました。虫や魚もすべての生き物が好きで、宝箱にダンゴ虫を入れたりする子どもで、ずっとシャチの調教師になりたいと思っていたんですね(笑)。高校生の時、たまたま人間と動物に関わるウィルスの病気に関する本に出会いました。そこではじめて、動物の病気に、人間がかかることもあり、そのどちらの治療・管理にも携わっているのが獣医師だと知りました。動物と人間の両方に関われる仕事に就きたかったこともあり、この道を志しました。動物と人間の架け橋といいますか、両者が繋がる間にいるのが獣医師という存在ではないかなと思っています。

休日はどのように過ごされていますか?

休診の水曜は、隔週で、世田谷区にある眼科専門の病院「どうぶつ眼科 EyeVet」で、勉強させていただいています。当院では、他の医師やスタッフたちも、年間の休日の半分以上を大学病院や各研究会での研修に充てて、専門分野を追求したり、さらに研究を深めることを継続しています。火曜、水曜と連続でお休みをいただく時は、名古屋、富山、島根など気分転換も兼ねて、好きな旅行に出掛けています。あと、スポーツでは剣道をしますね。中学の頃からやっていて、実は剣道二段なんです。あと最近では、花嫁修業も兼ねて、料理教室に通っています(笑)。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

何よりも地域の人に慕ってもらえる病院になることが一番の目標です。知るかぎり、練馬区には眼科専門の動物病院は稀少ですので、他の病院の先生方からも、「目の症例なら、ホンド動物病院」と信頼していただけるようになれたらいいですね。動物たちの些細な変化に気づけるのは、飼い主さんだけです。子どもといっしょで、よく触って、よく見ているからこそ、わかることがあります。毎日のコミュニケーションの中で、「何かおかしいな」と思ったら、ぜひ気軽にお越しください。これからも、一つひとつの出会いを大切に、動物と飼い主さんがより幸せに暮らせるよう、尽力していきたいと思います。

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