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日景 淳 院長の独自取材記事

アーツ動物クリニック

(板橋区/志村三丁目駅)

最終更新日: 2023/01/22

都営三田線「志村三丁目」から徒歩数分、中山道沿いに手作りポスターが貼られ、飼い主さん同士のコミュニティースペースが設けられた個性的な動物病院がある。「アーツ動物クリニック」の日景淳院長は、大手企業でサラリーマンを経験した後に30歳代で大学に入りなおして獣医師になったという経歴の持ち主だ。その時の社会経験を診療にも飼い主とのコミュニケーションにも生かしている。開業は2010年。ペットたちが最初に訪れる1次診療としての“町のクリニック”のぬくもりを大切にし、来院の垣根を下げるため予約なしで受け付けている。モットーは「飼い主さんもペットも幸せになること」。自ら最新の医療技術を学び続けるとともに、飼い主同士の触れ合いの場を設けたり、さまざまな教室を開いたりとコミュニケーションの輪を広げ、多くの飼い主から信頼を集めている。 (取材日2014年7月4日)

“町の獣医さん”として、飼い主とペットの気持ちを尊重

まず、板橋区に医院を構えた経緯からお聞かせください。

この場所に開業したのは、2010年です。その4年ほど前に妻の地元である板橋区に居を構えました。そのころは勤務医で、近い将来に開業したいと考えてはいましたが、実際に住んで町のことを知るにつれ、ここで開業したいと具体的に考えるようになりました。古くからの町ですが、それに加えて新しい住民の方々も増えている状況で将来に向け活気づいていくという予感がしました。場所は、環状8号線からも近い、中山道(国道17号線)沿い。往来が多い場所なので、いろいろな方に来ていただいています。地域柄、屋外で犬や猫を飼っていらっしゃる方よりも家の中で飼っていらっしゃる都会型の飼い主さんが多いですね。

医院の特徴を教えてください。

私がめざすのは、犬や猫たちのかかりつけ医になることです。少しでも様子がおかしかったり、気になることがあれば、気軽に来院していただきたいと思っています。配色も明るいオレンジを基調にして、動物病院にありがちな“におい”についても極力気を使っています。さらに足を運んでもらいやすいように、予約制をとっていません。ペットの具合が悪くなったときに、予約が必要となると飼い主さんは診療日までとても長く感じてしまいますよね。困ったときにすぐに来ていただけるクリニックでありたいのです。そして、院内で待ち時間ができてしまった場合も、待ち時間のストレスを感じないような雰囲気づくりを心がけています。例えば、手作りのポスターや、治療やデータについてわかりやすく説明した掲示物を貼ったり、診察の合間に待合室でお待ちの飼い主さんに声をかけたり、犬や猫が遊べるフリースペースを設けたり……いろいろと知恵を絞っているんですよ。フリースペースは、飼い主さん同士のコミュニケーションの場にしてもらいたいと思っています。診療を受けなくても、待ち合わせ場所にしていただいたり、散歩中の雨宿りに立ち寄っていただいたり、気軽に足を運んでもらえるように、入口を入ってすぐの位置に設けてあります。その他、当院ではしつけ教室やブラッシングのお手入れ教室などのイベントを行っています。飼い主さんがペットと関わる中で、知っておくとコミュニケーションが取りやすくなるイベントをどんどん企画しています。飼い主さん方にもいろいろな目的でご利用いただきたいと思います。

ペットホテルもありますね。

獣医師が設置しているホテルのいいところは、ペットの異常を見つけるテクニックを持っているということです。預かったときには必ず身体検査をするのですが、見た目で病気がわからなくても、触診するとわかる場合もあります。慣れない部屋で過ごして具合が悪くなってしまった場合には飼い主さんと連絡をとって治療することもありますし、シャンプーやトリミングでは皮ふ病の経過観察も兼ねているんですよ。

どのような動物を診療していますか。

犬が7割、猫が3割といった感じで来院いただいています。下痢や嘔吐など消化器症状を訴えることが多いです。あとは、皮膚病も多いですね。聴診器を使ったり、触診でわかるものと、細かな検査が必要となる症例もあります。動物はリラックスしている自宅では痛がったり具合が悪いところを見せたりますが、外に出ると頑張ってそれを隠そうとするので、わかりにくいことも多いのが実情です。そのような場合は、血液、レントゲン、尿検査を基本に、症状に合った検査をし、その結果に応じて治療を行います。当院では手術室や入院設備も備えていますが、1次診療のクリニックでは対応できないケースもあるため、必要に応じて、より大きな施設を紹介しています。人間の病気と同じで、医療機関には総合病院とクリニックが分かれているように、それぞれの役割があります。当院の役割は、いつでも気軽に立ち寄っていただける身近なかかりつけ医です。

文系サラリーマンが30代で獣医師に

どのような少年時代でしたか?

出身は北海道札幌市です。スポーツが得意で剣道、野球、テニス、スキーなどいろいろなことをしました。先日、小学生以来のスケートをする機会がありましたが、思ったよりもうまく滑れましたよ(笑)。また、獣医の仕事は理系分野なのですが、実は私は文系だったんです。高校生のころはまさか自分が医療の道に進むとは思ってもいませんでした。どこかの企業で働くんだろうなと。でも、それならば世界一の会社に入りたいと思い、大学は東京に出て明治大学で経済を学び、就職したのは医療業界世界大手の外資企業でした。

サラリーマンから獣医師に転身した経緯をお聞かせください。

就職した会社では、外科手術の機械を医療機関に紹介する部署に配属され、その中で獣医師とも知り合いになりました。8年間仕事をするうちに、紹介するだけではなく、自分も動物と関わる仕事に就きたいという気持ちが強くなり転職を決意しました。北海道に戻って酪農学園大学獣医学部に入り、5年間勉強したんです。入学したときには32歳でした。一回り以上年下の同級生との付き合いに違和感はありませんでしたが、勉強や実習は元々が文系だったので大変でしたね。このころに犬を飼うようになり、勉強に疲れて家に帰ったときにはとても癒されました。卒業後は、川崎にある獣医師が14,5人いる大きな病院に入り、救急医療なども経験しました。その病院に残る選択肢もありましたが、より地域に根ざした場所で働きたいと思い、地域性の強い巣鴨の医院に移りました。

大病院ではなく規模の小さな医院を志向した理由は?

サラリーマン時代は先端医療を見ていたので、ペットにも先端医療を提供してあげたいという思いがあったのですが、大学に入り直して犬を飼うようになってから「なにかあったらすぐに手当てをしてあげたい」という気持ちが湧いてきて、より身近な地域医療のほうが自分に合っているのだと気付いたのです。飼い犬のおかげで進むべき道がはっきりしたと言ってもいいでしょうね。動物に寄り添うかかりつけ医になりたいという思いから、2010年に今の医院の開業となりました。

趣味や健康法はなんですか。

以前は、釣りやキャンプも好きでしたが、今はスポーツ観戦が一番ですね。院内装飾で基調にしているオレンジも応援しているアメリカンフットボールのチームカラーなんです(笑)。健康法は歩くことです。手術がない日は歩いています。2時間くらいですね。犬の散歩をしているご近所さんと知り合いにもなれますし、当院にきていただいている飼い主さんとペットに会うことも多いんです。

飼い主さん、ペット、両方が幸せになるために

診療の際に心がけていることは何でしょう。

飼い主さんにもいろいろな考えの方がいて、しっかり治してほしいという方が多い中で、今の症状がおさまればいいという方もいらっしゃいます。ペットは話せませんので、飼い主さんとの会話を通して、どのような治療を希望しているのかをくみ取ってから治療選択肢をお示しすることの大切さを改めて感じています。治療選択肢をご提示する中で、私が大切にしているのはできるだけたくさんの提案をしたいということ。3つ4つはお話しできるように常に準備し、それぞれのメリット、デメリット、費用をご説明します。中には、他の医院でずっと治療してきたのに良くならないということで転院してきた例もいくつかありますが、私から見るとすごく重要な検査が抜けていたりするケースもあります。改めて検査して治療方針を立てることで病気が回復して感謝されたこともありました。そのような時は、本当にうれしいですね。こちらに治療選択肢がいくつあるかということが大事だと考えているので、そのための勉強は欠かせません。また、薬や機器は日進月歩ですから、それについていくためにも、学会やセミナーに積極的に参加しています。

日ごろ、動物医療に携わる中でペットの飼い方について何か感じることはありますか?

飼い主さんには悪いのですが、甘やかしすぎですね。自由にさせてあげたほうがペットのためと思われるかもしれませんが、実はペットにとって幸せではない場合もあるのです。犬を例にすると、家族に守られて一番下の立場にいるのが、楽に暮らせるのです。最近は犬が、自分が一番偉いと勘違いしてしまうケースがあります。そうすると、犬には家族を守らなければという責任感が湧いてきて、家族以外の周りの人にすぐにほえたり、宅配業者さんにほえたりという状況となります。自分が先頭に立って家族を守らなくてはならないという重圧を背負ってしまうのです。それは彼らにとってはすごくつらいことで本来の姿ではありません。飼い主さんには、お互いに幸せになるにはどうしたらいいかを考えてもらい「犬を守る立場になってあげてください」とお話しています。

最後に先生が理想とする獣医師像についてお聞かせください。

私は “町の獣医さん”をめざしています。設備の関係で、一から十まで治療ができるわけではありませんが、大きな手術が必要な場合などは次の段階を紹介しますので、まずは気軽にかかっていただきたいと思います。毎月のフィラリア予防や爪切りなどで普段から顔を見せていてくれると、いつもより元気がないなどの様子にも気づきます。気軽に話しかけてもらうことによって犬の食欲がない原因が2〜3日泊まりに来たお孫さんだったり、部屋の模様替えだったりということがわかったり。飼い主さんと動物が気軽にコミュニケーションをとれる獣医師が目標です。

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