動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル。
獣医の診療方針や人柄を独自取材で紹介。好みの条件で検索!
街の頼れる獣医さん 921 人、動物病院 9,795 件掲載中!(2024年04月24日現在)

仲野友秀 院長の独自取材記事

仲野どうぶつ病院

(葛飾区/新小岩駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR新小岩駅からバス通りを東へ歩き3つ目の交差点に「仲野どうぶつ病院」はある。明るい待合室の奥には広い診察室があり、棚には所狭しと医療本が並んでいる。「動物医療は日々進歩していて、学生の頃に得た知識は半分以上変わってしまっています。ですから毎日が勉強ですね」院長の仲野友秀先生は朗らかな表情で話す。先生は犬のしつけや飼い方に詳しく、子犬から老犬までさまざまな相談が寄せられる。驚くべきことにこの動物病院は年中無休。「休みはまったくありません」と話す仲野先生だが、そのパワフルさが頼もしく、患者が引っ切り無しに訪れる。“ムツゴロウさん”に影響されて獣医師になったとも話す先生に、日々の診療から犬のしつけ方法まで伺った。 (取材日2014年7月2日)

いかに飼い主の気持ちに沿った治療が行えるかが、一番重要になってくる

この地で開業された理由とこだわった部分、設備について教えてください。

1999年の4月に開業しました。もともと僕は西新小岩の出身なので、開業するなら地元にしようとずっと考えていました。診療動物は犬と猫で、その他の動物は他へ紹介するか、わかる範囲で診察しています。診察室は狭いと圧迫感があるので、広く設計しました。設備としてはおおよその一般的な血液検査ができるほかデジタルレントゲンを導入しています。超音波検査の機械はかなり性能が良いので、心臓や腹腔内もきれいに見えます。より詳細な検査のために、内視鏡も設置しています。手術機器はレーザーメス、超音波メスをはじめ、動物たちの負担を軽くすべく性能の良いものを導入しています。特にレーザーメスは開業して2年目には導入しており、今までは全身麻酔をしなければならなかった症例が局所麻酔だけで治療できるようになりました。

「デイジーどうぶつ病院」という分院があるそうですね。

3年前の2011年、まさに僕が生まれ育った地である西新小岩に開院しました。西新小岩には昔から続く動物病院があったのですが、そこの先生が引退してしまいました。自分が生まれ育った地元に動物病院が無くなってしまう状況は嫌だったので、新規にデイジーどうぶつ病院を開院したのです。現在仲野どうぶつ病院は年中無休ですがデイジーどうぶつ病院は予約制にして、予約が入ったら出向くようにしています。

本院が年中無休というのも大きな特徴ですね。

ペットたちを入院させるのではなく、自宅療養で治してあげたいという思いがあるからです。特に猫は知らない場所が大嫌いですからね。毎日治療が必要な子でも、慣れた環境である自宅で療養するためには、動物病院に休診日があっては駄目です。ペットたちのためにも、できる限り入院は避けたいと常に思っています。飼い主さんにとって通院・在宅の治療は最も負担のかかる選択ではありますが、できるだけ頑張っていただければと考えています。

飼い主さんと接するときに心がけていることはありますか?

ペットたちの情報をできるだけ多く拾い上げるよう努力しています。それが正しい診断に結びつきますし、最短の治療法だと思うからです。ペットたちの健康は飼い主さんによる関わりが大きく影響します。いつも接しているのは飼い主さんですし、実際に治療を行っていくのも飼い主さんです。治療内容や治療方針はこちらから提示しますが、実行していくのは飼い主さんなので、我々はあくまでもそのお手伝いをさせていただいているに過ぎないのです。飼い主さんも十人十色ですから、できるだけお気持ちに沿った、納得のいく治療をしていけたらと思っています。もう1つ、ペットに嫌われずに治療を行いたいとも思っています。小さい頃から健康診断に定期的に来てくれると、ペットたちにとって病院が怖い所ではなくなります。動物にとっても余計な苦痛を感じないで治療できる環境を、これからも作っていきたいと思っています。

しつけのことや飼育方法の疑問など、わからないことは遠慮なく聞いてほしい

犬のしつけについて指導する機会もあると聞きましたが、飼い主が注意すべき点とは?

甘やかし過ぎはだめですが、たくさん手をかけてあげるのはいいと思います。例えば犬を飼い始めたら、最初の一週間は仕事を休んででも一緒にいてあげるべきだと僕は思っています。またしつけ方に関して時に間違った常識、情報があります。ある冊子には「ケージの中に、食器と寝床とトイレを一緒に入れていい」と書いてありました。これは犬のしつけ上、なるべく避けたほうが良いことの一つです。トイレと食卓が近いのはいけません。犬が起きたらすぐにトイレに連れて行き、ちゃんとできたら褒めてあげる、ということを2〜3日やってあげるとすぐにトイレを覚えます。当院では子犬で来た時に、後々しつけしやすくするために小さい頃からやっておくべき「基礎プログラム」を書いたプリントを、飼い主さんにお渡しするようにしています。

しつけの時期に関して教えてください。

大きくなってもできますが、小さい頃にしつけたほうが楽ですし、しっかりとしつけることができます。一般的には生後3週〜14週までが、犬の社会化期と言われていて最も重要な時期で、あらゆることを経験させなければいけません。今はペットショップでもワクチンが終わるまで外に出すなと言いますが、もしワクチンの接種が遅くなってしまった場合、大切な社会化期を逃してしまうこともあります。そうすると他の犬とうまく触れ合うことも難しくなりますし、しつけ上も悪影響が出てしまいます。ですから僕はワクチンが終わらずとも、14週までには外に連れて行くよう勧めています。生後14週までに当院に来てくれた子は、皆、病院が好きで、自分で進んで院内に入ってくる子が多いですね。大型犬ですと自分で診察台にポンと乗る子もいますよ。小さい頃から来ている子ほど僕たちも楽に診られますし、犬自身もストレスを感じていないと思います。

ペットの高齢化についてはいかがですか?

人間の介護と一緒ですね。最悪の場合安楽死になってしまうこともありますので、そうならないよう床ずれ対策の指導などできることを行っていきます。飼い主さんが注意しなければならないのは、留守にしている間に、年老いたペットたちが家の中でケガすることです。例えば、柔らかい素材のバスマットをつなげてケージを作るのもいいですね。こういった高齢のペットについて気をつけることを書いたプリントも、飼い主さんにお渡ししています。

ペットたちの些細な変化は飼い主が一番わかるはず、だからこそスキンシップが大切になる

小さい頃から獣医師になろうと思われていたのですか?

まったく考えていませんでした。今でもそうですが、常に面白そうな道を辿った結果、自然と獣医師になった感じです。大工だった父を見ていて、何かしら「自分にしかできない職業」に就きたいと考えていました。そんな中、たまたま友人から勧められたムツゴロウさんの本が面白く、東京大学で生物学を学ぼうと思うきっかけとなりました。

大学を卒業後はどのようにされたのですか?

1994年に東京大学農学部獣医学科を卒業後、附属の動物医療センターが人手不足ということで、教授に誘われて1年間研究補助員という形で診察を行っていました。その後板橋の動物病院に2年間勤務し、手術など外科的治療を勉強させてもらいました。そこの先生が獣医師会の理事をやっていらした関係で、小笠原の巡回診療にも参加させてもらいました。小笠原には動物病院が無いので年に一回獣医師会が出向いて、通常の診療のほか、犬たちの狂犬病ワクチンやフィラリアの予防などを行うのです。この活動は今も続けられているようです。

巡回診療とはどのような診療なのですか?

小笠原は天然記念物に指定されている鳥がたくさんいます。人が持ち込んだ猫が野良となり、貴重な鳥を食べてしまうという深刻な事態に陥り、大問題となりました。そこで島の人が野良猫を捕まえるので、増えないように避妊去勢をしてくれないかという依頼が東京都に入り、獣医師会に話がきたわけです。2週間ほど行きましたが、百頭近い数の犬や猫が相手の仕事は、かなりたいへんでしたね。その時にたまたま知り合った江戸川区の先生からの誘いで、動物病院の分院の院長を任されました。おかげで事務的なこともすっかり覚えることができ、自身の開業に役立ちました。

お忙しいでしょうが先生はどんな趣味をお持ちですか?

映画を見たり、犬や猫と遊ぶのが大好きです。大学時代からダイビングをやっていたので、まとまった時間が取れたらまたやりたいですね。もっとも、僕は休み慣れしていなくて、休みができるとどうしていいかわかりません(笑)。ですから今一番の趣味は仕事です。病気の原因を究明し、治療法を考えるのに頭を使うことが、僕にとって夢中になれる時間の過ごし方ですね。仕事で忙しいのは、まったく苦ではありません。

ペットの健康を預かる飼い主たちに向けて、アドバイスをお願いします。

ペットたちのささいな変化に気付いてあげてほしいですね。僕たちよりも絶対に飼い主さんのほうが細かいことに気付けるはずです。以前16歳の猫の飼い主さんが、1mmあるかないかの乳がんのしこりを見つけて来院されたことがあります。僕が触ってもわからないくらいの大きさでしたが、普段から猫に触れていた飼い主さんだからこそ異変に気づけたわけです。もしあと1ヵ月気付くのが遅かったら、命に関わっていたかもしれません。スキンシップを大切に、注意深くみてあげてほしいです。

動物病院ドクターズ・ファイルは、首都圏を中心としてエリア拡大中の獣医師・動物病院情報サイト。
路線・駅・行政区だけでなく、診療可能な動物からも検索できることが特徴的。
獣医師の診療方針や診療に対する想いを取材し記事として発信し、
ペットも大切な家族として健康管理を行うユーザーをサポートしています。

掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ギミック、または株式会社ウェルネスが調査した情報をもとにしています。
出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。
掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。
当サービスによって生じた損害について、株式会社ギミック、および株式会社ウェルネスではその賠償の責任を一切負わないものとします。
情報に誤りがある場合には、お手数ですがお問い合わせフォームより編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

TOP