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御手洗健一 院長の独自取材記事

フルール動物病院

(江戸川区/葛西駅)

最終更新日: 2023/01/22

地域に根ざした診療をめざす「フルール動物病院」には、待合室に猫が2匹。訪れる者を出迎えるかのように優雅な物腰で鎮座し、心を和ませてくれる。クリニックの院長である御手洗健一先生は、そんな猫たちに並々ならぬ愛情を注ぐ明るいドクターだ。どんな質問にも、丁寧かつわかりやすい言葉で答えてくれる姿には誠実でおおらかな人柄が見えた。そんな御手洗院長に休日の過ごし方を伺うと、「休日に妻と行くトレッキングが趣味」だと答えた。根っからの自然体な生き方が御手洗院長の魅力の源なのだろう。インタビューでは、「ペットの健康が人の幸せに繋がる」と語った御手洗院長に、獣医師を志したきっかけから今後の展望までじっくりお話しいただいた。 (取材日2014年10月7日)

飼い主と動物の気持ちに寄り添った診療こそ、一番やりたかった医療の形

先生が獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

進路を決める時は、工学部に行くか獣医学部に行くか悩んでいました。獣医師になる心を決めたのは、中学3年生の時に飼っていたインコが病気になった時のことでした。当時は鳥を診てくれる病院があまりなくて、近所の動物病院では心もとなく、田園調布にある鳥専門病院まで足を運びました。その時、獣医師の仕事ぶりに感銘を受けて「格好いい職業だ」と感じたのが、進路を決めるきっかけになりました。その時から「鳥専門の獣医師になりたい」と思い続けてきて、現在当院でもワンちゃん、猫ちゃんの診療のほか、鳥の診療にも力を入れています。

15年間勤務医を続けた先生が、開業を決意したのはなぜですか?

大学卒業後、市川市と千葉市の大きな病院で勤務していましたが、そこでは細かく役割分担された機械的な診療をしていました。病院の方針が優先で自分の行いたい診療はできませんでしたし、そのままそこに居続けていいものかと考えたのが、開業を決意した最初のきっかけでした。そこに個人的な事情もいくつか重なり、自分の将来のために開業へと踏み出したのです。もともと「鳥のお医者さんになりたい」と思っていたので、開業は自然の成り行きだったのでしょうね。

なぜこのエリアで開業しようと思ったのですか?

市川市の行徳で幼少から育ったので、このエリアには愛着があるんです(笑)。ただ、昔から「東京都」というものに憧れがあって、葛西に開業することに決めました。開業して思ったのは、東京と千葉でも飼い主さんの意識には多少の違いがあること。東京の飼い主さんのほうがよりペットを家族として考えている傾向があり、雑種や拾った動物でも関係なく、手をかける方が多いですね。東京で開業して良かったと思う理由の一つに、そうした飼い主さんの考え方への共感もありますね。

最近のペット事情で、「昔と変わったな」と感じる部分はありますか?

当院では、ワンちゃん、猫ちゃん、鳥、フェレット、ウサギを診ていますが、特にウサギの飼い方が昔と変わったと感じています。ウサギといえば、昔は屋外のウサギ小屋で飼われているイメージがありましたよね。でも今は誰も外で飼っていません。家の中ではある程度自由に動き回らせて、中にはトイレも指定の場所でできるウサギもいるみたいです。「ウサギはしつけができない動物」というのが私たちの認識ですが、飼い主さんから言わせると、そうではない。屋内で飼うほうがウサギにとっても良い環境で、最近は医療技術や食事の進化により寿命も延びています。飼い主さんのほうが獣医師より知識が豊富なこともありますし、世の中のペット事情はどんどん変化していますよ。

自身が悩み続けてきた皮膚疾患。その経験を元に、獣医皮膚科の診療に力を入れる

獣医学の中で、専門的に学んできた分野はありますか?

自分がアトピー体質なので、動物のアレルギーについて強い興味を持ってきました。自分自身、皮膚の治療をずっと受けてきましたから、その経験は「獣医皮膚科」にも生きていると思います。獣医皮膚科と人間の皮膚科は基本的に同じような治療を行っていきますが、動物と人間の寿命の差が治療に違いを出しているともいえるでしょう。人間の治療であったなら、「なぜ炎症が起きるのか」「なぜ痒くなるのか」といった根本的な原因を探し、今後どのような治療をしていくべきか考えていきますよね。でも、私は20年生きる動物と80年生きる人間では、副作用の考え方は違うと考えています。ワンちゃんにステロイドは使いたくないとおっしゃる飼い主さんは少なくありませんが、人間に置き換えて考えてしまうと良くなるものも良くならなくなってしまう可能性があるのです。飼い主さんとはじっくりお話しして、その辺りの違いをご理解いただけるよう努めています。

獣医皮膚科の利用者は多いですか?

そうですね。特に、他院では治らなくて、といらしてくださる方が多いように思います。しかし、飼い主さん自身は皮膚が丈夫な方が多く、皮膚疾患の治療に時間がかかることをご理解いただけない場合も少なくないのが現状です。アレルギーなどの皮膚疾患は、様子を見ながら徐々に治療していくしかないので、それをどうご理解いただくかが課題ですね。ただ、近年は薬もものすごく進化していますから、高い効果が期待できるものが増えました。食事療法なども上手に取り入れ、疾患の改善に努めていきたいですね。

クリニックならではの特色を教えてください。

特色と言ってしまっていいのかわかりませんが、当院は私一人が診療にあたっていることです。この辺りの動物病院は複数のドクターが勤務しているところが多いようで、ある飼い主さんは「同じ医院で、別々のドクターが違うことを言う」ことが不安だとお話しされていました。そこに来て、当院には私しかドクターがいないので、「それがいい」とおっしゃって通ってくださる方が多いように感じます。当院はどちらかというと外科より内科寄りの診療が主な動物病院ですから、通いやすいと思っていただけるのならそのニーズに応え続けていきたいですね。また、内科的疾患だけでなく、「皮膚科ならここに来れば安心」と思っていただけるよう努力していきたいと思います。

「かかりつけ医」としてどんな診療に力を入れていきたいですか?

開業医はまず、一次診療をしっかり行うことが使命。その上で、生活の中で起こりうる病気を迅速かつ的確に治療していきたいですね。ただ、いつまでも当院で診療を続けていけばいいというものではなく、高度医療が必要と判断したものは積極的に大学病院をご紹介させていただきます。その連携のスピード感も、いい診療の要だと思っています。私の診療モットーは、患者さんがどんな治療をしてほしいと思っているのか、できるだけ短い時間で会話の中から見つけ、スムーズに治療を終えることです。それには、動物自身が何を求めているのか感じ取る感性も必要でしょう。薬やご飯を受け取りに来ただけの飼い主さんともできるだけお話しし、常に「心を読み取る力」を磨いていたいですね。

ペットの健康は人の幸せ。その手伝いをするのが獣医師の務め

想い出深い患者さんとのエピソードを教えてください。

お子さんのいない方がワンちゃんを飼っていらして、2年前に10年間寄り添って生きてきたそのワンちゃんが亡くなりました。その方は「こんな悲しい思いをするなら2度と動物は飼わない」と泣き、本当に深く悲しんでいたのです。私も非常に心配していたのですが、2ヵ月ほどしたある日、新しいワンちゃんを連れて当院に来てくださいました。それからも前のワンちゃんを思い出して泣かれることはありましたが、その後、その方は少しずつ笑顔を取り戻していきました。深い悲しみはあっても、動物の存在が人を笑顔にさせる過程を見させていただき、私も獣医師として誇らしい気持ちになりましたね。当院へいらっしゃる飼い主さんは、比較的2頭目3頭目を飼う方が多いんですよ。それが、かかりつけ医である当院を信頼してくださっている証拠でもあるような気がしてうれしいです。

予防関係の中で、これだけは受けてほしいと思うものはありますか?

できればすべての予防をしておいてほしいですが、中でもフィラリアの予防を行っておいたほうがいいでしょう。これはワンちゃんだけでなく、猫ちゃんも同じです。昔よりは予防接種の意識が高まり、フィラリアの発症率は低いと思っていらっしゃる飼い主さんをよく見かけますが、その認識は非常に危険。また、狂犬病のワクチンも義務化されていますので意識していただきたいですね。日本では過去60年、発症した例がありませんが、これは人に感染したら100パーセント死亡する病気です。世界には狂犬病のない国が6ヵ国しかないといわれていて、いつ誰が感染してもおかしくないのです。自分と大切なペットの命を守るためにも、ワクチン接種や予防接種の徹底を心がけてほしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は若い頃、「子どもよりペットが可愛い」とおっしゃる飼い主さんの感覚がわからず、悩んでいた時期がありました。しかし、飼い主さんたちと関わりながら診療を続けてきた過程で、その気持ちを深く理解できるようになりました。ペットを飼うことは、人にとって何ものにも代えがたい幸せに繋がるものです。ペットの健康は飼い主さんの喜びでもあり、獣医師はそのお手伝いをする役目にあるでしょう。動物の体質や性格、過ごしている環境によって治療法も変わってきます。当院はその子に合わせて診療させていただきたいと思っていますので、何か不安なことがあれば気軽に相談にいらしてください。

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