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羽原 弦史 院長の独自取材記事

東京獣医科医院

(足立区/高野駅)

最終更新日: 2023/01/22

2001年に日暮里・舎人ライナー高野駅から徒歩1分の立地に移設開院した「東京獣医科医院」。先代が営んでいた動物病院から名前を引き継ぐ形で診療を始めた羽原弦史院長。自らを「興味のあることを突き詰める凝り性」と評し、動物と人間それぞれの体の構造に関する研究を行ってきた強い探求心の持ち主でもある。豊富な知識と穏やかな人柄で医院の外にも活動の場を広げ、専門学校の講師や足立区獣医師会の活動にも積極的に取り組んでいる。仕事と学問、そして何より動物が大好きなことがたっぷりと伝わってきた取材となった。 (取材日2017年4月25日)

さまざまな動物の病気を診ることができる獣医師の道へ

どうして獣医師の道を選ばれたのですか?

高校時代に進路を決める際、医療系に興味を持ったことが一番のきっかけでした。それで、医学部と獣医学部のどちらに進むか迷った末、人間だけでなく、さまざまな動物の病気を診ることができる獣医師により魅力を感じて、日本大学農獣医学部に進学し、その後日本医科大学の博士課程に進みました。博士課程に進んだのは、大学卒業後に日本医科大学の教授と知り合いになり、「うちの大学に来ないか」とお誘いいただいたことがきっかけでした。思い返せば、たくさんの方とのご縁が重なって今日に至っています。

開業した経緯を教えてください。

もともと父は動物病院を開業していましたが、一度閉めていたんです。その後、名前を受け継いでスタートしました。現在の場所に移転したのは2001年です。こちらは知り合いの飼い主さんが土地と建物を提供してくださいました。駅から近いため、今まで通っていらした飼い主さんに加え、電車に乗ってお越しになる方が増えましたね。

日々の診療では、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

「もの言わぬ子たち」の体の状態を知るために、できる限り多くの情報を得ることに集中しています。例えば、歩き方や呼吸の仕方、動きなどを観察したり、聴診器を使って心音や呼吸の音、腸の動きを聴いたり。体の兆候だけをもとに診療を進める点は、言葉が話せない乳幼児を診る小児科の先生と似ているかもしれませんね。もちろん、飼い主さんに安心していただくことも大切ですから、得られた情報は今までの事例やリスクも踏まえ、詳しく説明するようにしています。ただ、どんな病気でも命を扱う限り「絶対に大丈夫」と安易に言うことはできません。時にはペットとの別れを覚悟させるような厳しい話をする場合もあります。

診療中は動物たちの体が発するサインを得ることに集中

印象に残っている動物のエピソードを教えてください。

爬虫類は専門外ですが、イグアナがエサを食べないという相談を受けて診察したことがあります。季節は冬で、部屋の温度が低かったからでしょう。室温を24~5度ぐらいに上げるようアドバイスをしたら解決したようです。どんな動物でも精いっぱい手を尽くして命を救えた時は、やはり誇らしいですね。忘れられないのは、動物病院を転々としていたワンちゃんのことです。さまざまな手を施したのですが、なかなか快方に向かわず、ずいぶん頭を悩ませました。ですから原因がわかり、その原因をもとに私が手を施したことで、その子が元気を取り戻したときは、うれしくなりましたね。このように言葉を話せない動物の診療では、初めのうちは雲をつかむようなケースもありますが、そのぶんやりがいや喜びも大きいです。

最近、増えているといわれる疾患は何かありますか?

最近は、犬や猫も人間同様に糖尿病がみられることが多くなっています。人間と同じものを食べさせたり、おやつを与え過ぎたりすることが原因のようです。糖尿病は膵炎を併発する怖い病気なので、食生活はペットフードをメインにし、おやつを与える場合も、脂質や糖質が多く含まれていないか確認したほうが良いですね。あと、病気ではありませんが、春先から初夏にかけては、狂犬病の予防注射やフィラリアの予防薬を投与する季節になります。家族の一員を守るための非常に大切なことになりますので、積極的に医院にご相談ください。

先生もペットは飼っていらっしゃるのですか?

我が家にはミニチュアダックスフンドがいますよ。子どもの頃から犬を飼ったり、捨てられた猫を拾って育てたリと動物は身近な存在でしたからね。高校時代のクラブ活動では物理部のほかに、生物部にも入っていました。そういえば先日、中学校で獣医師の仕事について話をしてきました。獣医師になりたいという生徒さんから「苦手な英語を克服するには?」と質問を受け、「洋楽の歌詞カードを見ながら歌ったリ、英単語を調べたリして興味のあるところから始めればいいよ」とアドバイスをするなど、楽しい時間でした。私自身は勉強が好きというよりも、興味のあることを突き詰めるタイプの子どもでしたね。そういった凝り性なところは獣医師になった今もあい変わらずで、「もの言わぬ子たち」の不調の原因を探ったり、精いっぱい手を尽くしたりと日頃の診療にも生かされていると思います。

獣医師として、安心して動物と触れ合える環境づくりを

診療以外にもさまざまな活動をされていてお忙しそうですね。

いろいろな方からお誘いを受ける機会が多く、臨床獣医師の立場から講義をしてほしいとお声がかかって、専門学校で毎週講義を行っています。専門学校の授業がある日に、早朝から急患が入ったりして多忙を極めることもありますが、診療と教育の二足のわらじを履く生活はかれこれ20年以上続いているので、とくに苦ではありませんね。長期休暇を取るほうが、かえって体調が狂ってしまう気がします。ですから遠方の学会に出席する時も、あまり長く休まないようにしています。

今後はどのような活動に力を入れていく予定でしょうか?

近年、関心が持たれている「ワンヘルス(One Health)」と呼ばれる理念があります。これは人間、動物、環境の健康は密接に関わっており、どれかが欠けるだけでもバランスが崩れるという地球規模で捉えた考え方。地球全体を健康に保つには、さまざまな分野から包括的に研究することが必要で、「人畜共通感染症」を防ぐことも重要課題の1つといわれています。「人畜共通感染症」とは人間と動物の両者に感染するもので、狂犬病や、高病原性鳥インフルエンザも記憶に新しいですよね。現在、共通感染症の予防について研究をしていますが、ワクチンさえ打てば解決するという単純な問題ではなく、多方面からのアプローチが必要。獣医師会でもっと見識を深め、今後は一般の方にも簡単な言葉を使って普及させていきたいと思っています。飼い主さんにはペットとの濃厚接触に注意していただき、ペットとの関わり方やケアについても理解を深めていきたいですね。

ドクターズ・ファイルを見ている飼い主さんへメッセージをお願いします。

これからの季節は、愛犬を連れて公園やキャンプへ出かける機会も増えるでしょうから予防接種は行ったほうがいいですね。「レストスピラ症」といって河川や泥などの身近なところに菌が潜む「人畜共通感染症」もありますからね。自宅では、ペットに口移しでものを食べさせたり、一緒に寝たりする飼い主さんも多いかと思います。しかし、そうした濃厚接触には、さまざまな感染の危険が伴います。例えば、動物の呼気に含まれる雑菌が気管支炎や、ひどい時には肺炎を引き起こす場合もあるんです。ペットは大切な家族の一員ですが、人間の子どもと同じではないことを覚えておいてほしいです。とはいえ動物はかわいいものです。感染症の原因菌を極力、排除することも獣医師の仕事ですから、安心してペットと触れ合える環境をつくっていきたいですね。飼い主の皆さんもかわいい子たちのオーラルケアや爪のお手入れなど衛生管理に気を配っていただければと思います。

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