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黒松勇蔵院長、黒松敏子副院長の独自取材記事

両国ペットクリニック

(墨田区/両国駅)

最終更新日: 2023/01/22

都営大江戸線両国駅近く、清澄通りを一本入った道に「両国ペットクリニック」がみえる。小さい頃からたくさんの動物に囲まれて育ってきたという黒松勇蔵院長と黒松敏子副院長が2003年に開院した地域密着の動物病院には、散歩途中に立ち寄る飼い主やペットが多くいるという。それほど地域の人々に厚い信頼を寄せられると同時に、遠方から来院される人たちもいらっしゃるそうだ。2人の「病気でなくても、病院に通うことに慣れさせる意味で立ち寄ってほしい」という想い。それは、病院に通うことを習慣づけることが、「病気の早期発見」に繋がる上、「治療時のペットにかかるストレスを軽減できる」からだ。動物への愛が深く、息の合った2人に、さまざまなお話を伺った。 (取材日2014年10月22日)

獣医師の夫婦タッグで地域の動物医療に貢献

開院に至る経緯についてお聞かせください。

【院長】麻布獣医大学(現・麻布大学)で外科の大学院博士課程を終了後、総合化学メーカーの研究所に勤め、血漿分離膜、人工血管、人工肺などの研究・開発に携わっていました。その後、同大学の放射線の大学院博士課程を修了していた家内と共に2003年両国の地に当院を開院しました。当院の診療室・入院室は、私たちの自宅の地下階にあたる部分にあるので、ワンちゃんや猫ちゃんの鳴き声などで近隣の方のご迷惑を掛けることがないようにと配慮しました。

こちらの診療は犬と猫が主で、診療時間の幅も広いですね。

【副院長】はい。次男が現場に立つ頃には判りませんが当面は犬と猫にさせていただいております。自分の飼主としての通院経験から、土日診療や夜間の救急対応を望んでおりましたので、当院では患者様の要望に対応するように心がけております。病院の上に住んでいますので、とくに救急の場合にはお役に立っているかと思います。開院して今年で11年目ですが、当初よりホームページもなく、飼い主さん伝いでお越しいただいています。この地域の方も多いですが、千葉などの遠方に引っ越しされた方や他区からもたくさんのワンちゃん、猫ちゃんが飼い主さんと共にいらっしゃいます。

多く見られる症例や飼い主さんの傾向について教えてください。

【院長】犬種や年齢にもよりますが、最近は、共働きのご夫婦で飼われているケースが多いので、「理由は分からないけれど、家に帰ってきたら……」と連れてこられることが多いです。例えば、歯が折れたとか、胴体に傷ができていたとか、近年は、地震などの予期できない事態が続いていたこともありますが、来院される際、飼い主さんは気が動転なさっている場合が多いので、たしかな原因を突き止めるために、「こんなことはありませんでしたか?」と経緯を確かめながら、探っていきます。ワンちゃんと猫ちゃんとでは、行動範囲が違いますが、自然災害などでびっくりして、とっさに何かに触れてしまったり、ぶつかったりすることもあるので、どういう行動に出るかは分かりません。ですから、目にした状況をできる限り詳細にお教えいただきたいですし、場合によっては携帯電話で撮影した写真も有用ですので、お願いしております。 【副院長】ワンちゃんの場合「狂犬病の注射をしなくては」とか、「夏になったらフィラリアをやらなくちゃ」とか、来院理由がいっぱいあるんですよね。でも、猫ちゃんの場合、“やらなくてはいけないこと”がワンちゃんに比べて少ないので、病院に来る回数が少なく、病気の発見が遅れる傾向にあります。「うちの子は外に出していないから大丈夫です」とおっしゃる飼い主さんもいらっしゃいますが、室内飼いの猫ちゃんでも、年に1回のワクチン接種は必要なのです。ずっと家にいる人間もインフルエンザにかかるのと同じで、猫ちゃんも家の中にいるからといってウイルス性疾患にかからないわけではないのです。腎臓疾患や膀胱内結石などが猫ちゃんに多くみられる病気ですが、これらの疾患はワンちゃんに比較し症状の顕在化が遅れるので、すでに来院した時にはかなり進行していたという場合も少なくありません。

院長、副院長の二人三脚で行う手術。専門性の高い手術は信頼できるドクターと連携

では、猫の腎臓疾患などの病気は、何をサインにすればいいのでしょうか?

【院長】自分で毛づくろいしなくなったり、猫ちゃん独特の尿の臭いがしなくなったら、腎臓の疾患を疑った方がいいでしょう。猫ちゃんは、ある程度の年齢になると、じっとしていることが多くなります。一日の大半寝ているのは、はたして具合が悪いからなのか、それとも年齢からのものなのか分からないというのもありますが、6〜7歳あたりからは、何も異常がないようにみえても、定期的に受診した方がいいですね。実際、そうして連れてきているうちに、病気がみつかったこともあります。泌尿器疾患の場合は、尿検査をしなくてはならないのですが、小さい頃からあまり病院に行ったことがなく、受診に連れていくだけでも大騒動だったということを患者様からよく伺います。その場合は、尿だけでも持って来られるようにお話しています。 【副院長】とりわけ猫ちゃんに関しては、「ショック」にとても弱い動物です。極端な場合、押さえて処置をしようとするとショック死してしまうこともあるんです。それほどショックに弱いんですね。特に室内飼いの猫ちゃんの場合、病院に連れて来られただけで興奮状態になってしまう子もいます。ですから、採血などにおいて、興奮がおさまらない子には、安全のため鎮静をかけることもあります。一方でワンちゃんの場合は、診察台に上がるとおとなしくなる子が多いです。ただ、飼い主さんがそばで見ていると落ち着かなかったり興奮する子もいるので、そのような場合は飼い主さんに待ち合い室でお待ちいただくこともあります。

手術もこちらで行っているとお聞きしました。

【院長】手術は、基本的に、午前と午後の診療の間に行っています。副院長が麻酔、私が手術を担当するという二人三脚です。私の所属した外科教室は心臓血管外科が教室の研究および診療の中心でした。ちなみに私は当時としては珍しい脳外科の分野で博士号を取得しました。また、大学院に在籍中は、外科の授業の補助として学生に外科実習を教えていました。そこで数多くの外科的手技の経験がありますので、避妊・去勢、胃切開、膀胱切開 腸閉塞、腸重積など、ワンちゃんや猫ちゃんに多い手術のほとんどは自身で行っています。ただ、例えば椎間板ヘルニア・脊髄の外科など、相応の設備を必要とするような外科的症例に関しては、信頼する専門医とうまく連携をとって診療しています。 【副院長】「やれること、やれないこと、やらないほうがよいこと」の範囲を知ることも、開業医にとってとても大事なことだと思います。専門医にご紹介することが最良の方法だと判断されたら迷わず飼主様に勧奨します。ワンちゃん、猫ちゃん、そして飼い主さんにとって何がベターかを判断することは開業医の責務と考えます。

病気でなくても、クリニックに通う習慣をつけてあげて欲しい

飼い主さんと接する時に心がけていることは何ですか?

【院長】飼い主さんのお話をよく聞きながら、状態をしっかり診ることですね。食べてはいけないものを食べたりする。これは、ワンちゃん、猫ちゃん問わず、よくあることです。先ほども申し上げたように、ペットに何かあった時、どうしても冷静ではいられないのが飼主さんです。落ち着いて、記憶を辿れば思い当たるようなことも、とっさには出てこなかったりしますし、私たちもペットを飼っていますので、お気持ちは痛いほど分かるのですが、後になって「もしかしたら、食べたかもしれないです」とか、「何かを落としていたかもしれない」とお話しされる場合も少なくありません。誰にでも起こり得ることです。お話の内容は初期治療に大きく影響しますので、大事なペットをできるかぎり、ちゃんと見て、代わりにしっかり私たちに伝えて欲しいと思います。副院長共々、お話を伺うことに尽力している日々です。 【副院長】私たちは救急に対応できるよう予約制は取っておらず、また一例ずつしっかり時間を取って診療していますので、飼い主さんにお待ちいただくこともあります。そんな場合にはペットをお預かりし、「大体○分後にお戻りください」とお話しいています。可能な範囲で検査を通して原因を突き止め、有効で最善の治療法・薬を選択し実施しています。頻回の通院で毎回薬を処方するより少ない回数で治療することを心がけています。そのほうがペットの苦痛や負担を早く取り除けます。

獣医になって良かったと思うのはどんなことですか?

【副院長】私の実家は皆動物が大好きで、幼少の頃から犬、猫、カエル、ニワトリ、亀、金魚、ドジョウなど、いろいろな動物がいました。常に動物のいる環境で育ちましたが、動物を飼っていて付きまとうのは、人間に比べると寿命が短いことでした。亡くすたび、「もう飼うのは辛い」と思ったこともありますが、その気持ちを乗り越え、獣医師となり、毎日ワンちゃんや猫ちゃんと接することができて今はとてもうれしく思っています。現在も、犬6匹と猫1匹と賑やかに楽しい毎日を過ごしています。 【院長】普段の診察で頭と手先を使う仕事ですので、獣医師として従事するかぎりボケないのでは? と思っています(笑)。私も、子どもの頃から動物に囲まれて育ってきました。うちにはヘビが住みついていましたよ。「なぜ、獣医師の道をめざしたんですか?」とよく聞かれますが、答えはひとつで、「犬をたくさん飼っていて、大好きだったから」。今に通じる最初のきっかけは、本当にそれだけのシンプルなことなんです。

最後に、ペットを飼っている読者に向けてメッセージをお願いします。

【院長】そうですね。やはり病気になっていなくても、「病院に行く習慣」をつけたほうがいいと思います。人間だって年に1回、人間ドッグを受けますよね? 寿命を考えたら、ワンちゃん、猫ちゃんを仮に年に1度健康診断をしたとしても、足りないくらいだといえるでしょう。普段からよく観察することも大切ですね。 【副院長】当院には、ワンちゃんのお散歩の途中に体重だけ測りにくる飼い主さんもいらっしゃるんです。遊びにいらっしゃる感覚で立ち寄る方も結構いらっしゃいます。ワンちゃんだけが当院の前に座っていたこともありましたよ(笑)。飼い主さん、ペットそれぞれから安心して頂けるのは、本当にうれしいことですね。病院だからといって、そんなに構える必要はありません。気軽な気持ちでいらしていただければ幸いです。

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