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田口公一 院長の独自取材記事

田口犬猫病院

(墨田区/菊川駅)

最終更新日: 2023/01/22

押上駅と錦糸町駅をつなぐ大通りから1本入ると、昔ながらの住宅が軒を連ねる。「田口犬猫病院」はそんな下町の情緒溢れる場所で60年以上診療を続けている。歴史を感じさせる建物はもともと商店だったのだそう。懐かしい引き戸の入口に、その頃の名残がある。「祖父がこんにゃく屋を営んでいて、父の代で動物病院になったんです」と話してくれたのは院長の田口公一先生。地域に密着した医療で近隣住民からの信頼も厚い。ペットと飼い主に寄り添う診療を心がけている先生には、にこやかな笑顔と優しさの中にも、動物の生死を扱うことに対する厳しい姿勢がうかがえる。そんな田口先生に、医師を志したきっかけやペットの健康管理で気をつけるべきことなどをお聞きした。 (取材日2014年6月25日)

地域密着型、気軽に相談ができる環境

こちらの医院はお父様が開業されたそうですね。

ええ。父が獣医師免許をとったのが戦後すぐの頃、その数年後に開業したのでもう60年になりますね。動物病院としては、東京の中でもかなり早い方だったと思います。近所のお年寄りの方たちからは「田口先生にはお世話になったんだよ」と今でも父のことを言われるんですよ。私が医院を引き継いだのは30年ほど前。町会のお祭の役員もやっていますので、地元の方たちとの距離も近いです。集まりがあれば、その後にすぐ宴会になります(笑)。私も50歳を過ぎているのですが、その中ではまだまだ下っ端。「行こうよ!」と連れて行かれることも多いんです。そういった交流の中で、動物についての相談を受けることもあります。

歴史のある医院ですから、先生を頼りにしている動物や飼い主さんも多いでしょうね。

そうですね。続けて通ってくださっている方たち以外にも、昔この辺りに住んでいて、結婚して遠くに行っていた方が、最近またここに越してきて飼い猫を連れて来てくれるようになったこともあります。彼女は昔犬を飼っていたのですが、そのワンちゃんもここで診ていたんです。時間が経ってもこの医院のことを覚えていてくれたのがうれしかったですね。昔からの知り合いである獣医師と連携を取り合って簡単な手術などには対応していますが、ここで行うには難しい処置に関しては、信頼できる医院をご紹介しています。夜間に救急の連絡があったり、朝方にお産での帝王切開を手がけることもありました。

診療で心がけていることはありますか?

飼い主さんの意向をできるだけお聞きするようにしています。もちろん病気で苦しんでいるのは動物ですが、飼い主さんが「こうしてほしい」という希望に沿えるように治療を進めています。この仕事をしていてつらいのは、やはり動物の生死に関わることですね。よく飼い主さんたちは愛犬や愛猫が亡くなるとペットロスになりますが、私も診ていた動物が亡くなると同じような状態になるんです。飼い主さんの前では我慢していますが、一人になると泣いてしまうこともありますし、ショックで痩せることもよくあります。人間だったらできるような治療が動物だと難しいケースも多く、そんな時には悔しさでいっぱいになりますね。だからこそ、自分ができる限りの治療をしてあげたいという気持ちでいます。

エサを食べないのは、動物からの最初のサイン

どんな症状で来院するペットが多いですか?

一番多いのは、エサを食べないというものですね。外傷に比べて原因を突き止めるのは難しいですが、飼い主さんに症状をお聞きし、触診をしながら探っていきます。食べないという症状は最初に出る不調のサインですので、気づいたときに病院へ連れていってあげてください。風邪も、動物にとってはまったく軽傷ではないのです。「昨日から食べていないんです」といらっしゃる方でも、お話をよくよくお聞きすると「実は1週間くらい食べていないかもしれない」ということもあります。毎日気をつけて見ていないと把握するのが難しいと思います。2、3日食べないようだったら病院に行ったほうがいいですね。水すら飲まないような時にはすぐに来てください。逆に、食べ過ぎや誤食というケースは比較的症状が軽く済むことも多いですが、それでも対応を間違えれば重傷になってしまうこともありますので注意が必要です。

飼い主の判断がとても重要になりますね。

はい。動物と人間とでは、時間の流れは違います。そのため飼い主さんの判断によって対応が遅れてしまうこともあります。例えば、具合が悪そうな時に「1日様子を見ましょう」というのは、動物にとっては4、5日放っておかれるのと同じくらいの感覚です。週末に調子が悪くなってしまっても週明けまで待つということがあるかと思いますが、危険です。動物は治るのも早いですが、悪くなるのも早いですからね。普段からエサや水をきちんととっているかはチェックしてあげてほしいですね。特に多頭飼いをされている場合は、一匹一匹のことがわからなくなってしまうので注意して見てあげてください。

他に飼い主が気をつけた方がよいことはありますか?

特に犬に関してですが、エサをずっと置いておくことはしない方がいいですね。エサを出してあげて、食べたらそれが一食分。残したら「いらない」ということなので、一度下げてください。ずっと置きっぱなしにしておくとエサの継ぎ足しにもつながり、下の方に残った古いものまで食べてしまい衛生的にもよくありません。そして犬も猫も、食器は毎回洗いましょう。毎食後洗って、きれいなもので出してあげる。水も毎回新しく入れ替える。うちでも猫を5匹飼っていますが、あまり具合が悪くならないのは、食器を毎回洗って清潔な状態にしているからです。ペットのトイレを掃除をするときには、「下痢をしていないか」「量がいつもと同じくらいか」と排泄物の状態を見ることも大事です。ペットの体調が悪くならないように最低限の管理をしてあげるのが飼い主さんの責任であり、愛情だと思います。

これからも近隣住民から愛される医院でありたい

先生はなぜ獣医師をめざされたのですか?

もともと獣医師になるつもりはまったくなかったんです。「なりたくない」わけではなかったのですが、父の姿を見ていてその責任や覚悟の重さはわかっていましたからね。機械を扱うのが好きだったので、高校2年生の時の担任の先生に「工学部に行きたい」と言ったら驚かれて、それから獣医師になることを強く勧められたんです。父は口では「どっちでもいいよ」と言ってくれていたのですが、その目は違っていましたね。そうした周囲からの期待を感じながら、やってみようかなと思うようになったんです。実は小さい頃は、動物を怖いと思っていたこともありました。家で猟犬を飼っていたのですが、幼稚園から帰ってきたときにその犬が怖くて家に入れずに泣いていたこともあったそうです(笑)。今でも向かいに住んでいるおばさんからは、当時のことをからかわれるんですよ。ただ、それがトラウマになって動物と接するのが嫌になることはなかったですね。犬や猫に限らず動物が大好きです。

お休みの日はどのようにお過ごしですか?

昔から機械いじりが大好きだったので、今でも工作をしていますね。昔、友だちが家に遊びに来たときは「爆弾工場」と言われたくらい、工具もそろっているんです(笑)。機械で何かを作って、それが動くと楽しいんですよ。修理も好きですし、80年代のコンピュータゲームで遊ぶこともあります。息子が大学で工学部に進んだのですが、工学部は私の高校時代の夢でもあったので、それがうらやましく思うこともありますね(笑)。

先生の、今後の展望をお聞かせください。

父と私と二代で長く続けてきた医院ですから、今後も私ができる限りは続けていきたいと思っています。私も自分で医院を運営するようになって、父の苦労がよりわかるようになりました。長くやっていくことは、それだけで大変なことです。地域に密着していることが当院の良さですから、これからも地元の方たちに必要とされる医院でありたいですね。また、現在墨田区の獣医師会の会長を務めていますので、地域での連携も大事にしながら頑張っていきたいと思っています。

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