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吉田俊郎 院長の独自取材記事

吉田動物病院

(墨田区/小村井駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR亀戸駅から車で数分。明治通りとはなみずき通りが交差する角近くにある「吉田動物病院」。アットホームな院内で明るくスタッフが応対してくれる、まさに地域密着型の動物病院だ。院長である吉田俊郎先生の得意分野は皮膚科で、患者だけでなく、近隣の獣医師たちからの信頼も厚い。また、近年はペットのためのアロマテラピーにも注目しているという、かかりつけ医としての幅広い診療だけではない“ここならでは”の特色も持つ。気さくで明るい人柄が魅力的な吉田院長に、日々の診療から、獣医師をめざしたきっかけなどさまざまなお話を伺った。 (取材日2013年10月16日)

ペットが「かゆがる」、その本当の理由とは

幅広い診療に対応されていますが、その中でも皮膚科についてのご評判を伺いました。

診療対象は犬・猫・ウサギに絞っていますが、街の動物病院として、近隣でペットを飼っている方がまず安心して連れて来られるよう、全般的な治療を行っています。中でも皮膚科について力を入れてきたのは、皮膚疾患で来院する患者さんが多いというのもあるのですが、実は私の子どもがアトピーに悩まされていたことも理由のひとつです。人にとって、皮膚のトラブルである“かゆみ”は痛みよりもつらいといわれていますので、ペットにとっても同じように深刻な問題だと思うんです。自分の子どもを通して、皮膚疾患の悩みを身近に感じてきた自分だからこそ、お役に立てるのではないかと考え、専門的に学ぶようになりましたね。

皮膚科を受診するペットの症状として、どのようなものがあるのでしょうか?

圧倒的に多いのは、やはり“かゆみ”ですね。何やらペットが体の一部をずっと舐めたり、掻いている、と心配されて連れて来られる飼い主さんがほとんどです。皮膚のかゆみは、ノミやダニなどが原因だというイメージが一般的かもしれませんが、実はそれだけではないんです。幾通りもの原因があって、人間のように食物アレルギーに由来するものもあります。また、先天的なコラーゲン異常で皮膚のシワが多かったり、脂性や多汗といった体質も原因になりますし、細菌やバクテリアを介しての感染症もあります。あと、これはぜひ知っておいていただきたいのですが、内臓疾患やホルモンの病気、さらには生活環境による精神的なストレスでも、皮膚にかゆみを生じることがあるんですよ。

かゆみひとつをとっても、原因は多岐にわたるのですね。

そうですね。ですから、治療法もそれぞれに適した選択を行わなければいけません。ノミ・ダニ、食べ物などを原因とするアレルギー、先天的要因から発症している場合は、根治が極めて難しく、薬物治療や薬用シャンプーなどを用いて症状を抑えるのが基本です。細菌やバクテリア感染よる場合は、抗生剤の飲み薬の処方がメインとなります。そして、内臓疾患やストレスなど、原因が皮膚にない場合は、あらゆる可能性を探り、原因を特定することが治療の第一歩ですね。このように原因や治療法もさまざまで、また、精神状態まで関係するわけですから、皮膚科というものはつくづく注意深い診察と全身のケアが求められている分野だと感じます。ちょっとしたペットのSOSを見逃さないためにも、飼い主さんとのお話はじっくりと時間をかけるようにしています。

フレキシブルな診療をめざし、アロマ治療も導入

感染による皮膚疾患の治療で、薬が効かないこともあると伺いました。

これが、非常にやっかいです。以前はセファレキシンという薬でほぼ100%治療できていたのですが、近年、薬に対する耐性を持った「耐性菌」という細菌が増えてきているんです。2007年くらいからでしょうか。ただし、薬にもいくつか種類があるので、基本的には適切なものを投薬すれば数週間で完治させることが可能です。しかしながら、全ての抗生剤が効かない細菌も中にはいます。その場合は、薬用シャンプーなど他の治療による可能性を探っていきます。ですから、皮膚科治療で重要なのはなにより診断で、まずはどの抗生剤が細菌に効果的であるかを特定する検査を行います。検査には、2〜3日の時間と数千円ほどの費用がかかってしまいますが、できるかぎり細菌検査を受けていただけるように飼い主さんにはお話しています。というのも、効かない薬を与えることは、効果がないどころか、逆効果になってしまうんです。耐性菌がどんどん強くなってしまい、多剤耐性菌といって複数の薬剤に対しても耐性を持ってしまうこともあるんですよ。

アロマテラピーも取り入れているそうですね。

まだまだ導入したばかりですし、調合により効果や適用の振れ幅も大きいので、これから研究を重ねていければと思っていますが、とても興味深い分野です。人間と同じように、ペットにとってもストレスを和らげる効果があります。よく見ていると、動物病院に連れてこられて険しい表情をしていたペットの顔つきが、次第に穏やかになっていくんですよ。「病は気から」というように、ストレスは万病の元となりますから、病気予防にも使えるのではないかな、と可能性を感じています。皮膚科の治療でも使用することがあるんですよ。先ほどお話しした耐性菌に対して、抗菌作用を持つアロマを焚くことがあります。また、犬の認知症を軽減させるために用いることもできます。犬が認知症を患うというイメージはあまりないと思いますが、ペットも人間と同じく高齢化が進んでいますから、徘徊したり、障害物があっても避けずにぶつかってしまったりといった症状が現れます。薬による治療とは異なり、劇的に良くなるわけではないのですが、副作用のない、新たな治療に向けてのアプローチとして力を入れています。

獣医師をめざした理由について聞かせてください。

動物は小さいころから大好きでしたが、一直線に獣医師をめざしてきたわけではないんですよ。中学校や高校のころは、なんでもできる大人になりたかったです。それこそ、スーパーマンみたいな(笑)。弁護士とか、世界中を駆け巡り巨額の商談をまとめる商社マンなどなど……。いくつか思い描いた職業の中でも、昔から人や社会のお役に立ちたいという気持ちがあり、救急救命士には特別な憧れがありましたね。緊急の現場で人の命を助けるのが仕事なんて、なんて素晴らしい職業なんだと。でも、動物に関わりたい気持ちも常にありましたし、父も獣医師でしたから、現実的には獣医師をめざすのが自然だと感じていた自分もいたんです。一時期は結構、真剣に悩みました。いろいろ考えた抜いたあげく気づいたのが、ペットが存在する背景には必ず飼い主さんがいるということ。獣医師は、ペットを治療することだけが仕事なのではなく、診療を通じて飼い主さんの不安や苦悩を取り除くこともできる職業です。伴侶動物という言葉もあるくらいだから、十分、人のお役に立てる職業じゃないかと納得したんです。

誠実な診療。それは人助けにも繋がる

印象に残っている診療のエピソードはありますか?

学生のころ、徹夜で手術に取り組んだことは思い出深いですが……いざ聞かれると、なかなか思い浮かびませんね(笑)。あえて挙げるのであれば、ペットたちの命に関わるような診療はずっと印象に残っています。どれかひとつを選ぶことはできませんが、例えば、開院して間もない頃に産気づいた犬を連れて来られた方がいらっしゃいました。しかも帝王切開が必要な状態だったのですが、無事にお母さんのワンちゃんも赤ちゃんも救えた時はうれしかったです。難治性の病気を治すことができた時も、やはり達成感が大きいです。救急救命士に憧れていたぐらいですから、どうしてもそういったことが印象に残るのかもしれませんね。飼い主さんの喜ぶ顔を見られた瞬間は、獣医師になって良かったなと苦労が吹き飛びます。

休日はどのようにリフレッシュされていますか?

仕事柄、運動不足になりがちなので、意識的にスポーツジムに通うようにしています。健康管理のためにもいいですし、気分転換にもなります。また、月に1度、千葉や茨城のゴルフコースへも行きます。まだまだ練習が必要なのですが、ゴルフは趣味のひとつです。あとは、江東区・墨田区・江戸川区・葛飾区・中央区・荒川区の獣医師が集い結成した東京イースト獣医協会で、気の置けない仲間達と定期的に交流を持っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

治療する場所としてではなく、病気にさせないための場所としても、気軽に動物病院へ足を運んでいただきたいと思います。そして、気になることがあればまずご相談ください。獣医師は動物に関してのプロなのですから、相談を受ければ各先生方、親身になって応えてくれるでしょうし、いざという時のために信頼できるドクターを見つけておくべきです。そして、ペットを飼ったことが重荷にならないように願っています。今までの生活が、さらに豊かなものになるような関係でいてほしい。そのためには、自分にはどんなペットが適しているのかを動物病院に相談しに来てもいいと思うんです。例えば、高齢者の方が、ドーベルマンを飼うのは当然無理がありますよね。当院でもよくお話するのですが、「誰が」「どんなペットを」飼うのかを考えるのは重要なことです。“カワイイ”だけじゃなく、生活を共にする“パートナー”としてペットを迎えてあげてください。

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