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山田武喜 院長の独自取材記事

亀戸動物総合病院

(墨田区/亀戸駅)

最終更新日: 2023/01/22

東武亀戸線東あずま駅から徒歩約8分、JR亀戸駅からも徒歩10分ほどの場所に「亀戸動物総合病院」はある。外科分野に力を入れており、整形外科、腫瘍科をはじめ内視鏡・腹腔鏡科や神経科、歯科、眼科、皮膚科といった各分野のスペシャリストを集め、開院から30年近く、地域の動物医療の中核を担っている。山田武喜院長は獣医師として開業後も研究を続け、東京医科歯科大で再生医療の博士号を取得。飼い主の思いに立って治療し、飼い主も治療に参加することをモットーとしている。ペットのストレスを軽減するため、できるだけ入院治療はせずに内視鏡や腹腔鏡での検査や手術を実施。飼い主が治療内容を理解しやすいように、希望があれば手術の様子を待合室のモニターで見ることもできる。穏やかな笑顔の奥に動物医療への情熱を秘めた山田院長に、診療方針や今後の展望について話を伺った。 (取材日2015年9月7日)

動物たちに痛みを感じさせずストレスを軽減する治療

診療科目がとても充実していますね。

動物たちのあらゆる疾患に対応できる総合病院にしたいと常に考えていました。一般内科や外科、整形外科、腫瘍科、内視鏡・腹腔鏡科、歯科、眼科、脳神経科のほか新しく皮膚科や麻酔科の専門医が勤務するようになりましたので、院名に“総合”を入れることにしました。当院では、血液内科や漢方外来なども標榜しています。この機会に、手術室のライトをLEDに変えるなどのリニューアルも行いました。また、直径3ミリにも満たない細い内視鏡には新鋭のCCDカメラが搭載されていますので、細かい病変も見落とすことはありません。腹腔鏡での検査や手術を取り入れていますが、従来の開腹手術に比べて傷も小さくて済みますし、何より動物たちへの負担を軽減することができます。飼い主さんと離れて不安を感じている動物たちのストレスをなるべく少なくすることも、私たち獣医師の役目だと考えています。どの患者さんも飼い主としての気持ちで治療する、それが当院のスタッフ全員で共有している意識です。

どのような症状での来院が多いですか?

がんですね。当院には腫瘍科のドクターがおりますので、他院からの紹介も多く受け入れていますが、患者さんがかなり増えています。犬や猫が長生きになり、高齢のペットが増えていることが原因のひとつでしょう。がんの治療は患部の切除と投薬がメインですが、当院では基本的に切除できるなら外科手術をして、薬でしか治せないようなリンパ腫や白血病などは抗がん剤を用います。外科手術の後、再発を防ぐために薬を併用する場合もあります。当院では手術の様子をモニターで見てもらえますし、ご希望があればレントゲンや血液検査にも立ち会っていただけます。最近は飼い主さんから要求される診療レベルも高くなり、我々もそれに応えられるよう技術や知識を日々高め続けなければなりません。人間同様、「ただ治ればいい」という時代ではもうないんです。動物も痛みやつらさは我々と同じく感じていますから、できるだけ楽に治してあげたいですよね。ましてや、動物は何をされているのかわからないので治療は苦痛以外の何ものでもありません。できる限り痛みの少ない治療は、今後の獣医療における大切な課題でしょうね。

痛みの少ない治療とは、どのように行うのですか?

術後も動物たちが痛みを感じないように、麻酔を使って痛みの管理をしています。ペインコントロールといって動物たちを心身ともに安定した状態にしてあげることです。当院には麻酔科の専門医がおりますので、手術を行うための麻酔の処置をする際に、その麻酔から覚めたときにも痛みが無いように、それを見越した別の麻酔を事前に施しておきます。動物たちはどんなに痛くても苦しくても言葉が話せませんから、術後の痛みを大きな鳴き声で訴えさせてはいけないと思っています。痛みを感じさせず苦しませずに治すことが目標ですね。動物たちは人間の5倍のスピードで時間が進みます。手術をしても翌日には元気に走り回っている子も多いですよ。痛みは炎症を引き起こしますが痛みを感じないと治りも早いんです。痛みを最小限に抑え管理するためにも、なるべく開腹手術ではなく、内視鏡や腹腔鏡を導入することで、今まではできなかった治療も可能になり、より苦痛の少ない治療が提供できるようになったと感じています。

動物に囲まれた幼少期の経験が今につながる

獣医師を志したきっかけは何ですか?

千葉県佐倉市の出身で、家の周りは山や田畑しかない田舎で育ったので、子ども時代は自然と動物が友だちでした。父は仕事の傍ら犬の訓練士をしており、訓練の見学にもよく行きましたね。家では、犬はもちろん猫・ニワトリ・ハト・ヤギを飼っていて、まるで小動物園のようでした。そんな生活の中で、私が中学生になる頃、ずっと飼っていた猫が乳がんを患ったんです。当時はまだ獣医療が今ほど充実していなかったので、どこの動物病院に行っても「手の施しようがない」と言われました。大切なペットが苦しんでいるのに治療すら受けられないというつらい経験の中で、何とかしてこの子を助けてあげたいと考えたのが獣医師を志す一番のきっかけだったと思います。正直、中学生では何が自分に向いているかまだわかりませんでしたが、ちょうど進路を考え始める年齢ですからね。父からも勧められ、獣医師について調べてみたところ面白そうな仕事だと思いましたし、次第に気持ちが強まっていきました。

開業までの経緯をお聞かせください。

私の学生時代は、大学病院の獣医療といっても今ほど高度ではなく、獣医師の仕事といえば畜産動物の診療が中心でした。大学2年生の頃、横浜の「永岡犬猫病院」(現在は「みなとよこはま動物病院」)で診療のお手伝いをさせていただくようになり、海外で勉強してきた院長のもとで犬や猫への高度な治療を初めて目の当たりにしたんです。畜産動物とペットでは、診療する上での基本的な考え方が異なります。それぞれの飼い主さんと触れ合える点もとても楽しく、ペットの医療に惹かれていきました。大学卒業とともにその病院に就職してさらに経験を積んだ後、当院を開業しました。もともと亀戸は祖父母が住んでいて、父の生まれ育った場所なんです。進学のために中学2年生の時からここで下宿していました。子どもの頃から慣れ親しんだ、人情味あふれる大好きな土地です。

分院が2つありますが、どのように連携されていますか?

世田谷区にある「池尻大橋ペットクリニック」の遠藤院長は獣医腫瘍科認定医1種の資格を持っていて、こまめな診察が必要な場合などは、池尻分院に行っていただくこともあります。江戸川区にある「ふなぼり動物病院」の水本院長は内視鏡・腹腔鏡の専門医です。週に1度はこちらで診療を行っていて、専門分野の症例に対応してもらっています。亀戸にある当院は外科が中心ですが、その他に腫瘍科の2種認定医も在籍し、眼科の診療も週に1度行っています。分院は、どちらも高度な外科手術や内視鏡・腹腔鏡手術はできませんので、必要な場合は当院に紹介してもらう、という形で連携をとっています。

スキンシップと定期健診で早期発見へ

病気の早期発見のためにできることはありますか?

たくさんスキンシップをしてあげてください。触るということは、ものすごく大切なことです。がんなどの腫瘍はほとんどが触診でわかる疾患なんです。我々獣医師は診察の際に動物たちの体を触って、しこりなどが無いか確認しますが、そんなに長時間触診してあげられるわけではありません。動物たちも獣医師に触られるよりも、飼い主さんに遊んでもらいながらスキンシップとして触ってもらえるほうが、ストレスを感じることもありません。お腹のあたりが硬くなっていたり、しこりを見つけたりしたら、病院を受診してください。普段と様子が違う時や何か元気がないと感じた時も、ためらわずに受診をお勧めしています。検査を受けて何もなければそれで安心できますので、違和感があればぜひ来院してほしいですね。しこりなどを見つけた場合には、印をつけておくと診察の際にもすぐに確認できます。動物たちも病院に来ると緊張してしまいますから、それをなだめるのに気をとられてしまい、肝心のしこりがどこにあるのかわからなくなってしまうといったこともよくあるんですよ。写真を撮っておくのもひとつの方法ですね。また7歳を過ぎたら3ヵ月に一度は定期健診を受けることを強くお勧めしています。犬や猫の場合、がんなどは腫瘍ができてから半年間がタイムリミットだと言われています。つまり健診が半年に一度だと、健診の翌日に腫瘍ができてしまったら次の健診では間に合わないということになってしまいます。遺伝により、がんになりやすい種類の動物たちもいますので、定期健診はぜひ受けてもらいたいですね。

今後の展望を教えてください。

将来的には、飼い主さんとペットが一緒に泊まって治療を受けられる病院にしたいと考えています。現在も開院時間内であれば一日付き添っていただくことはできますが、その体制を夜間も整えることが最終的にめざしているところです。一緒に入院することができれば、飼い主さんもペットも安心して治療を受けられますよね。例えば、犬は外に出ても飼い主さんがいればある程度平気ですが、猫は飼い主さんが一緒にいても外出することに非常にストレスを感じます。我々に敵対心をむき出しにする子もいますので、飼い主さんがいてくだされば治療もしやすいですし、動物たちのストレスも軽減できますから、実現に向けて取り組んでいきたいと思っています。

ペットを飼うにあたってのアドバイスをお願いします。

猫はある程度ひとりにしても大丈夫ですが、犬は群れ動物ですから、飼い方にも注意が必要です。都会で犬を飼う場合、一人暮らしや共働きのご家庭などは日中に犬をひとりにすることが多いと思います。するとどうしてもストレスがかかり、病気や問題行動に繋がっていきます。しかし、対処の仕方さえわかれば、ストレスを軽減させることは可能なんです。まずは飼い主さんが、犬は人ではないと理解することです。必要以上に擬人化し、帰宅時に甘やかしたりすると、犬もそれを習慣として覚えます。また、決まった時間の散歩や、エサをあげるのも犬にとってはあまりいいことではないんです。時間を決めてしまうと、その時間に散歩に行けずエサをもらえなかった時にとてもストレスを感じてしまいます。それに飼い主さんにとっても時間に縛られるのは窮屈でしょう。 楽しく暮らすために一緒にいるはずなのに、それではお互い不幸ですよね。日本にはもともと犬を飼う文化がなかったので、しつけを学ぶ場が少ないのが現状です。今後はしつけや飼い方のレクチャーの場がもっと増えるといいなと感じていますし、我々獣医師にできることがあれば積極的に協力したいと思っています。

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