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小島 章 副院長の独自取材記事

王禅寺ペットクリニック 猫の診察室

(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)

最終更新日: 2023/01/22

荘厳な邸宅も建ち並ぶ王禅寺の閑静な住宅街。王禅寺中央小学校にほど近い王禅寺ショッピングプラザ内に「王禅寺ペットクリニック 猫の診察室」はある。鮮やかなオレンジ色の外装が印象的。玄関脇の軒先にできた幸せを運ぶといわれるツバメの巣からは、小さなヒナ鳥が顔をのぞかせている。「デリケートなネコちゃんだからこそ、ゆったりと落ち着いた空間で診療受けてほしいと思ったんです」と、さわやかな笑顔で微笑むのは小島章副院長。言葉の端々からにじみ出る優しさに思わず心も温かくなるような、若さと魅力あふれるドクターだ。2012年開業の同診察室は、<a href='http://animal.doctorsfile.jp/h/10118/df/1/' target='_blank'>王禅寺ペットクリニック</a>の高い医療レベルを維持しつつ、病院嫌いの多い猫でも安心して受診できるような環境を整備。完全予約制のゆったりとした雰囲気の中で、常に飼い主に寄り添いながら診療にあたっている。「『猫ちゃんの 猫ちゃん(が大好きなスタッフ)による 猫ちゃんのための診察室』がコンセプト」と語る小島副院長に、日々の診療で感じる思いや心がけていること、獣医師を志した理由やご自身の自由な時間の過ごし方などプライベートなお話まで、じっくりと伺った。 (取材日2013年6月25日)

デリケートな性格の猫だからこそ、落ち着いた空間でゆったりと診療

こちらは猫専用に診療するクリニックなのですね。

はい。例えば1人暮らしの方など、「何か動物を飼いたい」「あまり動物に時間はかけられないけれど自分一人では寂しい」というような時には、自立していて一緒に共同生活をしやすいネコちゃんのほうがワンちゃんより飼いやすいんですよね。それにネコちゃんはとても怖がり屋さん。近くにワンちゃんがいるだけでびっくりしてしまったり、そういったところに敏感になっていらっしゃる飼い主さんも多く、本院でも猫専用の待合室を作っているんです。実際、少しずつネコちゃんの受診が増えていることもあり、こういった猫専用診察室の開院を決めました。開院日の2012年2月22日は「にゃん、にゃん、にゃん」に掛けて決めたもの。院内はゆったりと落ち着いた雰囲気を心がけ、実はとてもアクロバティックな動きをするネコちゃんが診察中に逃げ出してしまうことのないよう、細かなところまで配慮したつもりです。大きなガラス張りの窓からは診察風景をそのままご覧いただくこともできて。飼い主さんの大きな安心感にもつながっているのではないかと思っています。

やはり本院から移っていらっしゃる飼い主さんが多いのですか?

そうですね。どうしても「通いなれた本院がいい」という方もいらっしゃいますが、一度足を運んでいただくと気に入ってくださる方も多いです。徒歩で通院されるお近くにお住まいの方も多いですし、当院はショッピングセンター内にあるので広い駐車場も隣接。お車でも通いやすく感じていただけているのではないでしょうか。本院の獣医師がローテーションで診療にあたっていますが、現在、週5日の診療はすべて完全予約制。決まった時間に来院くだされば待たずに済みますし、なおかつネコちゃんしかいないということで、とてもご好評いただいています。落ち着いた雰囲気のなかでゆったりとお話できるのも、当院の大きな魅力のひとつ。喜んでくださる飼い主さんは多いですね。ただ、1年半近く診療してくると、いろいろと見えてくるところもあって。例えば、ネコちゃんはその時の気分で出てこなかったり、捕まえられなかったりして、予約制ではないほうがありがたいという声もあるんですよ。どちらのご意見もあって、なかなか難しいところ。今後の課題ですね。

これまで診療されてきて、気になるのはどのようなことでしょう?

「うちの子が世界で一番かわいい!」と、本当に我が子のようにかわいがっていらっしゃる飼い主さんがとても多いのですが、それゆえに「病院に行くことがストレスになるのでは」と心配し、なかなか連れていらっしゃらない方が多いように感じます。高齢になって、ずいぶん悪化してから来院され、「検査をしてみたら腎臓がすごく悪くなっていた」「腫瘍がとても大きくなっていた」など、治療が難しい状況になってしまっている場合もとても多いんですよ。毎年ワクチン接種のあるワンちゃんと違い、家のなかだけで飼うことの多いネコちゃんにはワクチン接種の必要性を感じない方も多いですからね。そうなると病院に来る機会がまったくなくなってしまうのでしょう。何か病気が見つかっても、初期の段階なら「また近いうちに」といって、そのまま1年以上経ってしまうという方もいますし、気がついたら5年10年、病院に行っていない、ということも決して珍しくない。きっと、飼い主さん自身が病院に来るタイミングを失ってしまうのだと思います。来院のきっかけ作りも含め、もっと気軽に足を運んでいただけるよう、私も一層努力していかなければと思いますね。

一匹の犬との出会いが獣医師をめざすきっかけに

先生はなぜ獣医師を志されたのですか?

実は、私はどちらかというと工学系志望だったんですよ。今でも機械いじりは好きなんですが、ロボットを作りたくて工業大学への進学を考えていたんです。それが、高校生の頃だったでしょうか。友人の家で飼われていたゴールデンレトリーバーが、ものすごく懐いてきてくれて。本当にかわいくて、犬と接する時間がとても楽しく、貴重なものに思えたんです。小さい頃からおとなしい性格で、どちらかというと内向的だった私は、そんなふうに犬が懐いてきてくれたことが、とにかくうれしくて仕方なかった。その思いが獣医師をめざすきっかけになりました。実際、獣医師はとてもやりがいのある仕事。この仕事に就いて本当によかったと心から思いますね。

本院でも診療されている先生。いつも大勢の獣医師に囲まれていらっしゃいますね。

そうですね。本院と分院の「新百合ヶ丘病院」「猫の診察室」合わせて、獣医師22名、看護師23名が在籍。広い診療室で常に大勢の獣医師が一緒に診療をするチーム医療を基本としていますから、日々、大きな刺激を受けていると感じます。それぞれの高い専門性を生かして診療している獣医師も多く、学ぶところもたくさんあります。自分の判断が違った時に指摘してもらうこともできますし、アイディアをもらったり、ちょっとしたことで助けてもらったり。頼りになる獣医師がたくさんいて本当に心強いなあと思うことばかりなんです。「猫の診察室」は、現在、獣医師1人看護師1人の体制なので、本院などとは雰囲気もガラリと変わります。まわりに頼れる獣医師がいないというのは、プレッシャーであるとともに大きなやりがいにも。一層の責任感を感じつつ、自分自身のさらなる学びへの大きなモチベーションにもなっていると思いますね。

ご自身の自由な時間はどのように過ごされているのでしょう?

今は自宅でゆっくり過ごすことが多いですね。少し前に結婚し、新居に引越しをしたばかりなので、休みの日はインテリア探しのショッピングに出かけることもありますよ。気に入ったものを探してひとつずつそろえていくのは、なかなか楽しい。リラックスできて、いい気分転換になっているようにも思います。もし、ものすごく時間があったら……。やはり旅行に行きたいですね。沖縄や北海道もいいですし、本当に時間が取れれば海外にも足を延ばしたい。美しい景色や町並みを感じ、リフレッシュできたらいいなあと思います。

心がけているのは飼い主の話にしっかり耳を傾けること かけがえのない時間を一緒に楽しく過ごしてほしい

診療する上で一番心がけていらっしゃるのはどのようなことですか?

やはり、飼い主さんのお話をしっかりと伺うことですね。当たり前ですが、動物たちは何も話せませんから「ここが痛い」「気持ちが悪い」「ご飯が食べたいけれど食べられない」など、私たちがその気持ちを察し、どこが悪いのかを考えなければいけません。それには、普段の様子を知っていらっしゃる飼い主さんの言葉に耳を傾けるのが一番大事。病院に来た時の様子と日常の様子は違うこともありますし、「元気がない」というのは飼い主さんでないとわからないことも多いですから。「この子はこういう子」というお話をじっくり伺い、診察につなげていくよう心がけています。最近の飼い主さんは、本当に動物たちを家族の一員と思い、ものすごくよくみて、動物たちの気持ちをわかろうとされている方ばかり。診断に役立つ情報もとても多いんですよ。ネコちゃんに特化して言えば、とにかく「ストレス」という言葉がキーワード。病院に来るのも、注射を打つのも、検査をするのも、すべてネコちゃんにとってストレスになると過敏になっている飼い主さんもいるんです。本当に必要なことは何か、その理由まできちんとご説明することで納得し、治療に向かってくださる。インフォームドコンセントの重要性を改めて実感しています。

今後の展望をお聞かせください。

私の思う理想の病院は、必要な時にすぐに時間をとって飼い主さんとじっくりいろいろなお話ができる病院。現実にはなかなか難しいこともたくさんありますが、この「猫の診察室」は、その理想に一歩近づいたのでは、と思うんです。ゆったりと落ち着いた空間で、次の予約がつまっていなければ、さらにじっくりお話することができる。なるべくたくさんの飼い主さんと顔見知りになって、何でも気軽に話ができるようになったらいいだろうなと思います。今はまだ、どうしても本院の比重が高いのですが、「新百合ヶ丘病院」「猫の診察室」の2つの分院もそれぞれのよさがあります。そこを生かしながら診療していかれれば、飼い主さんにとってより満足度の高い医療をご提供していかれるはず。これまで通り、電子カルテで情報を共有し、どこにかかっても安心して受診いただけるといった体制も整えつつ、今まで以上に患者さんに寄り添い、心のこもった医療を実践していきたいですね。

家族の一員である猫たちと楽しく充実した日々を送っていくため、読者にメッセージをお願いします。

もともと野生の動物だったネコちゃんワンちゃんは、病気になってもなかなか症状を出さないことも多いもの。症状を見せたときにはかなり悪化しているということも多いんです。ですから、とにかく気軽に、まずは健康診断のつもりで病院に連れてきていただきたい。ストレスが気になるなら、軽い診察とお話だけでも構いません。できれば何もなくても1年に1回くらいは受診いただきたいのですが、同じ1年といっても、ネコちゃんの1年と人の1年は大違い。人間の5歳分くらいをネコちゃんは1年でとってしまいますからね。5年に1回の健康診断と思うと、ちょっと……と思われるでしょう?それでも、定期的に様子診させていただければ、その時不安に思っていらっしゃることなどお伺いし、サポートさせていただけることもたくさんあるはず。気軽にお散歩ついでに立ち寄るつもりで。当院では「お誕生月健診」も行っていますから、来院のきっかけのひとつにしていただけるとうれしいです。ワンちゃんに比べて自立していることの多いネコちゃんは、飼い主さんからいろいろとしなくても、一緒に普通に生活している中で、お互いに一番いい距離感と接し方が自然に見えてきます。甘えてくる子、甘えられるのが嫌な子、性格もさまざま。そんなネコちゃんそれぞれの個性を大切にしながら、かけがえのない大切な時間を、一緒に楽しく過ごしていただきたいですね。

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