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長坂佳世 院長の独自取材記事

D&C Physical Therapy

(杉並区/東高円寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

「犬と猫のリハビリテーション専門病院」という聞きなれない言葉が目を引いた「D&C Physical Therapy」。2013年7月に、東京メトロ丸の内線の東高円寺に開業した長坂佳世院長に聞くと、リハビリテーションに特化した独立施設は日本初だそう。院内に入ると診察台はなく、ランニングマシーンや数種類のバランスボールが目に入り、確かに一般的な動物病院とは異なっていることがわかる。では、犬や猫へのリハビリテーションとはどういったことをするのか。どういった症状、状態の時に相談するべきなのか。リハビリテーションの効果とはどういったものなのか。現在、どういった患者が来ているのか。長坂院長に伺いたい質問を率直にぶつけてみた。テネシー大学公認のリハビリテーション認定医1期生である長坂院長。この資格を持っている人は、現在でも日本には20人弱しかいないそうだ。動物病院の外科の先生や飼い主からのニーズが高まっているリハビリテーションとは何かを伺って、高齢化が進むペットたちのためにも必要な医療だということがよくわかった。 (取材日2013年7月25日)

獣医師として何か強みを持ちたいと考えて、鍼とリハビリテーションの認定医資格を取得

この場所はご実家の電気屋さんだったそうですね。

はい。場所があるのでいずれはここで開業しようと思っていました。犬のリハビリテーションをやりたいと思っていた時、友人を介して八王子にあるゼファー動物病院の上條圭司院長から、「うちに来ませんか」とお声をかけていただき、勤務することになりました。ゼファー動物病院には、上條院長の外科的知識と経験、技術を頼りに都心からも大型犬がたくさん診療に来ています。治療や手術後のケアのためにリハビリテーションや鍼、マッサージが必要な場合は私が担当していました。テネシー大学公認のリハビリテーション認定医の資格を取得した時に、「1〜2年後には開業しようかな」と思っていたので、2013年に開業したんです。開業してまだ4週間ですが、ゼファー動物病院に通っていた方がこちらに来てくださったり、日本獣医生命科学大学の外科から紹介していただいているので何とかやっています。

獣医師を目指したきっかけはどういったことですか?

小さい頃は猫や犬を飼っていませんでしたし、どちらかと言うと動物が怖かったタイプでした。友人の家の猫にひっかかれたり、野良犬に追いかけられたりしましたし。友人が麻布大学の推薦をもらったと聞いて、「私も受けてみようかな」と思ったことがきっかけです。父親が電気屋をやっていたので電気系の道に進もうかと思った時期もありましたが、物理が全然だめでした……。獣医師になるきっかけとなった友人とは、麻布大学に一緒に入学して卒業した今でも連絡を取り合っています。彼は江戸川区で開業していますので、お互い頑張りたいですね。

鍼やリハビリテーションを勉強しようと思った理由を教えてください。

獣医師として何か強みがあった方がいいかなと思っていた時に、以前勤務していた動物病院の院長に「鍼治療に興味はないか」と言われたんです。「飼い主さんからの要望も増えてきたし、自分も鍼治療を受けると気持ちいいから勉強してみようかな」と思いました。実際勉強していくと、痛みを緩和するにはとても有効だと感じました。東洋医学は奥が深いので全てを知るには一生かかるかもしれませんね。私は大学では産業動物と小動物の整形外科、腎臓移植の3つが一緒になった外科の研究室に在籍していました。腎臓移植班にいましたが、整形外科も身近にありました。卒業後も整形外科に関わる沢山の獣医師が身近にいました。鍼治療の認定医になってから「犬にもリハビリテーションって必要だな」と感じました。いろいろ調べてテネシー大学公認のリハビリテーションセミナーがあることを知り、「現地に行くには時間もお金もかかるな」と悩んでいた時、日本でのセミナー開催が決まったので受けることにしたんです。すべてがとてもいいタイミングでした。

リハビリテーションに特化した独立施設は日本初

リハビリテーション専門の施設は珍しいですよね?

そうですね。小さいですがリハビリテーションに特化した専門の施設は日本初のようです。ゼファー動物病院では一般診療とリハビリテーションを両方行っていた時期もありましたが、だんだんとリハビリの患者さんが増え、認定資格も得たので途中から専門診療になりました。上條院長は外科の症例数が多いのでリハビリに十分な時間をかけるためには必要なことでした。そしてリハビリテーションに専念して独立した専門施設を作ることにしました。1件1件に十分に対応したいので時間をしっかりと取れるよう予約診療にしています。ここではリハビリテーションに関することだけをしますので、一般診療をしてくれるかかりつけの先生を持っている犬猫が対象です。「リハビリテーションはダイエット」というイメージもあるようですが、ただ太らせてしまったから運動施設で痩せさせたいというケースはお受けしないようにしています。関節や筋肉、神経に問題があって歩けない、動けない。手術後のケアのためにリハビリテーションが必要という犬猫のための施設だと理解していただければと思います。

具体的にリハビリテーションとはどういったことをするのでしょうか?

リハビリテーションというと一生懸命運動させるというイメージがあるかもしれませんが、足をくじいたから湿布で冷やす。関節炎があって痛いからサポーターを付ける。手術後に患部を冷やす。これらもリハビリテーションの一環なんですよ。日々のちょっとした体に対するケアから行っています。イメージしやすいのはバランスボールやランニングマシーンを使ったトレーニングでしょうか。特にバランスボールは支える筋肉が少なくて歩けない場合や、体幹を鍛えるために使います。大きい犬は持ち上げることが難しいので、お腹の下にバランスボールを置いて、ボールに体重をあずけた状態で立たせてあげるんです。犬の筋肉は落ちた期間の2〜3倍かかってついてきます。家で毎日トレーニングすることが大事ですので、飼い主さんの理解と協力が絶対に欠かせませんね。

開業する時、どういったクリニックにしたいと考えていましたか?

病院らしくないクリニックですね。リハビリテーションは自宅でどういう生活を送るかがベースになります。飼い主さんの意識をリハビリテーションに向けるためには密接なコミュニケーションが必要なんですよ。机を挟んでお互いが座って、私が何か説明をするスタイルですと、何か一線を引いているような距離感になってしまうのではないかと思って、かけるペイントというカラフルな黒板の壁を採用しました。部屋によって変えて院内のアクセントにしたことも病院っぽくならないように工夫した点ですね。動物にも飼い主さんにも気軽に来てもらえる場所になれば嬉しいです。

痛み止めを飲んでいたり、手術をした犬には早めのケアで回復をはかってほしい

どういった症状、状態の犬にリハビリテーションを受けてほしいとお考えですか?

痛みがあっていつも薬を飲んでいる子の場合、鍼や超音波治療、運動の仕方を変えることによって鎮痛剤を飲まなくてもよくなるケースがたくさんあります。劇的に変化する子もいますよ。それから外科手術をした場合は、その後のケアによって回復までの時間が短くなります。例えば足の手術をした後、適切な運動を取り入れて「もう足をつけるんだよ」とわからせてあげれば回復は早いんです。手術したら終わりというのではなくて、早い段階からのケアをしてあげることによって楽になりますので、そういったことを飼い主さんに知ってもらえるといいですね。

今後力を入れていきたいことはありますか?

今の動物医療業界ではリハビリテーションにとても注目が集まっています。外科の先生方からも期待をしてもらっていますし、飼い主さんからのニーズも高まっていますが、行う人間がまだまだ少ないのが現状です。リハビリテーション科が新設された動物看護士の学校もあるのですが、教育施設が少なくて、実習先もほとんどないんですよね。ですから、ここで講習や実習ができればいいなと思って、2階のスペースを広くとってあります。どんどん人を受け入れられるようになって、後進の育成に協力できたらいいなと思っています。

お忙しい毎日ですが、お休みはどのようにお過ごしですか?

今はゼファー動物病院と日本獣医生命科学大学の外科に週に1日ずつ行き、水曜日は休診日で、木曜日から日曜日までここで診療しています。開業したばかりですので休診日の水曜日もすることがいっぱいあってなかなか休めないのですが、休会届を出しているゴルフのレッスンと英会話教室にまた通いたいですね。まだまだ先のことになると思いますが、長いお休みが取れたら、海外旅行に行きたいですね。この前、3泊5日の弾丸ツアーでハワイに行ったのですが、ビーチでのんびりできる時間がなかったんですよ。今後はゆっくりできる日程でリベンジしたいと思っています。

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