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中山昌彦 院長の独自取材記事

中山動物病院

(国立市/谷保駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR南武線「谷保」駅から3分。美しい桜並木が植えられた文教都市の国立市のメインストストリートである「大学通り」沿いに「中山動物病院」はある。待合室にはペットの写真が貼られた手づくりのポスターが掲示され、受付のスタッフは明るく気持ちのいい接遇で応じてくれる地元に密着したフレンドリーな医院だ。2003年の開業以来、11年間この場所で診療してきた中山昌彦院長は「取材は慣れていないので緊張します」と言いながらも「しっかり聞く、話す、考える」「正しい診断、正しい説明、正しい治療」「飼い主様との二人三脚医療」と医院の基本理念を的確に説明してくれた。最新鋭のCT装置、デジタルレントゲン、超音波エコーなどの検査機器が揃い、腹腔鏡を使った高度な外科手術にも対応しているため設備機器の充実ぶりやその医療技術の高さに驚く飼い主も多いという。「飼い主と一緒に過ごす時間が動物たちにとって一番幸せな時間。できるだけ動物たちが長生きしてもらえる動物医療を提供できるように日々勉強し、技術を磨いていきたい」と語る勉強熱心な中山院長にじっくりとお話を伺った。 (取材日2014年7月30日)

「しっかり聞く」「正しい診断」「二人三脚医療」が基本理念

診療動物は主にどのような種類なのでしょうか?

基本は犬や猫ですが、それ以外にもハムスターやうさぎ、鳥類、亀、イグアナなどのは虫類も診ています。ハムスターやうさぎを診てくれる獣医師は多いと思うのですが、鳥やは虫類は少ないようなので、遠方から来られる飼い主さんも多いですね。もう一人の先生も亀やイグアナなど、は虫類を診てきた経験があるので、2人で一緒に診療しています。

診療するうえでの基本理念を教えてください。

本当は動物たちが口をきいて症状を訴えてくれれば一番いいのですが、そういうわけにはいきません。そこで診察の時に、飼い主さんから話をよく聞くことが治療のスタートだと考えています。例えば、症状が出たのが3日前か1ヵ月前かでは病気の進行具合や処置も全然異なってきます。そこで時には飼い主さんに煙たがれることもありますが、できるだけ細かく話を聞き出してよりよい治療につなげていきたいと思っています。また、当院では正しい診断、正しい説明、正しい治療を提供することを大切にしていて、CT装置やデジタルレントゲンなど最新の検査機器を充実させています。昔の獣医師は経験や勘に頼って診療を進めることも多かったと聞きますが、今日では検査機器も治療器具も進化しているので、こうした機器類を活用しより間違いのない治療をしていきたいと考えております。

CT装置、デジタルレントゲンなど医療設備・機器が充実していると伺いました。

当院では最新鋭のCT装置を、大学時代の同級生8人で共同所有し、医院内のスペースに最も余裕がある川崎市内にある友人の動物病院に置かせてもらっています。使用する時は動物に全身麻酔をかけて、そこまで連れて行かなくてはなりませんが、撮影した精緻な断面画像や3D画像を見ることができるので正確な診断、治療に役立てています。また、当院にある最新のデジタルレントゲン機器は、スピーディな撮影が可能なだけでなく低線量タイプなので安心です。その他、超音波エコー検査装置、顕微鏡、血液検査装置などの検査機器も備えています。飼い主さんの中には、「医院の外観に比べて中身の充実度がすごい」と驚かれる方もいらっしゃるほどです(笑)。

もう一つの理念である、飼い主さんと二人三脚の治療とはどのようなものですか?

昔は獣医師がすべての治療方針を決めていましたが、私は、医師と飼い主さんが同じ目線に立った二人三脚の治療をめざしています。具体的には、飼い主さんにもCT装置やレントゲン、超音波エコーで撮影した画像を見ていただき、病状に関する情報をできるだけ共有することを基本にし、手術を行うか、行わないかといった難しい判断も飼い主さんと話し合って決めているのです。その結果として飼い主さんにとってより満足度の高い治療ができていると思っています。また、病気に関しては医院での治療よりも家に帰ってからホームケアが大事なので、飼い主さんに病状を理解してもらったほうがトータルとしてよい結果が得られると考えています。

動物の体への負担を軽減できる「腹腔鏡手術」に積極的に取り組む

最も力を入れている治療法は何ですか?

腹腔鏡手術です。通常の開腹手術では、お腹などを大きく切開して手術を行いますが、腹腔鏡手術では、数ミリ程度の小さな穴を2〜3ヵ所開け、そこから内視鏡カメラや手術器具を挿入し、モニターで内部の様子を確認しながら手術を行います。こうした腹腔鏡手術のメリットは、人間では傷が小さくて済む審美性だと言われますが、動物の場合は、術後の痛みも少なく、回復も早いといった体への負担を軽減できることです。当院では、メスの犬猫の避妊手術で腹腔鏡手術を用いることが多いのですが、飼い主さんに説明した上で「普通の手術と腹腔鏡手術のどちらにしますか?」と尋ねると、ほぼ全員が腹腔鏡を選ばれますね。また、当院で使用している超音波メスは、切開と止血が同時にできる優れもので、手術時間短縮にもつながっています。

整形外科手術も得意分野だそうですね。

当院では、骨折をはじめ、小型犬で多い膝蓋骨(お皿の骨)の脱臼、膝や股関節のじん帯損傷といった骨・関節系の手術に対応しています。実は、こうした整形外科手術には熟練した技が必要とされ、すべての獣医師が対応できるわけではありません。そこで、私は勤務医時代から整形外科手術ができるようになりたいと思っていて、休みの日に整形外科手術が得意な先生がいる医院に見学に行ったり、お手伝いしたりして技術を身に付けてきました。従来は、最初の手術で折れた骨を固定するために取り付けてきたステンレスのプレートを除去する再手術が必要だったのですが、最近は骨への親和性が高いチタン製のプレートを使っているので除去手術が不要となり、動物への体の負担を軽減できるようになっています。

獣医さんはいろいろな診療領域に対処しなくてはならないので大変ですよね。

今後、獣医師は次第に専門化していくと思いますが、現時点では、内科や外科をはじめ、皮膚科、眼科、循環器、呼吸器などあらゆる動物医療領域に対処しなくてはいけません。しかも、こうした医療に関する知識や技術は日進月歩で進化しているので、常に勉強していく必要があるのです。以前私が腹腔鏡手術に取り組もうと思った時はトレーニングセンターなどで訓練を受けて技術を修得したのですが、今後もより痛みが少なく動物の体への負担が少ない治療法が確立されたら、当院でも導入できるように挑戦していきたいですね。

目標は、ペットが飼い主と一緒にいる時間を長くしてあげること

そもそも獣医師を志したきっかけは何ですか?

群馬県で生まれ育った私は、幼児期から家に犬や猫がいるのが普通の環境で、小学生の時は「たけ」という秋田犬を飼っていました。一緒に遊んだり、駆け回ったりすることが私の楽しみでした。しかし、ある日「たけ」のお腹にしこりを発見し、そのことを両親にも話しました。しかし、当時はすぐに動物病院に連れていく習慣もなかったのでそのまま様子見の期間が続き、ようやく動物病院に連れていった時はすでに手遅れで「たけ」は亡くなってしまいました。「たけ」の病気を知っていながら何もできなかった自分の無力さを痛感し、将来、動物の命を救ってあげられる獣医師になりたいと思ったのが、私が獣医師を志した原点です。

10年以上動物病院を開業される中で経験した印象に残るエピソードを教えてください。

開業当時診ていた小犬が今では10数歳になっていて、そのうち何頭かは亡くなったという話を耳にするようになりました。犬の平均的な寿命は15歳と言うものの、やはり自分が知っている動物が亡くなると寂しい気持ちになります。高齢になってくると犬もがんの発生率が高くなりますが、ある時、他院では難しいと言われた口腔がんの犬を治療したいとある飼い主さんが当院に駆け込んで来られました。そこで、口元の切除手術を施したのですが、顔つきが変わったばかりか、口から食事が食べられなくなったので、抗がん剤治療を行いながら、人間と同じように胃瘻チューブを取り付けて栄養を送り込むという処置を施しました。結局、その犬は亡くなってしまったのですが、がんで食事が摂れなくなってガリガリに痩せてしまう通常のケースとは異なり、この犬は最期までふくよかに太ったままだったので、飼い主さんも良かった、と感謝されました。もちろんそこまで動物に延命治療を施すのに意味があるのかという意見があるのも承知していますが、1分1秒でも飼い主さんと一緒に過ごせる時間をつくれたのは良かったかなと思います。

今後の先生の目標を教えてください。

犬や猫は人間の4倍以上のスピードで老化していくことが知られています。そのため、高齢になると1ヵ月前は問題なかったけれど、1ヵ月後には具合が悪くなるということもよくあるのです。そこで、高齢犬になると、これまでのように年に1回ではなく年2回くらいは健康診断の受診をお勧めしています。私もこれまで以上に「元気で動物たちに長生きしてもらえる動物医療」を実現できるように日々勉強し、技術を磨いていきたいと思っています。

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