小田急多摩線唐木田駅を出て、車の通りがひときわ多くなる県道158号線を北へ歩くこと7分。秋葉神社バス停の前に、かわいらしい猫のロゴマークと一緒に「ばぶどうぶつクリニック」の看板が見えてくる。緑で統一された医院は、待合室にも観葉植物がたくさん置いてあり、診察を待つ飼い主や動物たちが少しでもくつろげる工夫が凝らしてある。院長の彌冨恭子先生はサバサバとした明るいしゃべり口で、多くの飼い主から、とても話しやすくて気さくな先生と評判だ。動物への診療と同じくらい、飼い主とコミュニケーションをとることを第一に考え、一方的に治療法を押し付けるのではなく、飼い主の治療方針を常に尊重するという。「治療や金額のことなど、わからないことがあったら、ぜひ遠慮なく聞いて欲しい」と明るく話す彌冨院長。さまざまな経験を持つ彌冨院長生が考える動物への治療とはどういったものなのか、携わってきた動物の話と一緒に伺ってみた。
(取材日2014年1月24日)
―唐木田の地を選んだ理由をお聞かせください。
開業は2001年の1月です。もともと勤務医をしていたのですが、通うのに遠かったのと、子どももまだ小さかったので、当時の勤務先の院長先生に「それなら開業したら」とアドバイスをいただき、このあたりの物件をあちこち探してみつけました。院名の「ばぶ」は私が子どもの時から代々飼っている猫の名前で、ロゴマークは息子が小学校1年生の時に描いたものです。子どもでないととても描けないタッチで、気に入っています(笑)。
―院内の作りでこだわった部分はありますか?
以前勤めていた病院の待合室では、外にまで待っている人たちが溢れていたので、そういったことが減らせるようにと、待合室を大きくとりました。そうすれば多少犬と猫が顔を合わせても、険悪なムードにならずに待っていられるかなと思ったからです。そしてお花とか観葉植物を多く置き、くつろげるように工夫をしました。待合室にあるテニスボールは、私がテニスをずっとやっていて、古くなったボールをワンちゃんたちの遊び道具に持って帰ってもらうために置いてあります。
―動物の病気で増えている病気は何ですか?
今は予防注射や定期検診が普及しているので、感染症の予防はできるようになりましたが、その分動物も高齢化していて、メタボリックシンドロームのように人間と同じような病気が増えています。あとは環境的な因子が多いかと思うのですが、アトピー性皮膚炎のような皮膚疾患も多いですね。それと免疫系に異常をきたす病気も多いです。免疫系の病気に関しては、ここ数年でずいぶんと治療に関して研究がされてきているので、逆に疾患を見つけ易くなったということもあると思いますが、免疫が異常に亢進したりエイズのように下がったりなど、病気も多岐に渡っています。
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