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谷本 仁子 院長の独自取材記事

チャオ動物病院

(多摩市/京王多摩センター駅)

最終更新日: 2023/01/22

京王線多摩センター駅から車で5分の「チャオ動物病院」。同院は1996年に開院して以来、地域のペットのさまざまな症状に向き合ってきた。動物の医療の世界でも専門医が増える中、谷本仁子(きみこ)院長がコンセプトとして掲げるのが「徹底的にかかりつけ医」だ。病気だけでなく、飼い主の家庭環境を踏まえ、今後予想される病気を予防できるようにアドバイスする。子どもの頃から動物が好きで、小さな頃は青大将を素手で捕まえていたほど。今も犬、猫、リクガメ、ヘビとさまざまな動物を飼い、飼い主のペットも「我が子」と思って診療することを心がける。「わからないことがあれば、すぐに何でも聞いてほしい」と話す谷本院長に、増えている認知症への対応や医師を志した理由など多方面にわたり話を聞いた。 (取材日2016年9月5日)

飼い主の家庭環境も踏まえたアドバイスを心がける

最寄駅から少し離れていますが、近隣にお住まいの飼い主さんが多いのでしょうか?

そうですね。当院の周辺には団地が多くて、歩いて来られる方が多いです。八王子市や町田市にも近いので、なかにはそちらから車で通われたり、引っ越した先から継続して通われたりする飼い主さんもいます。20年前の開院当初から、ペット2代に渡ってご相談を受けていることもありますよ。今はペットも高齢化が進んでいるので、慢性的な関節炎で歩行に障害があったり、心臓に病気を持っていたりするほか、認知症の子も増えてきていると感じます。以前は交通事故や動物同士のケガで来院されることが多かったのですが、室内飼いが増えてそれらはめっきり減りましたね。

多摩市で開院されたのは、何かこのエリアとのご縁がおありなのでしょうか?

多摩市でどうしても(開院したい)という気持ちはありませんでした。私の生まれは神奈川県で、1988年に日本大学の獣医学科を卒業し、神奈川県の横浜市と伊勢原市で計7年、勤務医を務めた後に開業しました。多摩市には当時、友人が住んでいて、私も何度か来たことがあったんです。近くの町田市や相模原市には当時も動物病院は多かったのですが、多摩市にはまだ少なかった。しかも、隣の稲城市は住宅地が開発されている最中でした。多摩市はこれから動物病院のニーズが増す地域じゃないかなと思い、いい空き物件もあったのでこちらでの開院を決めました。

開院されて20年。どんなクリニックをめざしてきたのでしょうか?

開院当初は明確なコンセプトはありませんでした。しかし、病気や治療に特化した専門医が段々と増えてきたので、開院して数年後には「徹底的にかかりつけ医になろう」と決めました。具体的には、飼い主のご家庭が見える獣医師です。飼い主さんとの信頼関係が築けてくると、家族構成や生活のスタイルがわかり、アドバイスできることが増えてきます。例えば、ペットが影響を受けやすいことの一つが飼い主さんの家庭の変化。結婚や引っ越し、出産などで家の中にいる人間が変わると、ペットはストレスを受けやすくなります。子どもができるとそちらにかかりっきりになりがちですから、ペットが寂しがって体調を崩してしまうこともあります。ですから、生活の変化を事前に把握して、それに伴って危惧されることと予防できる方法、ちゃんとペットを構ってあげることなどまでお伝えしています。

自分の子どものように愛情を持って診療したい

他に、診療する上で心がけていることはありますか?

動物のことを想像しながら診療することでしょうか。私たち獣医は、結局、動物にとっては嫌なことをしなくてはいけない。ですから、なるべく自分のペットのように愛情を持って接し、その動物の身になることを大切にしています。私自身が大病にかかったことがないので理解しづらいのですが、ちょっとケガをした時なんかに「ああ、あの子たちはこんな痛みを感じていたのかな」と想像して。診療中はずっと声をかけていますね。名前を呼んだり、「もうすぐ終わるからね、あとちょっとの我慢だよ」などと言ったり。小児科と似ていますね。

認知症のペットが増えているとのことですが、飼い主が気づくポイントは?

私の経験則にはなりますが、一番は顔つきです。とても穏やかな顔をするようになるんです。興味の対象が狭くなりますから、神経質だった子が物事にこだわらなくなる場合も多いですね。あとは食べ過ぎ、昼夜逆転、方向転換ができないために部屋の隅っこから出られなくなる、という兆候があります。私が前に飼っていた犬も認知症気味になったことがありました。顔つきが変わり反応が鈍くなったんです。そこで生活に変化を与えてみました。年を取って歩けなくなっていたので、散歩をあまりさせていなかったんですが、何度か抱っこをしながら外に出ることをしていたら、症状がなくなりました。ペットの認知症の治療も人間と同じで、大切なのは早めに気付いて対応し、症状を進行させないことです。治療としては、生活に刺激を与えたり、症状緩和の効果が見込めるサプリメントを服用したりすることが挙げられます。散歩コースを少し変えてみるのも方法の一つです。

先生ご自身のことについてお聞きします。なぜ獣医を志したのでしょうか?

子どもの頃から動物が好きでした。好きを通じてできる仕事で、かつ、生活も成り立つのが獣医だったんです。子どもの頃は神奈川県の藤沢市と伊勢原市に住んでいたのですが、40年ほど前の当時、周囲は田んぼや畑が広がっていて、自然もたくさんありました。春になると動物たちが家の周囲に出てきますから、青大将(ヘビ)などを素手で捕まえたりしてよく遊んでいましたね。代々、動物好きの家系で、セキセイインコや金魚、カメなどを飼っていました。インコの飼育は私が担当していて、交配させて自分の好きな色が子どもに出ないか試行錯誤していたこともありました。今飼っているのは犬と猫が2頭ずつとリクガメが一匹。それと、コーンスネーク。ヘビもかわいいですよ。動き自体が面白いですし、数日に1回の食事で良いなど、生活スタイルが人間とは違いますから見ていて飽きないですね。

院名の通りに、肩肘の張らない関係を築きたい

今までたくさんのペットを診てきたと思いますが、中でも印象的な経験は?

うーん、いいことはあまり覚えていないんですよね。どちらかと言うと、うまくいかなかったことやとても悩んだことの方が覚えています。飼い主さんと相談しながらこっち(の治療法)を選んだけど、果たしてそれで良かったんだろうか、といったことですね。当院での治療が難しくて大学病院をご紹介した時でも、飼い主さんが大学病院から提示された治療法の選択に迷われていて、私に相談されることもあります。つい先日も、そのことで夜の10時頃まで話し込んでいました。治療効果や家族の納得感のバランスが大事なので、難しいのですが、私にできることは、飼い主さんと一緒に考え続けることです。その意味でも、大学病院に紹介した後もサポートしていくことを大切にしています。

休日にはどんなことをして過ごしていますか?

それが、今は何もできていなくて。私の好きなことって1日時間を取られるのでなかなかできないんですよ。本当はスキューバダイビングのライセンスを取ったり、ウェイクボードに挑戦したりしたいなと思っています。子どもの頃はよく湘南の海で遊んでいました。学生の6年間はウインドサーフィンにどっぷりはまって。やっぱり海が一番いいですね。恋しいですが、多摩からだとなかなか行けないので。小学校から仲の良い友だちがウェイクボードを誘ってくれているので、いつかやりたいです。仕事を辞めた後になっちゃうのかな、まだわかりませんね。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

ペットの高齢化はこれからも進むでしょうから、老犬ホームのようにペットを預かるサービスができたらいいなと思っています。今もデイサービスはやっているんです。飼い主さんからご希望があればペットを半日預かって介護補助をしています。診療面では、本当はもっと時間をかけたいんですけどね。動物の場合、体調が急変することが多くて予約制にはできないため、立て込むこともあります。だから、「わからないことがあったらその都度聞いて」とはよく言っています。電話でもいいからと。そう考えると、やっぱり飼い主さんと仲良くなって、相談しやすいクリニックであるのが一番なんだと思います。「チャオ」はイタリア語で親しい人同士に使われるあいさつですが、今後も飼い主さんとはそんな肩肘の張らない関係でありたいですね。

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