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南 和男 院長の独自取材記事

くるめ動物病院

(東久留米市/東久留米駅)

最終更新日: 2023/01/22

西武池袋線東久留米駅から車で10分ぐらいの場所にある「くるめ動物病院」。黄色い看板に大きな猫のロゴマークが印象的な動物病院だ。表看板に描かれた大きな猫は、院長の南和男先生が大学の卒論作成時に治療していた猫がモチーフになっているそう。院内は明るく木目調で落ち着いた雰囲気。獣医師は院長を含め4人、トリマーが3人、癒やし担当の犬と猫3匹で運営されているアットホームな動物病院だ。院長の南和男先生は北海道にある酪農学園大学を卒業後、3年間の勤務医を経て開業した経歴を持つ。2005年には200メートルほど離れた最初の開業地から、現在の場所に移転。年中無休、夜8時まで営業、夜間の急患、往診や送迎もしている。東久留米に根ざした、頼れる動物のホームドクターだ。 (取材日2014年12月18日)

動物病院の看板にあるキャラクターには、卒論の実験で亡くした猫への思いが込められている

開院に至るまでの経緯を教えてください。

北海道の大学を卒業した後は、広尾にある病院に勤めていました。3年と短かったのですが、東京で獣医師としてやっていくベースとなる部分を勉強させてもらいました。その後、現在のクリニックから200メートルくらい離れた場所にある貸店舗で開業をし、9年。さらにその後、この場所に土地を買って移転しました。移転後9年がたちましたので、合計で18年目になります。もともと僕は杉並区の出身で、最初は杉並で開院を考えていたのですが、対象エリアを広げて東京都内で場所を探してみようと思い、最終的に東久留米に決まりました。

クリニックの外観とキャラクターのロゴがすごくかわいらしいのですが、何かコンセプトがあるのですか?

大学の卒業論文を作成するために当時、犬と猫を飼育していました。そのうちの1匹で、腰を骨折した下半身まひの猫が当院の看板にもあるキャラクターのモチーフになっています。当時、僕はその猫の治療をしながらデータを取っていたのですが、最終的には一般生活を送るには支障がない程度までに回復してきました。しかし、その後も論文作成上必要なデータを得るために麻酔をかけての手技が何度か必要でした。その最後のときに、その猫は麻酔から醒めることなく、亡くなってしまいました。麻酔のみが原因というわけではなく僕の手技が悪かったという理由もあると思うのですが、いずれにせよ僕がその手技をしなければ、猫は亡くなる必要はなかったはずなのです。そこで「僕が病院を開院するときには、あなたを看板に掲げる」と猫に約束をしました。僕は絵心がなくて看板のようなイラストになってしまいましたが、普通のトラっぽい猫です。

卒論の話が出ましたが、大学はどちらのご出身でしょうか?

大学は北海道にある酪農学園大学です。卒業は1993年になります。酪農学園大学はもともと酪農用の大動物から始まった学校なので酪農学園という名前が付いていますが、小動物も盛んに行われています。僕は最初から小動物を学びに行きました。進路を決めるまでにいろいろとありましたが、今思えば北海道の大学に行って本当に良かったと思います。寮に入り、獣医科だけでなく他の学科の仲間もたくさんできました。今でもそのときの仲間と仲良くさせてもらっています。僕の財産です。あとは素晴らしい先生の存在です。今でもつながりのある恩師が何人も居て、東久留米にも遊びに来てくださいました。強く思い出に残っています。

獣医師として与えられた使命を自覚しながら、自分にできる仕事を精一杯やっていく

獣医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

昔から生き物が好きで、虫から魚から動物から何でも好きだったのですが、具体的に獣医師を意識したきっかけは中学生のときです。親の都合でメキシコに移住したのですが、学校へ行く途中に猫が事故に遭って倒れていました。「これは大変だ」と思って、僕はその猫を獣医師の下に連れていったのですが、「お金持っているか?」と聞かれ、「持っていない」と答えたら、「持ってから来い」と帰されてしまいました。学校に行く途中だったので仕方なく猫を置いて学校に行き、友だちや先生に話して寄付を集めて再び猫の下に戻ったら、残念ながら亡くなっていました。そのとき子どもながらに「これでは駄目だ」と思いました。「獣医師になって、もしも同じようにケースがあったら、後回しにしないで診てあげたい」と思いました。実際、僕が獣医師になってからも、小学生が何度かそういう動物を連れてきたので、お小遣いの金額で診察をしてあげた経験もあります。メキシコでの出来事だけで獣医師になったわけではありませんが、大きな動機になったと記憶しています。

動物がお好きなのですね?

そうですね。ただ、動物が好きな自分と獣医師としての自分は別物です。動物が好きだからこそできる仕事でもありますが、線を引かなければいけない部分もあります。例えば大学で獣医師になるために、健康な動物を何頭か殺して勉強をしました。動物が単に好きという気持ちだけでは、その時点で辞めてしまうはずです。実際に辞めていった人を何人も見てきました。獣医師としてはその先に行かなければいけない、乗り越えなければいけない部分もあったと思います。獣医師になった今は、与えられた使命を自覚しながら、自分にできる仕事を精一杯やっていきたいと思っています。

そうした獣医師としての基本姿勢をベースに、毎日の診療で心がけている点はございますか?

どうやって飼い主さんの言葉を引き出すかを心がけています。診察台の上では見えない、普段の生活でしか見えないサインはいろいろとあります。物をしゃべれないペットを見る飼い主さんの目は、診療の大きなヒントになります。どんなに小さな変化でもいいので、何かしらのヒントを飼い主さんから聞き出せるように心がけています。また、飼い主さんによって獣医師に求める治療のレベルが違っている場合が多いです。日本でできる最高の医療を受けさせたいという飼い主さんも居れば、入院はしないで家でできる範囲の治療をやりたいと希望する飼い主さんもいらっしゃいます。その意向に合わせて提案をして、最終的に飼い主さんがやりたい、納得できる方向でお手伝いさせてもらうようにしています。

現場で働き続けるために、獣医師としての技術や知識を研ぎ澄ませていく

往診もされているようですが?

頼りがいのある、フットワークの軽い、何でも気軽に相談できるホームドクターをめざしてやっています。その意味で、往診も全スタッフで積極的にやっています。1日3件から4件、ご利用をいただいております。駅からも近くはないですし、車がない高齢の方も周辺にはいらっしゃいますので、なるべくいろいろな飼い主さんのお手伝いをさせていただければと思い、往診をしております。どうしても往診できないときは送迎も行っています。犬猫以外は専門ではないので、専門の病院を紹介するケースも多いですが、いずれにせよ何かあれば一度電話をいただければと思います。ケースバイケースで対応をお伝えさせていただければと思います。

たいへん忙しそうな印象がありますが、休日はどう過ごしていらっしゃいますか?

海が好きなので、海で釣りをしたり、小さなボートを操縦したりしています。また、空手を昔からやっているので、たまに道場に足を運んでいます。昔は試合にも出ていたのですが、最近は体が思うように動かなくなって回数も減りました。髪の毛も今はプードルみたいになっていますが(笑)、昔はプーリーという犬種に似たドレッドヘアもしていました。ただこちらも、動物病院の獣医師がドレッドヘアをしているとおかしいので、やめました(笑)。

クリニックの展望を教えていただけますか?

どんどん獣医学は発展していきます。そうした進歩を、しっかりと吸収していきたいと思います。病院を大きくする、分院をたくさん作るといった考えはありません。現場で僕は生涯、仕事をしたいと思っています。大きくしてしまうと経営者になってしまします。もちろん今でも経営はしているのですが、より現場に近い場所で働き続けたいと思っています。今は医療機器も技術も知識も、たくさんあり過ぎて、1人の獣医師が全部をやるといっても不可能な時代になってきています。そういう意味で当院のような動物病院では、「今この子にはどのような治療が必要で、どこの病院で、どのような診療を受けるべきか」を見極める、一次診療が重要になってくると思います。そのためにも獣医師としての技術や知識を研ぎ澄まし、頼れる窓口になれればと思います。

最後になりますが、ドクターズファイルの読者に対するメッセージをお願いします。

ペットを観察して、小さな問題でも何かあればいつでも動物病院に連絡を入れていただければと思います。ペットが病気になったときには、飼い主も積極的に治療に参加していくという気持ちが大事だと思います。あと、ペットにとって質のいい生活とは、大好きな飼い主さんと家族の下で、落ち着いてご飯を食べられる環境だと思います。飼い主さんは一度飼い始めたら、癒やしをもらうだけでなく、しっかりと責任を持たなければいけないと思います。その意味では、仕事を持って1人暮らしで忙しくしているような人は時間にも限りがあるので、ペットを本当に飼える状況なのかどうか、あらためて考えていただければと思います。

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