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山田 直之 院長の独自取材記事

クオリア動物病院

(日野市/程久保駅)

最終更新日: 2023/01/22

大切な家族の一員であるペットにじっくり時間をかけて診察し、飼い主にも懇切丁寧に説明をしてくれる山田直之院長。勤務医時代から開業に向けてのビジョンを固め、2010年にトリミングやペットホテル、ドッグトレーニングなどの施設を備えた「クオリア動物病院」を開院した。敷地内にあるカフェには、犬専用のフードメニューも取りそろえているほか、貸し切りできるミニドッグランと屋内フリースペースも設けてあり、週末になると愛犬の散歩の途中に立ち寄る家族づれが多いという。そんなクリニックのスタイルを気に入ってか、飼い主の知らぬ間に一人(一匹)で遊びに来た犬もいるとか……。クリニックづくりや仕事への熱い思い、獣医師としての誇りを穏やかな口調で誠実に語ってくれた。 (取材日2017年3月2日)

開業前から温め続けたクリニックづくりの構想を実現

なぜ、さまざまなサービスを取り入れたクリニックをつくろうと思われたのですか?

大学卒業後に修行を積ませていただいた動物病院では、わんちゃん、ねこちゃんの健康をを守るために、ご家族に対し、スキンケアやトレーニングをお勧めする機会が多くありました。任せられるところは、より高い専門性を備えた人に任せつつ、クリニックサイドでも、もっとできることがあるのではないか。そう考えていくうちに、あれもこれもと思いが膨らみ、トリミングやトレーニング施設、ホテルやカフェを備えたクリニックができあがりました。開院後も試行錯誤を重ね、さまざまな経験を積むなか、獣医師が個々の分野を統率し連携を取るということで、ようやく理想が形になりました。

どのように連携を取っているのですか?

たとえば、体のどこかに重度の疾患があるわんちゃんの場合、トリミングひとつにもリスクを伴います。大切なわんちゃんの命を守り、なおかつ清潔な状態にしてご家族のもとへ帰すためには、獣医師とトリマーがそれぞれの情報を持ち寄り、話し合いながら進める必要が出てきます。トレーニングに関しても同じです。以前、膝関節に持病があるわんちゃんが来院されました。その子は、ごはんが大好きで、食事を見るたびに興奮してグルグル回り、回る度に痛がってしまうという悩みがありました。そこでトレーナーに相談したところ、ごはんの前にマットの上で大人しく座って待てるようにトレーニングをしてもらったんです。1回のレッスンだけで、そのわんちゃんは痛みから解放されました。あの時はご家族も安心されましたし、僕も専門家に任せて本当に良かったと思いました。

カフェも素敵ですね。ペットのにおいもまったく気になりません。

ありがとうございます。カフェに入る前には、こちらで用意したオムツの着用をお願いしています。カフェ内にはフリースペースがありますが、そちらは貸し切りにしてわんちゃん同士が顔を合わせて興奮しないよう安全面にも配慮しています。メニューには、わんちゃんのおやつもそろえました。栄養学的なことと食材に対するリスクを考え、間違いのないと思えるものをお出ししています。もともと僕は料理が大好きで、人間のメニューも食材選びにこだわり、実際に食べてみておいしいと感じたものだけをそろえています。料理好きが高じて、三年前からパン作りを独学で研究し、カフェでも自家製天然酵母パンの提供をはじめました。微生物がエネルギーを得る過程や温度、湿度といった条件を考慮し、どうすればおいしいパンができるのかということを考えるのは、まさに微生物学であり、ついついのめり込んでしまいました。

動物だけでなく、家族の心も救える獣医師の仕事が誇り

初診に1時間、再診に30分と診察にかなり時間をかけていらっしゃるのですね。

わんちゃん、ねこちゃんの体に何が起きているのか、ご家族に可能な限りご理解いただいた上で選択肢をお伝えするので、どうしてもこれだけの時間が必要になります。ご家族にとっては、医学的な正解が必ずしも正しいとは限らなくて、苦痛を伴ってでも積極的な治療を望まれたり、やすらかな最期を迎えさせてあげたいと思われたり、考え方はそれぞれです。ですから、僕の役割は、治療法の選択肢を提示し、ご家族一人ひとりにとっての“正解”を見つけていくことなんです。その際、できるだけご家族の気持ちに寄り添い「僕だったら、こうします」と獣医師としてではなく、一個人の意見も伝えるようにしています。そういう意味で僕の仕事においては、動物を知り、そのご家族を知り、さらには動物とご家族の関係を知ることが最も重要だと考えています。

診療するうえで、心がけていることを教えてください。

ご相談にはできる限り全力でお応えしたいと思っています。また、たとえ体の一部が気になって来院された場合でも、全体を診てわずかなサインも見逃さないよう身体検査を念入りに行っています。初めは緊張して震えている子たちも、「この人、ボクの家のお母さんと仲良く話しているぞ」とわかると、次第にリラックスして触れさせてくれるんです。散歩の途中でカフェに寄ったり、月に1度はシャンプーに来たりすることで、さらに、動物病院を楽しい場所だと思ってくれたら、と願っています。以前、あるわんちゃんがリードも付けずに入り口の前に座っていたことがありました。どうやら、家の人が知らない間に、遊びに来てくれたらしいんです。道中、事故に遭わずに良かったと胸を撫でおろすと同時に、今までやってきたスタイルは間違っていなかったんだと確信し、とてもうれしかったのを覚えています。

こちらのクリニックが気に入ったのでしょうね。ほかにも印象に残っているエピソードはありますか?

病気やケガが治ったときももちろんですが、最期を看取らせていただいたときのことも心に残りますね。ご家族とは、日頃から時間をかけてお話ししているので、いざという時、僕にどういった対応を求めているかが自然とわかるんです。飼い主さんの気持ちに寄り添うあまり、亡くなった時は僕自身も悲しい思いをします。それでも、「ここに通って、最期まで診てもらえて良かった」とご家族が安らいだ表情を見せてくださったときが、動物だけでなく家族の心も救えるこの仕事を誇りに思える瞬間です。

今後はペットと家族に関わる生活のすべてをサポート

プライベートではどのようにお過ごしですか?

我が家は共働きなので、朝は家族そろって家を出て、子どもを保育園に送り届けたあと、妻を駅で降ろし、それから診療にあたっています。休診日は、子どもをスイミング教室に連れていって、上達していく様子を眺めて楽しんでいますよ。頑張ったごほうびに、毎回お菓子を買ってあげてしまう甘い父親です(笑)。これだけ子どもと関わる時間が持てるのは、自営業ならではの強みですね。すごく幸せを感じます。あと、土日になると併設しているカフェにご家族連れがいらっしゃるのですが、何年か前まではあどけない小学生だった子が、思春期まっ盛りだったりして、その成長ぶりに目を見張ることもあります。クリニックの歴史を積み重ねていくなかで、よそのお子さんの成長を見るのも楽しみのひとつですね。

どんな子ども時代を過ごされたのですか?

水で溶いた給食のパンを乾燥させて、教室で飼っていたメダカのエサを作るような小学生でした。当時担任だった恩師は理科の生物を専門にしていて、怒るどころか「もっと研究してみろ」と応援してくれたんです。創意工夫が好きになったのも、その恩師のおかげですね。週末には先生が希望者を募ってニジマス釣りや化石掘りに連れていってくれました。おやつのリンゴと一緒に包丁を渡されて剥き方も実践を通じて覚えましたね。あと、無免許の天才外科医の漫画にもハマり、全巻を何回も読み返しました。医療に目覚めたのは、その漫画の影響が大きいです。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

さまざまな疾患を丁寧に診ることで、ジェネラリストとしての役割をしっかり果たしていきたいです。それと同時に、高度な二次診療を希望される場合は、ご家族のニーズに合った動物病院を責任持ってご紹介させていただきます。また、今後はスタッフ教育にもさらに力を入れていきたいですね。技術的な指導はもちろん、スタッフの長所を見つけ、その良さを伸ばしていけるような院長でありたいと思っています。実際、スタッフの能力に僕が驚かされる場面も少なくありません。引き続き、ペットとご家族の生活を豊かにしていくことをモットーに、健康面だけでなく生活のすべてをサポートできるよう、スタッフ一同精進していきたいです。

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