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根本洋明 院長の独自取材記事

ねもと犬猫病院

(日野市/高幡不動駅)

最終更新日: 2023/01/22

「自分がしたい診療より、患者が望む診療を行いたい」――それが「ねもと犬猫病院」の院長・根本洋明先生が大事にしている診療方針だ。京王線・多摩都市モノレール高幡不動駅から徒歩10分、京王百草園駅から徒歩10分の場所と駅からはやや離れているが、車を利用する人の多い当地では、川崎街道沿いで駐車場を完備した当院は便利だろう。目印はオレンジ色の看板。待合室のソファも同色で統一され、「元気が出る色だと思ったんですよ」と明るい笑顔で迎えてくれた根本院長。長く二次診療施設で高度な治療にあたり、3年前に高幡不動に開院し、同時に住まいも当地に移したという。重症の犬や猫を数多く診てきた経験を生かし、夜間救急にも取り組む心強いホームドクターだ。治療の方向性も患者の身になってともに選択し、患者のニーズに合わせてトリミングなどの取り組みも始めた。飼い主と動物のよりよい生活のために、しなやかに、しかし力強くサポートする獣医師に、診療への思いからプライベートまでお聞きした。 (取材日2014年6月16日)

二次診療施設での高度な診療経験を生かし、夜間救急にも対応

高幡不動に開院された経緯を教えてください。

当院は、今年で開院から3年目になります。私は開院前、滋賀県にある二次診療施設で働いていました。将来的には出身地の東京に戻ろうと思っていて候補地を探していた時、たまたま見つけた物件が高幡不動でした。何より決め手になったのは、自分たちが暮らすのに環境のいい場所だと思ったことでした。開院と同時に、家族みんなでこの町に引っ越してきたんです。この辺りは、東京とは思えないほど緑が多く、のどかですね。飼い主さんの雰囲気にも、温かみを感じています。勤務医時代には都心で働いた経験もあるのですが、高幡不動の印象はどちらかというと滋賀県で働いていた時のものに近くて、親しみやすく、接しやすい飼い主さんがとても多いです!

以前は二次診療施設に勤務されていたのですね。

はい。二次診療施設というのは、当院のような一般の動物病院から紹介されて、そこではできないMRIなどの高度な検査を行なったり、脳腫瘍や整形外科といった難しい手術治療などを行なったりする動物病院です。それが可能な設備とスタッフがそろい、熟練の獣医師が診療にあたっています。私は開業前、滋賀県にあるそうした動物病院に長く勤め、毎日のように重症の動物を診て、がんの告知をし、難しい治療をする日々を送っていました。あの頃の経験は、今の私の診療のベースになっています。逆に言えば、あの経験がなければ、開業していなかったでしょう。例えば、突然症状が悪化して連れてこられる動物の救急治療などは、当時の経験がとても役立っています。冷静に状況を見極めて適切に対処できる自信は、難しい診療を数多くこなした経験が大きく影響していると思います。

夜間救急にも対応されていると伺いました。

夜中に爪を切ったら血が止まらなくなったという子から、膵炎や心不全、脳障害などで体調が急変して命にかかわるようなケースまで、夜間救急に対応しています。ホームドクターとして診療するからには、困った時に力になって、地域に信頼してもらえる獣医師になりたかったので、この取り組みは開業と同時に始めました。設備やスタッフは限られていますが、その中でできる限りの治療を行っています。当院で無理な場合は、信頼できる二次診療施設をご紹介します。その際にも、私自身が二次診療施設で働いていた経験を生かして、紹介先で行われる検査や治療の内容を、事前に飼い主さんにご説明しています。ホームドクターと二次診療施設とでは、行う治療のレベルがかなり違うので、知識がなくて不安に感じている飼い主さんに情報をさしあげることができる点は、一般のホームドクターとしては強みかもしれません。もちろん、二次診療施設での医療は日進月歩で変わっているので、開業したからといって置いていかれないように、私も新しい知識を身に着ける努力をしています。

全身を触って健康チェックをするという意味で、動物病院でのトリミングは付加価値が高い

開院後、診療の内容は変わりましたか?

重病の犬や猫を治療することは減りましたが、開院後想像以上に増えたことは、飼い主さんの気づいていない病気を発見することです。その機会になっているのが、トリミングやペットホテル、爪切りなどの日常的なケアで動物をお預かりすることです。ペットホテルは開院当時からメニューにありましたが、トリミングは「やってほしい」という飼い主さんがとても多かったので、新たに取り組み始めました。ペットショップなどではなく、動物病院で行うトリミングには、それなりの付加価値があると思っています。トリミングは美容だと思われていますが、全身を触ってチェックするという意味では、医療行為に近いと考えています。

動物病院でのトリミングには利点があるのですね。

日常的に犬の体に触れ、耳の中や肛門腺、そのほか全身の健康をチェックできますので、皮膚病や外耳炎、しこりなどを見つけるために、とても役立ちます。早期に病気を見つけられれば、早めに治療を開始することが可能です。例えそれが心臓病など重い病でも、病気をうまくコントロールでき、長く元気に生活することが可能です。トリミングはまた、今は症状が出ていなくても、いずれ年齢を重ねるにつれ病気になるかもしれないというリスクを発見する助けにもなります。その場合は、サプリメントなどを使って予防することもできます。当院では、トリマーも医療的な知識を持っています。実際、皮膚病や心臓病、関節の悪い子など、一般のトリマーでは扱えないような犬をお預かりしてトリミングすることも多いですね。

診療の際、特に気をつけていることは何ですか?

いくつもある選択肢の中から、飼い主さんが本当に望む治療をすることです。人間ががんになった時、高度な手術を望む方もいれば、治療はせずに緩和ケアを望む方もいらっしゃるでしょう。動物も同じで、治療のセオリーとしては「手術」が正解だとしても、飼い主さんがそれを本当に望んでいなかったら、その治療は間違いだと私は思います。獣医として最もつらいのは、後になって飼い主さんが「手術なんかしなければよかった」と思ったり、逆に、動物の死後に「あの時手術をしておけばよかった」と悔やんだりすること。そうならないよう、治療前にしっかりと説明の時間をとり、飼い主さんが何を望んでいるのかをお聞きして、一緒に治療に取り組くむことを大事にしています。命にかかわる状況で飼い主さんが治療の方向性を決めることは、難しいものですよね。そこで私はその手助けとして、最悪のケースをお話するようにしています。手術をした後に亡くなった時のこと、手術をしないという選択で緩和ケアをしていくなかで亡くなった時のこと、いずれもきっと後悔はされるでしょう。でも、その状況を事前に想像していただくことで、どちらの後悔がより少なくすむのかを考えていただきたいです。もちろん私も一緒に考えます。動物を失った後、飼い主さんのお気持ちがなるべく前向きでいられるように、一緒に答えを出していきたいです。

自分がやりたいことより飼い主が望むことを大事に、診療に取り組んでいきたい

獣医師を目指したきっかけを教えてください。

最初のきっかけは、仕事のイメージとして、「獣医っておもしろそう。楽しそうだな」と思ったからです(笑)。両親がサラリーマンでしたので、それとは違うタイプの職に就きたいとも思っていました。動物は子どもの頃から好きで、「大きくなったら動物園の飼育員になりたい」と思っていた時期もあります。大学に入って獣医師の勉強を重ねるうちに、小動物や動物病院に興味を持つようになり、方向性が定まっていきました。動物園は今でも大好きです。近くにある多摩動物公園は、緑が多くて、歩いているだけでも気持ちがいいので、休日に家族で出かけています。獣医師になったからといって、動物園の動物を見る目は変わりません。「サイってかっこいいな!」という感じですね(笑)。

印象に残っている診療はありますか?

開院当初、救急で来られて、その後腎不全で長く治療に通ってくださったネコちゃんと飼い主さんは、とても印象に残っています。残念ながらネコちゃんは亡くなってしまいましたが、それまでの約2年間、飼い主さんと二人三脚で治療に取り組み、私としては、患者さんと獣医師という関係を超えて、家族のように感じていました。一番うれしかったのは、「この病院に来てよかった」と飼い主さんに言っていただいたことです。「このために開業したんだ」と思いました。病院をスタートしてすぐで、「これから患者さんが来てくれるかな……」と不安だった時期に、ホームドクターとして飼い主さんと良い関係性が築けたということは、とてもうれしかったですね。

診療を離れたプライベートもご披露ください。

子どもがまだ小さいので、休日は家族と遊園地や動物園などに出かけることが多いですね。先日は高尾山に出かけました。昭和記念公園も気持ちがよくて、お弁当をもって何度も出かけています。品川区の都会で育ったせいか、自然がいっぱいの環境のほうがむしろ楽しいです。自宅ではノルウェージャンフォレストキャットという、長毛種のネコを飼っています。滋賀県で働いていた頃に診させていただいていたブリーダーさんから、一匹いただいて育てています。将来は、大型犬を飼ってみたいですね。今は住まいの関係で無理なのですが、いずれはスタンダードプードルなどを飼ってみたいです。妻には「世話をするのは私でしょ」と反対されていますが(笑)。この辺りは、浅川沿いなど犬の散歩に気持ちのいい場所が多いので、私もいつか大きな犬を連れて歩いてみたいです!

病院の今後の展望を教えてください。

私たちがやりたいことよりも、患者さんがやってほしいことに取り組んでいくことが大事だと思っています。その方針にそって、診療内容や設備などを柔軟に変化・発展させていきたいです。動物の生活の質を上げられるよう、また、飼い主さんにとって介護や治療費などの負担を軽くできるよう、重症化する前に病気を見つけることに力を尽くしていきます。小さかった子が成長していったり、元気だった子がだんだん年をとっていったりする過程を間近で見ながら、動物一頭一頭、飼い主さん一人一人と親密に関わっていく経験は、これまでの獣医師人生であまりありませんでした。きっとこれがホームドクターとしての醍醐味なのだと感じています。だからこそ、患者さんの信頼を裏切らないよう、「こんな病院が近所にあってよかったな」と思っていただけるよりよい動物病院に発展させていきたいです。

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