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布川伸子院長、阪井陽子先生の独自取材記事

ぬのかわ犬猫病院 中田分院

(横浜市泉区/中田駅)

最終更新日: 2023/01/22

大きな犬の足跡を模した外観がかわいらしい「ぬのかわ犬猫病院 中田分院」。ぬのかわ犬猫病院 戸塚本院の獣医師たちが育ってきたことを機に立ち上げたという分院には、「くつろいでもらえる空間を心がけた」とクリニックづくりに携わった阪井陽子先生が話してくれたように、温かなやさしい空気が漂っているように思う。本院と連携体制で開催しているパピーケアクラスや歯磨き教室ほか、これから動物を飼いたい人のための飼育前相談など、動物と楽しい暮らしをするためのさまざまなサポートを行っているため、安心してかかりつけにできるだろう。「何でも気軽に相談してください」と優しい笑顔で応えていただいた布川伸子分院長と阪井先生に、同院の特色である専門治療のことから獣医師になったこれまでの歩みまでたっぷりとお話を伺った。 (取材日2015年10月13日)

めざしたのは、動物病院らしくない動物病院

お二方とも本院で診療をされていたとうかがっておりますが、こちらで開院するに至った経緯を教えてください。

【布川分院長】クリニック全体のレベルをあげていこうという趣旨が根本にあって、何かしらに特化した部分を持ちたいなと思ったのが理由です。中田分院では一般診療のほか皮膚科、歯科、行動科、眼科を専門としたクリニックになっています。中でも皮膚診療に関しては、獣医皮膚科専門診察グループのVet Derm Tokyo(VDT)と提携を結ぶことでより詳しい診察を行っています。これらの分野には皮膚が脂っぽかったり、口臭がしたり、視力が落ちて散歩を嫌がったりといった一見病気とは気づきにくい症状も多いですね。命に関わりにくく、身近なだけについ見落としてしまいがちな症状ですが、しっかり治してあげると犬猫だけでなく、そばにいらっしゃる飼主様の生活も改善されます。体質によっては、体系立ててじっくり取り組まないと治らない疾患も多いので根気がいりますが、動物たちが元気になって飼主様の笑顔を見られると嬉しいですし、やり甲斐を感じる瞬間ですね。 【阪井先生】戸塚にある「ぬのかわ犬猫病院」の分院ということもあって、ここに開院した時点で飼い主様にはすでに体制を知ってもらえていて、ありがたかったですね。家から近くなって良かったと言っていただけることもあります。本院の紹介で患者さんが来ることもありますし、当院では入院設備がないため、必要とあれば本院を紹介する形で連携をとっています。得意な診療を手際良くやることで、長時間拘束されずに診察・治療が行えるのも当院の利点だと思います。

温かみのある外観ですね。クリニックづくりではどういった点にこだわったのでしょうか。

【阪井先生】できるだけ病院っぽくない空間作りをめざしました。そのほうが飼い主様も動物たちも緊張しないでしょうから。気軽に来てくつろいでいただけるよう、飼い主様にはお飲み物をサービスしています。当院ではお待たせすることなく質の高い診療を行うため予約優先制にしており、待合室に他の動物がザワザワいないのも、動物の緊張をやわらげる効果になっていると思います。 【布川分院長】動物がリラックスしていると感じますね。全然違うみたいです。来るのが嫌じゃないとか、震えがないとかは飼い主様からよく聞きます。「この子は噛みます」という子でも噛まなかったり。緊張の裏返しの行動として噛むという行為があるので、やっぱり緊張を軽減できているのだと思いますね。

獣医師をめざそうと思ったきっかけを教えてください。

【布川分院長】動物が好きだったというのが大前提としてあるからでしょうね。私の実家は茨城県にある小さな田舎町で牧場を営んでいたのですが、周囲には捨て猫や捨て犬がいっぱいいたんです。牛舎で勝手に猫が寝ていましたし、私自身もよく捨てられた猫たちを拾って帰ってきていました。学生時代は大動物を希望していて就職もそこまで考えていなかったのですが、教授に紹介していただいた先の動物病院で「こんなにかっこいい動物病院もあるんだ!」と、それまで地元の動物病院しか知らなかった私はカルチャーショックを受けて。それが今につながっていると思います。 【阪井先生】子どもの頃、上野動物園の園長をされていた獣医師の増井光子先生がNHKの動物番組に出演されていたのを見て、「女性の獣医さんで、こんなすごい人がいるんだ」と興味を持ったのがきっかけです。増井先生の書かれた本を読んで、ますますおもしろそうな仕事だと思いました。小学校低学年の頃の文集にはもう“獣医さんになりたい”と書いていました。趣味で乗馬をしていたので馬の獣医師か増井先生のような動物園獣医師を仕事にしたいと思い大学に入ったのですが、数ある実習の中でも動物病院の実習は毎回とても新鮮で、小動物を診ることのおもしろさも感じたので進路を決めました。

本院と連携し、得意分野を生かした診療を行う

布川分院長は皮膚科と眼科、阪井先生は歯科と行動科がご専門ですが、それぞれの分野の魅力はどんなところにありますか。

【布川分院長】皮膚病でひどく痒がったり毛が抜けてしまったり、そういうかわいそうな部分を治してきれいにしてあげることは、やりがいとなるところです。私は皮膚のほかに眼を診るのも好きなのですが、互いに似た部分があると思っていて。目は水晶体や虹彩やぶどう膜などでつくられた小さな世界を細かく診て診断していくのですが、皮膚も微細構造といって、毛穴のどこに病原があるかを細かく診て鑑別していくのが今の方法なんです。感染症にしても何に感染しているのか、炎症があるけど感染ではなく免疫疾患なのか、何が原因で起きているのか。そういう一つ一つを掘りさげていって「これだったのか!」と発見するのが好きです。皮膚と目に関して知識を深められたのは、親身に指導してくださった2人の恩師のお陰なので、とても感謝しています。 【阪井先生】もともとは外科好きでした。歯の手術はものすごく細かくて難しいけれど楽しい、と診療していく中で感じます。歯をスケーリングしてピカピカになるのも気持ちが良いし、好きな細かい作業が思う存分できるのもあって、得意といえる分野になっています。歯と歯肉のケアが中心ですが、折れた歯を抜かずに温存治療することも可能です。行動科を始めたのは、ドッグトレーナーの犬を診察したことが大きなきっかけでした。トレーナーさんが連れて来る犬たちは、30キロもある大型犬や通常なら診察を嫌がる柴犬でも落ち着いていてとても穏やかなんです。それでトレーナーさんにお話を聞かせていただいて、「教育すれば犬ってこんなに変わるんだ!」と感動したんです。もっとこういう犬が増えたら犬も飼い主様も獣医師もご近所の方もみんな幸せだと思い、行動学とトレーニングの勉強を始めました。

診療でも「子犬教育の重要性」を啓発されていますが、具体的にはどういったことでしょうか。

【阪井先生】人と共に暮らす為に、生後3〜14週齢の社会化期のうちに様々な物や環境、動物などに慣れる練習をたくさんして、その後の長い一生を楽しく過ごす土台を作りましょう、というのが今進めている取り組みです。子犬の時期なら数十分で慣れることが適齢を過ぎると半年かかることもあるため、最適な時期に効率良く教育してあげるのは大事です。当院では本院にてグループレッスンを行っています。飼い主様の意識を変えることで犬も変わっていくため、子犬のしつけは基より飼い主様の意識改革にも力を入れています。実際、レッスンに通った子犬たちは全然違いますよ。怖いものが少なく穏やかですし、喜んで病院に来てくれるようになります。飼い主様と動物の絆も深まって、楽しく過ごせるようになるので、子犬を迎えた全ての方にぜひ受けていただきたいですね。

皮膚科の専門外来を行っているとお伺いしました。

【布川分院長】先程もお話しましたが、複数の原因が複雑に関わっていることの多い皮膚病にはより専門的な医療が必要だと感じ、今年の4月から獣医皮膚科専門診察グループのVDTと提携を結び、日本獣医皮膚科学会とアジア獣医皮膚科学会の認定医に来て診ていただけるよう体制を整えました。今まで以上に日常的なスキンケアから難治性の皮膚疾患まで幅広く専門的な診察が行えるようになったため、インターネットなどで探してくださったり、本院で治療が難航している動物やVDTに興味のある方が紹介でいらっしゃったり、多くの患者さんに来院いただいています。専門医がいることで患者さんのためだけでなく、獣医師たちの勉強にもなっていますね。お休みの日に学びに来る獣医師もいます。

地域の飼い主たちの相談役として、最良の治療をめざす

診療の際に心がけていることを教えてください。

【布川分院長】動物の生きる権利は、基本的に飼い主様にゆだねられていますよね。例えば人間の働き盛りの人なら、仕事をして収入を得て生きていかなきゃいけないという意思がありますけど、動物は違います。だから飼い主様とお話しないとわからないことがたくさんあるんです。それこそ飼い主様が望むことはそれぞれ違うので。動物が皮膚を掻いていたり、リンパ腺が腫れていたりするのであれば、見て触れるだけでもわかるのですが、現状で飼い主様は何を感じていて何を治してほしいのか。食欲がないことなのか、皮膚を痒がっていることなのか。飼い主様が治してほしいことと動物が発していることにズレが生じている場合もあるため、飼い主様と話をして一致させていくことは常に心がけていますね。 【阪井先生】病院嫌いにならないように動物にストレスを与えない診療をするということです。あと、同じ診断名でも治療法はたくさんあるので、どんな治療を望むか、目標地点をどこに設定するかを飼い主様としっかり話していくことです。飼い主様にご納得いただけないと良い治療もできません。腫瘍などの完治が難しい病気の場合も飼い主様のご要望は様々で、1秒でも長く生きて欲しい、痛みをとってあげたいなど、ご希望に寄り添いながら診療とアドバイスをすることを心がけています。最先端治療も勿論ご呈示しますが、最新の治療が最良の治療ではない場合もあると感じますね。

お休みのときはどのようにリフレッシュされていますか。

【布川分院長】時間のあるときは読書をします。最近は「ソロモンの指環」や夏目漱石を読み返しています。学生の頃に読んだ印象とは全然違うんですよね。あと、桐野夏生も好きです。表現が驚くほどリアルで、すごいなあと思いますね。 【阪井先生】子供の頃から続けているウエスタン乗馬をしたり、ドライブがてらどこかへ出かけることが多いですね。ゴルフもします。外で過ごすことが多いです。カントリーダンスといって、アメリカのカントリーミュージックに合わせて踊るラインダンスもしていて、その練習やライブを観にいくのも好きです。

ありがとうございました。では最後に読者へメッセージをお願いします。

【阪井先生】当院ではこれから犬を飼う予定の方を対象とした飼育前相談も行っています。本当に飼えるのか、どんな種類が良いかなど、犬・猫ともに種類や特性があるため家庭環境によっては飼うのが難しい場合もあります。ご相談いただければアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。 【布川分院長】当院では本院と電子カルテを統合し、スタッフ間で情報を共有しているため、本院・分院のどちらへ行かれてもスムーズな診察が可能です。こちらでは夜間診療を行っていませんが、緊急の場合は本院で24時間対応させていただいております。その際も共有している電子カルテの内容に基づき診察・治療を行いますので、安心してご来院いただければと思います。どんなにささいなことでも気軽に相談してほしいですね。リラックスして診療が受けられるよう空間づくりにもこだわり、スタッフ一同でお待ちしています。

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