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石嶋茂夫 院長の独自取材記事

いしじま動物病院

(柏市/豊四季駅)

最終更新日: 2023/01/22

地域住民のペット診療に根ざす「いしじま動物病院」が柏に開業したのは2012年。以前は我孫子で開業していたものの「もっと広い幅で診療を行っていきたい」という思いから移転し、病院の規模を拡大した。1階にトリミングルームや診察室などが並び、2階にドッグランも用意された院内は開放的な空間だ。出入り口の自動ドア前にペット用ゲートが取り付けられている心遣いもうれしい。院長の石嶋茂夫院長は、誠実な人柄とゆったりした声のトーンが心地いいドクター。「最近はプードルを飼っている飼い主さんが多いため、プードルについて知ろうと思って僕も飼い始めました」と語る勉強熱心な姿勢が、飼い主たちの信頼に繋がっているのだろう。インタビューでは、我孫子から通う飼い主もいるという同院と石嶋院長の魅力に迫った。 (取材日2014年9月5日)

安全・安心の治療は「しつけ」から。「犬の飼い方教室」を開き、無駄吠えや噛み癖を減らす

こちらではクリニックで「犬の飼い方教室」を開いていらっしゃるそうですね。

はい。診療にあたって飼い主さんも困ってしまうことが多いのが、「無駄吠え」や「噛み癖」です。室内で飼われる小型犬には多く見られる行動で、これが多い犬はもう少ししつけをしてあげた方がいいんです。犬が暴れてしまうと診療がしづらいだけでなく、診療器具で犬自身を傷つけてしまう可能性があり非常に危険なので。安全な治療を行うためにも、まずしつけから始めないといけないと思い、専門のドッグトレーナーをお呼びして、月に1回の教室を開いています。診察中もご指導はさせていただいていますが、それだけでは飼い主さんにとっても難しく、意識も持ちづらいかと。教室に足を運んでいただくことでしつけの大切さを理解していただき、犬とより良い主従関係を築いていける方法だと感じていただければうれしいです。

具体的にどういったご指導をされているのでしょうか?

主に「無駄吠え」と「噛み癖」の矯正をさせていただいていますが、特に噛み癖は診療に大きく関わってくる部分なので、しっかりご指導しています。犬が飼い主を噛むのは、主従関係ができあがっていない証拠。犬は普通に接しているだけでは相手を「友達」と認識するため、飼い主さんを「主人」とは思わないのです。そうなると犬の機嫌が悪い時に触れば、吠えたり噛んだりするのが普通になってしまいます。しつけには触り方も重要で、抱く時は前からではなく後ろから抱えるのが正解。また、本来触られることを嫌がる歯や爪を普段から触っておくと、爪切りがスムーズになったり、薬を飲ませる時、口に手を入れても噛まなくなったりするでしょう。犬がどんな年齢になってもしつけはできますから、飼い主さんにはぜひ今から意識していただきたいですね。

診療の中で先生が特に心がけていることを教えてください。

診察の中で大切にしているのは、「病気を見落とさない」こと。ワクチンを受けにきた動物であっても、それだけで診察を終わりにするのではなく、できるだけ触診や聴診などをするよう心がけています。高齢の動物や犬種によって発症しやすい病気は異なるものですから、それを念頭に置いて診療にあたっていますね。中でも私が一番力を入れているのは、「腫瘍の早期発見」です。現在の「日本獣医がん学会」が、「がん研究会」と呼ばれていた頃から勉強会に参加していて、動物のがんについてコツコツ勉強してきました。最近は栄養豊富な食事や医療の進歩によって動物も長生きになり、がんを発症する動物が大幅に増えています。私ががんに興味を持つようになったのも発症率の増加に伴い、現代の獣医師にはがんの知識が必要だと感じたからでした。がんは早期発見できれば治すこともできる病気ですから、これからも腫瘍の早期発見に力を入れていきたいですね。

少数精鋭の高い技術力を持つ、アットホームなクリニックをめざす

外に置かれたベンチや内装など、心和む雰囲気のクリニックですね。

ありがとうございます。地域に根ざすアットホームなクリニックをめざして日々診療を続けています。私はもともとあまり大規模な病院にはしたくないと思って開業しました。というのも、規模が大きくなると自分の目が行き届かなくなる可能性があります。動物や飼い主さんのためにもそれは避けたいので、今後獣医師を増やすなら、少数のベテラン獣医師に来ていただこうと考えています。レベルの高い医療を提供していくことで、地域の方々に信頼していただけるクリニックになれればと思います。

クリニックにはトリミングルームも併設されていているのですね。

はい。我孫子で開業している時もトリマーを1人雇っていたのですが、地域の方からとても評判が良かったため、今回もトリミングルームを設けました。当院に来る犬種はプードルが多いため、以前からトリミングのご要望は少なくありませんでした。ですから、トリミングルームの併設は皆さんにとても喜んでいただいています。また、トリミングルームがあると汚れたまま来院した動物をすぐに洗うことができ、清潔な状態で診療が行えますので、診療においても非常に利点があるんです。

ではほかにクリニックの特色を教えてください。

当院では処方食の配達を請け負っています。ご年配の飼い主さんや遠方にお住まいの方は、処方食を取りに来るだけでも一苦労です。一度うちを受診してくださった方には、電話一本でお送りできるよう体勢を整えています。当院には我孫子の病院に通院していた方もいらしてくださっていますので、できるだけ飼い主さんの負担にならないよう工夫しています。また、飼い主さんに喜ばれているのが、撮影したレントゲンをCDに焼いてお渡しする取り組み。病気やその後のケアについて獣医師からどんな説明を受けたか、それを思い出すツールとして便利だとおっしゃっていただいています。

先生は今後、クリニックでどのような治療に力を入れていきたいですか?

私は最近、再生医療の勉強を始めました。動物の「日本獣医再生医療学会」と人間の「日本再生医療学会」両方に所属し勉強しています。人間と動物では違う勉強をしているように思われがちですが、人間の研究も最初は動物で実験するところから始まるため、根本は同じなんです。ただ、初めから動物用として考えるか、後に人間用に変化させていくかの違いはあり、非常に興味深いですね。現在、当院では人間の美容外科で話題の「PRP皮膚再生療法」と呼ばれる治療を取り入れています。PRPとは普通に縫っただけでは治りづらい大きな傷を専用の液体につけて治していく方法で、手術後など傷をふさぐのに有効です。今後はそのPRPからもう少し進んだ再生医療へ踏み込み、治療へ積極的に取り入れていきたいと考えています。獣医再生医療が進めば、今まで手術しても治らなかった椎間板ヘルニアの動物が歩けるようになる可能性があります。少しでも元気になる動物を増やせるよう、力を尽くしていきたいですね。

何でも相談できる獣医師を一人見つけておくこと。それが大切なペットを守る最善の手段

先生が獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

高校生の頃、病気で入院していた祖母のお見舞いによく行っていたことがきっかけで、医療関係の仕事をめざそうと思いました。もともと医師や獣医師には憧れていましたが、大切な人の命を身近に感じたことで、より鮮明に将来の道として意識するようになりました。当初は医師になるのもいいかなと思っていましたが、小さい頃から家で犬や猫、鶏などを育てていた経験から、最終的に獣医師のほうが自分に合っていると感じ獣医学部を選択。また、幼い頃から手先が器用だったため、獣医師ならそれを生かせるのではないかと思ったのです。

大学卒業後、獣医学の中で先生が特に興味を持って学んだのはどのような分野ですか?

私が大学を卒業した頃は、まだ小動物の医療があまり確立されていない時代でした。そこで大学卒業後、代診していた頃によく学んでいたのが、小動物の救急医療。勉強させていただいていた病院が田舎にあったので、特に猫の交通事故が多かったことを覚えています。病院で経験する医療の多くは、当時の私にとって経験したことのない分野ばかりで、とても興味深かったですね。当時は田舎と都市では動物の寿命が異なり、田舎では伝染病や交通事故の治療が多いのに対し、都市では心臓病や腎臓病など慢性的な病気の治療が多かったように思います。現代は都市や田舎に関係なくみんな長生きですから、慢性的な病気の治療が中心。今は外で動物を飼っている方も少ないため、交通事故の件数はかなり減っていますね。

先生が開業を決意したのはいつ頃でしたか?

大学に入った頃は自分で開業することはあまり考えていなかったのですが、代診医時代にある程度技術が身についたと感じられた時、開業したいと思ったんです。私は大学に入った頃から、小動物を診られるドクターになることをめざしていたので、今思えば開業は自然な選択だったのかもしれません。3年間の代診医を経て最初に開業した場所は、実家のある我孫子。柏に移転してきたのは2年ほど前ですが、開業自体はもう20年ほど続けています。柏に移転してからも、我孫子に通院していた何人かの飼い主さんは足を運んでくださっていて、とてもうれしい気持ちを持つと同時に、頼ってくださる飼い主さんの信頼に応えられるように励まなくてはと強く感じます。

では最後に、読者へメッセージをお願いします。

病気は早期発見できれば治せるものです。飼っている動物に何か違和感を覚えたら、様子を見るのではなくまず獣医師へ相談してください。信頼できる獣医師や通いやすい動物病院を見つけて、気軽に相談できる環境を作っておきましょう。たとえがんであったとしても、初期であれば有効な治療手段はたくさんあります。大切なペットの命を守るためにも、すぐに相談できる獣医師を探してくださいね。

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