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原本 恵子 院長の独自取材記事

アニマ動物病院

(豊中市/石橋阪大前駅)

最終更新日: 2024/03/29

石橋阪大前駅から徒歩8分の場所に位置する「アニマ動物病院」は、開業以来長きにわたり、地域に暮らす動物と飼い主に寄り添ってきた。原本恵子院長が同院を継承して20年余り。経験豊富な獣医師2人とスタッフ4人が犬、猫を中心にさまざまな動物の診療に対応する。2つの診察室はガラス張りで、待合室から診察の様子が見える開放的な造り。待合室には院長が集めたり飼い主から贈られたりした動物のぬいぐるみが並べられ、木目調の内装とマッチして家庭的でぬくもりのある空間だ。日々の診療に加え、新たな知識の習得にも意欲的な原本院長。多忙を極めながらも、診療に訪れた動物や飼い主をやわらかな雰囲気で包み込む。取材中も言葉の端々から動物への深い愛情と動物医療への情熱があふれ出ていた。(取材日2024年2月21日)

飼い主の話にじっくり耳を傾け、丁寧に病状を見極める

開業から40年以上の動物病院と伺いました。

はい、1983年に開業した動物病院が前身で、私が院長として引き継いだのは2001年です。開業当初から今まで、元院長とともに診療を続けてきました。当院では一匹一匹の命を大切に、動物とその飼い主さんに丁寧な診療を提供することをモットーとしています。インフォームドコンセントを重視しており、飼い主さんに病気の状態をわかりやすく説明し、複数の治療選択肢を提示して、その中から納得して選んでいただいた治療を一緒に進めていくようにしています。普段の動物の様子をよくご存じで、彼らの気持ちを一番理解されているのは飼い主さんなので、治療においても飼い主さんの協力は欠かせませんね。一方で、第三者である私たち獣医師が診て初めて異変に気づくこともあります。飼い主さんと獣医師が協力して、動物たちの生きる力を支えてあげたいと常に考えています。

動物病院を受診する際、飼い主としてどのようなことを心がければよいでしょうか。

病気に関しても普段の生活に関しても、疑問に思っていること、不安に感じていることを遠慮せずにすべてお話しいただきたいですね。包み隠さずにお話しいただくことで、飼い主さんのご希望もわかりますし、今後の道筋も見えてきます。普段の様子を見ている飼い主さんならではの視点がとても重要ですから、ざっくばらんにお話を聞かせていただければと思います。獣医師に相談することで、それまで見過ごしていた健康状態の変化に気づいたり、自分はこの子にどうしてあげたいのかと考えたりする良いきっかけにもなるでしょう。一方で、飼い主さんの気持ちは動物に伝わりますから、気にしすぎるのもよくありません。不安を解消するためにも、早めにご相談いただければと思います。

動物の痛みや苦しみを代弁できるのは飼い主だけですからね。

そうですね。本当のところどう感じているかは動物自身にしかわからないのですが、彼らにはそれを人に伝えるすべがありません。彼らの感覚や思いを感じ取れるのは身近で見ている飼い主さんなんです。ですから、たとえ診察して異常が見つからなくても検査の数値に異常がなくても、私は飼い主さんの「この子、なんだか痛そうなんです」という言葉を大切にしてます。飼い主さんが「痛そう」と思うのには何らかの根拠があるはずですから、具体的にお話をお聞きする中で痛そうにしている原因が見えてくる可能性があるのです。もしその時に原因がわからなければ、もう一度様子を見ていただいておかしいと感じたときに動画を撮っていただいたり、じっくり様子を観察していただいたりして、改めてお話を伺うこともあります。私たち獣医師は、飼い主さんのお話を一言たりとも聞き漏らさず、じっくり検討して適切な診断、治療に努める義務があると考えています。

歯科、皮膚科を中心に動物の負担を抑えた診療を提供

動物の性格もさまざまだと思いますが、どのように接していらっしゃいますか。

大切なのは動物の気持ちになって考えることだと思います。体調が優れない上に、動物病院に連れてこられて怖いのは当たり前ですよね。無理せず、その子が受け入れてくれる範囲内で診察するようにしています。例えば診察室に入るのは怖いけれど待合室なら大丈夫という子もいますし、飼い主さんと一緒なら落ち着いて診察を受けられるという子もいます。どうすれば怖がらずに診察させてくれるか、いろいろと工夫はできると考えています。また、ご自宅では痛そうにしていても、動物病院に来ると恐怖心や緊張感から症状が現れにくくなるケースもあります。動物たちがなるべく普段飼い主さんが見ている自然に近い状態でいられる環境をつくれるよう、臨機応変に対応していきたいですね。

特に力を入れている診療分野はありますか。

病気予防のためのケアを中心に、歯科や皮膚科に力を入れています。歯については、麻酔なしで歯垢や歯石を除去するスケーリングは動物に恐怖心を与えてしまう可能性があるため、当院ではどうしても必要な場合に限って行っています。予防の基本となるのは歯磨きで、動物にも飼い主さんにも無理なく続けていただける方法をアドバイスしています。皮膚については病気の予防・改善に役立てるためシャンプーや保湿を重視しています。薬を飲ませるのは動物にとっても飼い主さんにとっても大変ですから、まずは皮膚を健康で清潔な状態に保つことから始めていきます。シャンプーが苦手な場合には飼い主さんにブラッシングの技術をお教えして、ご自宅で継続していただくようお願いしています。また、肉食動物は中年以降、良質なたんぱく質の摂取が重要になってきます。日々の食事についてもご相談いただければと思います。

必要に応じて、診療に東洋医学も取り入れていらっしゃると伺いました。

そうですね。当院では、さまざまな治療の補助に役立つ鍼灸に力を入れています。10歳を超えた犬、猫は長年生きるうちに生命力が弱ってしまっているため、治療がうまく進まない場合もあるので、そんなとき鍼灸によって治療効果の促進を図るのです。また実施の際は、鍼灸の特徴について飼い主さんに十分ご説明した上で、希望された場合に提供するようにしています。飼い主さんに寄り添っていただきながら施術することで、飼い主さんの「元気になってほしい」という気持ちが動物に伝わればいいなと思っています。現在は毎週水曜日を鍼灸の日として予約を受けつけています。より多くの方に鍼灸の持つ可能性を知っていただければうれしいですね。

今後は鍼灸や予防を中心に動物の健康を支えていきたい

先生はどのようなきっかけで獣医師をめざされたのですか。

母の影響が大きいと思います。私は広島県の山奥で育ったのですが、母はふもとへ買い物に行く際にいつも会う猫を愛おしく思っていたようです。その猫が病気になったときには、近所に1軒だけの動物病院に連れていこうとしたり、薬を飲ませようとしたりするような人でした。母が喜んでくれる仕事は獣医師だと考えたんです。また、私自身も夜になると真っ暗になる山の中で育ちましたので自然の怖さを知っていますし、そこで生きる動物たちの気持ちもわかるような気がしていたんです。それが獣医師をめざした原点にあると思いますね。

今後の展望をお聞かせください。

私自身の体力面も考慮し、将来的には鍼灸などの東洋医学と予防を中心に診療を続けていければと思っています。また、未病の段階で体を整えようというのが東洋医学の根本的な考え方なのですが、この考え方は予防にも生かしていきたいですね。長年動物医療に携わってきて西洋医学の良さもわかっていますので、その良さも生かしながら当院ならではの診療を提供していきたいです。また、動物も高齢化により介護を必要としています。飼い主さん自身もご高齢という場合もありますので、動物も飼い主さんも無理なく元気に過ごせるようお手伝いをしていければうれしいです。動物と飼い主さんはお互いになくてはならない存在ですからね。

最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

動物たちは、過去を振り返ることなく、未来を展望することもなく、今を大切に生きています。そのような動物たちの姿から学ぶことは多いでしょう。私たち人間も過去を悔やむことなく、未来に期待しすぎず、今ある命を大切に生きていきたいものです。ご家族に悩みを抱えた方がいれば、動物を飼い、育てることで良い方向が見出せるかもしれません。命の大切さを実感するとともに、動物たちを守るためにも平和な世の中を維持していかなければと考えることで、社会の進むべき方向にも関心を持てるようになるでしょう。

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